走るという動作は実にシンプルな動きであるが、マラソンになるとまた別物である。
42.195kmをノンストップで走り続けなければならないという実に過酷な競技である。
それ故に、心肺機能だけでなく、「着地した衝撃」または「踏み切った時の地面からくる反力」に負けない筋力がある身体を作っていかなければならない。
単純に心肺機能さえ鍛えておけば良いというわけではないのだ。
心肺機能は強靭なのに、筋力がないゆえに長時間の地面からの反力に身体が耐えられず壊れてしまう方が非常に多い。
壊れる場所としては膝の関節が特に多い。
いわゆる『ランナー膝』と言うものだ。
今回はランナーズ膝になってしまい、ある程度痛みが軽減した時に競技に復帰する人もしくは長期間の離脱により競技パフォーマンスが落ちてしまった方向けの『筋トレ』を、わかりやすい動画解説付きで解説していく。
難易度別に「初級編」と「上級編」に分けてご紹介しているのでぜひご参考にしていただきたい。
ランナー膝でマラソンのパフォーマンスが低下した方向けの『筋トレ』方法を解説
前述した通り、より良い心肺機能を持っていたとしても、筋力が不足しているが故に、マラソンという長時間走り続けることによる身体への負担に耐えられなければ、ランナー膝を始めとしたトラブルを引き起こしてしまう。
つまり、筋力不足のせいで以下のような負の循環が生じてしまう。
- 筋力不足。
- マラソンによる地面からの多大な身体への反力に耐えられない。
- ランナー膝などの故障。
- 長期離脱もしくは無理をする。
- 筋力が低下する。
- 1へ。
この負の循環を断ち切るためには、ある程度ランナー膝の痛みが軽減したら、マラソンの練習を復帰するのではなく、まずはベースとなる筋力を強化する『筋トレ』をおこなって、マラソンによる負荷に耐えられるようにしなければならないのだ。
しかし、痛みがなくなったから早速「筋トレ」しよう!ではいけない。
まずはなぜランナー膝になってしまったのかその原因を特定するために検査をしていく必要がある。
そして、「筋トレ」をする前に十分な膝や股関節、足関節の柔軟性を獲得しておく必要がある。
柔軟性が出てからはじめて筋トレを始めていく事べきなのである。
以下に
- ランナー膝の原因特定検査方法
- ランナー膝の柔軟性改善動的ストレッチの方法
を解説した後に、ランナー膝の為の筋力を強化する「筋トレ」方法を解説していく。
まずはランナー膝の原因を特定する検査から始めよう!
ランナー膝になってしまうとどうしても痛みが強く出ている『膝』に焦点を当ててしまう方が多い。
確かに痛みが出ている膝もしっかり診て、検査していかなければならない。
しかし、痛みが出ている、つまりは膝の内部に傷ができてしまっているものに対して、一瞬でその傷を消すと言うことはこの現実世界では到底不可能である。
膝内部の傷を改善させる為には人が持つ自然治癒力が最大に発揮出来る環境を作ってあげる事が非常に大切だ。
特に膝に負担をかける要素を特定しない限り、膝の内部の傷が癒え、痛みが改善したところでまた負担をかけてしまい痛みを繰り返してしまう。
膝への負担をかける大きな要素としては、「股関節」「足関節」の影響である。
これらの関節がしっかり機能しているかどうかを検査していく事が非常に大切となるのだ。
※ランナー膝の詳しい検査方法はこちらの記事にて解説しておりますので是非ご覧ください。
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次にランナー膝の痛みを改善するための動的ストレッチで柔軟性を改善していこう!
前述した通り、マラソンと言う競技は地面からの反力が長時間身体に加わってしまう競技である。
そのような地面からの反力に耐えるためには筋力ももちろん必要なのだが、まずは膝周囲の柔軟性が大事になってくる。
柔軟性は車に例えれば、サスペンション的な役割がある。
サスペンションが硬ければ、車体への負担が大きいのと同様に、身体の柔軟性がなければ長時間地面からの反力にさらされてしまう。
そうなれば、どんなに筋力があったとしても身体に過負荷がかかり故障の原因となる。
その為、ランナー膝の検査を行ったら、動きが悪くなっている部位を改善していく必要があるのだ。
※詳しいランナー膝の柔軟性改善動的ストレッチの方法はこちらの記事にて解説しておりますのでぜひご覧ください。
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ランナーズ膝の為のマラソンパフォーマンス改善「筋トレ」【初級編】
ランナーズ膝の為のマラソンパフォーマンス改善「筋トレ」【初級編】は、まずはランナー膝の痛みが改善してから行おう。
【初級編】は再び競技復に帰した時、再発を防ぐという目的の為に行なって頂きたい筋トレである。
その為、痛みを我慢しながら行うと症状が悪化しかねないので気をつけて頂きたい。
※柔YAWARAが動画の中でランナーズ膝でマラソンのパフォーマンスが落ちてしまった方向けの筋トレ方法を解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
ランナーズ膝改善のための股関節周囲の筋トレ
体幹・股関節の筋力を強化し、膝に加わる負担の軽減を目的に行う。
方法
- 肘をつき、膝を曲げて横向きに寝る。
- その状態でお尻をあげる。
- 上側の足は伸ばして、真上に開いていく。
- 骨盤が後ろに倒れないように気をつけよう。
※左右10回ずつ行っていこう!
ランナーズ膝改善のための膝周囲の筋トレ
股関節・膝関節の筋力を強化し、地面からくる反力に膝が負けないように強化していく事が目的。
方法
- 手を前で組む。
- 交互にランジ動作を行う。
- なるべく体幹がブレないように腰を落とそう。
- 膝が内側に入らないように気をつけよう。
※左右10回ずつ行っていこう!
ランナーズ膝改善のための足関節の筋トレ
ふくらはぎの筋力を強化し、膝へ加わる負担の軽減を目的に行う。
方法
- 足は肩幅に開き、手は胸の前で組む。
- しっかりと母指球に体重が乗るように踵をあげよう。
- 下げる時は地面スレスレまで下ろす。
- 慣れてきたら、母趾球と小趾球交互に体重をかけるように行おう!
※左右50回ずつ行っていこう!
ランナーズ膝の為のマラソンパフォーマンス改善「筋トレ」【上級編】
ランナーズ膝の為のマラソンパフォーマンス改善「筋トレ」【上級編】ではよりマラソンのパフォーマンスを向上していただくことを目的とした筋トレおよび各関節と関節の連動性を改善していく筋トレを解説していく。
【初級編】と同様にランナー膝の痛みが低下してから行うようにしよう。
また無理して症状が再発しないように注意して頂きたい。
※柔YAWARAが動画内でランナーズ膝の『筋トレ』方法上級編を解説しております。
ランナーズ膝改善のための股関節周りの筋トレと連動性を改善する筋トレ
股関節および殿部周囲の筋力を強化し、膝に加わる負担の軽減を目的に行う。
また各関節の連動性を向上させ、パフォーマンス向上を狙う。
方法
- 四つ這いになる。
- 次に足を横に広げる。
- そして足を後ろにまっすぐ伸ばす。
- 骨盤が開いたり、腰が反りすぎないように気を付けましょう。
※左右10回ずつ行っていこう!
ランナーズ膝改善のための下肢の連動性を改善する筋トレ
股関節や膝関節、足関節の筋力を強化し、膝に加わる負担の軽減を目的に行う。
また各関節の連動性を向上させ、パフォーマンス向上を狙う。
方法
- 手は前で交差し、立膝をつく。
- その状態で立膝をついていない方の足を振り上げる。
- 最後に軸足の踵を上げていこう。
- 連動して一辺にに出来るように行おう。
※左右10回ずつ行っていこう!
ランナーズ膝改善のための足の筋トレと連動性を改善する筋トレ
足関節の筋力を強化し、膝に加わる負担の軽減を目的に行う。
また下肢の各関節の連動性を向上させ、パフォーマンス向上を狙う。
方法
- バスタオルを2枚用意して地面に置く。
- タオルの1歩横に立ち、手は前でクロスして片足立ちになる。
- その状態でタオルがある方向へサイドランジを行う。
- つま先と膝、股関節が一直線になる様に踏み込む。
- 膝が内側に入らない様に気をつけよう。
※左右10回ずつ行っていこう!
上記のエクササイズをやっても中々改善しない方は是非一度当店にて施術を!
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ランナー膝になった時に知っておきたい情報をご紹介
ランナー膝と言っても、膝の外側が痛くなる「腸脛靭帯炎」や膝の内側が痛くなる「鵞足炎」など様々なものがある。
これらの改善方法も合わせて知っておいたほうが良いのでご紹介する。
※走ると膝の外側が痛くなる腸脛靭帯炎の改善方法はこちらの記事がお役に立ちます!
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ランナー膝の為の筋力改善「筋トレ」のまとめ
今回はランナー膝でマラソンの練習ができなく、パフォーマンスが下がってしまったランナーの為の筋力を改善するための「筋トレ」方法を解説した。
- ランナー膝改善の為の筋トレを行う前にまずは膝周囲の検査と柔軟性を改善する動的ストレッチから行っていこう。
- ランナー膝改善の為の筋トレは必ず痛みが軽減してから行っていこう!
- まずはランナー膝の再発予防の為の筋トレ【初級編】を行ってから、パフォーマンスUPの為の筋トレ【上級編】を行うと効果的だ。
ランナー膝はマラソンの故障の中でも非常に多い症状である。
冒頭でも述べた様に長時間地面からの反力を身体で受け続けないといけないからだ。
加えて股関節や足関節の機能障害が起きているとより膝への負担が大きくなってしまう。
ランナー膝になり痛みが生じてからでは手遅れであるのでそうならない様にまず予防を心がけて頂きたい。
しかし、ランナー膝の痛みが出てしまっても、人は『自然治癒力』を持っているので、回復段階に応じて治療していこう。
そして、一度パフォーマンスが落ちてもまた向上していくので焦らずじっくりとランナー膝を改善していこう!
訂正:2019/06/12