マラソンをしているとトラブルは付きものである。
その中でも特に膝が痛くなってしまうトラブルが非常に多い。
膝という関節は体重がかかる荷重関節であり、かつ股関節や足首の影響を大きく受けてしまう。
また、膝には多くの筋肉が付着しておりとても痛みが起きやすい部位となっている。
代表的な症状としては、ランナーズニーと呼ばれる『腸脛靭帯炎』や『鵞足炎』という症状がある。
今回はこれらの症状を精査する検査方法ではなく、これらの症状を引き起こす、つまり膝に負担を与え、痛みを出してしまう原因を特定する為の検査方法を解説していく。
マラソンで膝が痛くなってしまう時に行う原因特定検査方法を解説
マラソンによって膝が痛くってしまうランナーの為の原因を特定する検査方法を解説していく。
方法としては非常に簡単だ。
膝に痛みが出ている側と痛くない側の「股関節」「膝関節」「足関節」の動きを比較して、左右差が生じているかをチェックする。
判定方法としては硬さが出ている部位にトラブルが生じていると考えよう。
この考え方は以前別の記事にて解説したように、身体を検査するためには痛みが出ている関節とその上下の関節も合わせて検査していく必要がある。
※詳しい考え方はこちらの記事にて解説しているので是非ご参考にしてください。
-
マラソン初心者で身体が痛む方必見!原因を特定する検査方法とは?
マラソンを行なっていると身体のトラブルはつきものである。 特に初心者の方では間違ったトレーニングを行なってしまい症状を悪化させてしまう方が多い。 マラソンの練習で身体に痛みが出てしまう理由としては、練 ...
マラソンによって膝に痛みが出てしまっても同じように考えていこう。
膝だけでなくその上下にある「股関節」や「足首」の状態を検査していくことが大切なのである。
以下にマラソンにて膝が痛くなってしまったランナー向けの
- 股関節の検査方法
- 膝関節の検査方法
- 足関節の検査方法
をご紹介していく。
※柔YAWARAが動画の中でマラソンを走ると膝が痛くなってしまうランナーの為の原因を特定する検査方法を解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
股関節の柔軟性の検査方法
- 仰向けで寝る。
- 股関節を曲げる。
- 股関節を内側に倒していく。
※内側に倒した時、膝頭が反対側の肩を超えない場合は股関節の柔軟性が損なわれていると判断しよう。
膝の柔軟性の検査方法①
- 仰向けで寝る。
- 膝を曲げる。
- 二本の指で足首の前を押していく。
※二本の指で押して、踵がお尻につかない場合は膝の柔軟性が損なわれていると判断しよう!
膝の柔軟性の検査方法②
- 座って行う。
- 踵で円を描くように膝を回す。
※踵で綺麗な円が描けない場合は膝の柔軟性が損なわれていると判断しよう!
足関節の柔軟性の検査方法
- 肩幅に足を広げる。
- 踵がついた状態でしゃがんでいく。
※深くしゃがんだ時に踵が浮いてしまったり、後ろに倒れてしまう場合は足首の柔軟性が損なわれていると判断しよう!
マラソンで膝が痛くなってしまうランナーに多いトラブルを解説
前述した通り、マラソンによる膝の痛みのトラブルには『腸脛靭帯炎』や『鵞足炎』と呼ばれる症状が多い。
『腸脛靭帯炎』とは膝の外側にある腸脛靭帯と大腿骨が擦れてしまい、膝の外側に痛みを出してしまう症状だ。
※詳しくはこちらの記事にて解説しているので是非ご参考にしてください。
『鵞足炎』とは膝の内側につく「薄筋」「縫工筋」「半腱様筋」の3つの筋肉が膝の負担により炎症を起こしてしまう症状である。
※こちらの症状についても、以下の記事にて詳しく説明しているので是非ご参考にしてください。
-
「鵞足炎」かも!?ランニングすると膝の内側が痛みます!
この記事を読むと分かること 鵞足を構成している「薄筋」「縫工筋」「半腱様筋」の場所が分かります。 鵞足炎の原因と症状が理解できます。 鵞足炎の改善方法を学ぶことができます。 サッカーやバスケなどのスポ ...
マラソンによる膝の痛みの原因を特定する検査方法を行ったら、次は動きが悪くなっている場所の柔軟性を改善していくことが大切である。
※マラソンによる膝の痛みを改善していくための柔軟性改善エクササイズについてはこちらの記事にて動画付きで解説しておりますので是非ご覧ください。
-
ただ動かすだけで良い!ランナーズ二ー改善の為の動的ストレッチ
一言でランナーズニーと言っても膝のどの場所に痛みが出ているかによって問題が変わってくる。 膝の内側が痛かったり、または外側が痛かったり、後ろ側が痛かったりと実に様々である。 代表的なランナーズニーと言 ...
まとめ
今回はマラソンを行って膝が痛くなってしまったランナーの為の原因を特定する検査方法を解説した。
- マラソンに寄って膝が痛くなってしまうランナーの症状には、内側に痛みを出す『鵞足炎』や外側に痛みを出す『腸脛靭帯炎』など様々な種類のものがある。
- マラソンで膝が痛くなる原因としては股関節や足関節の柔軟性の欠如により、膝に負担を与えているケースがあるので、それらの関節の動きも合わせてチェックする必要がある。
- 膝の痛みの改善のために膝周囲の検査を行って原因を把握したほうが痛みの改善の近道となる。
マラソンをされている方で膝に痛みを出してしまうというトラブルは非常に多い。
膝の内側が痛くなったり、外側が痛くなったり、はたまた膝の裏が痛くなったり、その症状は様々である。
それらに共通して言えることは、やはり股関節や足関節など、膝の上下に位置する関節の動きや柔軟性が悪くなっているケースが多い。
マラソン、つまりは長い距離を走るという動作は全身運動であり、かつ負担が非常にかかる競技となる。
どこか一つ関節が硬くなり、動きが悪くなれば、その動きが悪くなった分だけどこか別の関節に負担がかかってくるからだ。
マラソンを行っていて膝が痛くなってしまう場合は、膝だけに着目するのではなく、股関節や足関節にも注目していただきたい。
膝に痛みを抱えているマラソンランナーの方はこちらの記事に書かれている膝の痛みの原因を特定する検査方法を是非活用していただきたい。
改訂:2019/06/08