よくマラソンランナーの方で練習がしたいのに膝や腰などの痛みで練習が出来ない。
負荷をかけたトレーニングができなくなるというご意見を頂くことがある。
それもそのはず、そもそも人間の身体は日常生活でも体の中で「破壊」と「自己修復」を繰り返している。
マラソンランナーはこれに加え、マラソンの練習による身体の「破壊」が多くなる。
つまり修復量よりも「破壊」が上回ってしまうのだ。
原則として「破壊」と「自己修復」のバランスが崩れてしまった時に身体の痛みが出てしまう。
基本的には、マラソンの練習を休めば「破壊」の割合が少なくなるので「自己修復」が進み、身体の痛みは消えていく。
しかし、マラソンランナーの方だと大会などの関係やパフォーマンスが落ちてしまうのではないか?という強迫観念の観点から休もうにも休むことが出来ない人が多い。
その為、身体が壊れるまで練習を続けてしまう人が非常に多いようだ。
いかに身体に痛みが出て、どのようにその痛みに対処していくかについての知識が必要となる。
今回はマラソン初心者がどうして練習を続けてしまうと身体に痛みが出てしまうのかについて詳しく解説していく。
※記事を読む時間が取れない方には以下の動画もオススメです。 柔YAWARAが動画の中でマラソン初心者に知っていただきたい「身体に痛みが出てしまう理由」について解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
マラソン初心者が練習を続けると身体が痛くなる原因
マラソン初心者が身体を壊してしまう原因としては、身体の『オーバーユース』が考えられる。
冒頭でも説明した通り、人の身体は「破壊」と「自己修復」を常に繰り返している。
このバランスが崩れ、「破壊」が上回ってしまうと身体に痛みが出てしまう。
マラソン初心者で「破壊」が上回ってしまう要因としては、
- 運動負荷が身体ごとに決まっているから
- 長い距離を走る上で身体が運動負荷に耐えられないから
の2つが考えられる。
これらについて以下に解説していく。
運動負荷の耐性は身体ごとに決まっている。
仮にマラソン初心者のAさんがいて、現時点の身体の機能として『100』の運動負荷にしか耐える事が出来ないとする。
それに対して『200』の運動負荷を加わり続ければ、身体が壊れてしまう。
このように耐えられない負荷が人間の身体に加わると身体に「痛み」を出してしまうことになる。
長い距離を走る上で身体が運動負荷に耐えられないから
何故マラソン初心者が走り続けると身体に痛みが出てしまう事が多いのかと言うと、長い距離を走ると身体には多大な運動負荷が加わってしまう。
マラソン初心者の方はその負荷に身体が耐えられないのである。
当たり前な話だが、マラソンによる運動負荷が身体の「破壊」を促し、自己修復力の範疇を超えてしまえば、痛みとなって身体に現れてしまう。
そして、身体に痛みが出た時点で組織に多少なりとも傷がついている状態となってしまう。
残念ながらその痛みは組織の傷が修復するまで改善しないのが現実だ。
その為、痛みが出てしまったら早期に練習方法や身体のケアの方法を見直さなければならないのだ。
練習を続けたいマラソン初心者が知るべき「痛み」に対する考え方
前述した通り、マラソン初心者の方は身体に痛みが出た時点で色々見直さなけらばならいない。
それはトレーニングの方法や身体の痛みに対する考え方である。
マラソンの練習を続けていきたいのであれば、
- マラソンに必要な2つの機能
- 身体に痛みが出た時のトレーニングの考え方
を知るべきである。
マラソンに必要な2つの機能
長い距離を走るマラソンランナーの場合、大きく2つの機能が必要となる。
1つ目が心肺機能である。
2つ目が身体機能である。
長い距離をより早く走る為には、肺や血中に呼吸を多く取り込む必要がある。
また、さらに速く走るためには身体機能つまり「筋力」や「関節の動き」が必須となるのだ。
これらが未熟のまま、負荷の高いトレーニングを行なってしまうと『故障』つまり身体の痛みに直結する事になる。
身体に痛みが出た時のトレーニングの考え方
マラソン初心者は練習をしていて身体に痛みが出た時、多くが我慢をして走り続けてしまう。
もちろん痛みを我慢して、練習を続ける事は出来る。
しかし、選手生命は格段と短くなってしまう。
なぜなら、身体に痛みが出ているという事は組織に傷がある状態である。
同じような運動負荷を加え続ければより組織が壊れてしまうからである。
身体の痛みを回復させる為にはやはり安静にする事が大切だ。
だが、前述したように大会などで練習を休むことが難しい場合もある。
どのように安静を保ちながら、運動パフォーマンスを落とさず、トレーニングをして行くのか?が鍵となる。
このように考えてみてはいかがだろうか?
- 走るという動作以外で心肺機能を鍛える。
- マラソンの練習量を半分にして、痛めているところに負担がかからないような種目で身体へのトレーニングを行なっていく。
このようにする事で、痛めた部分を休ます事ができ、遠くへ走る機能を高める事が可能である。
※マラソン初心者の為のトレーニングの考えについてはこちらの記事にて詳しく解説しております。身体に痛みがある方は今一度トレーニングの考え方を見直しましょう!
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※怪我なくトレーニングを行うためには、まず身体の分析をしっかり行おう。例え痛みが出ていたとしてもしっかり自分の体を自分でチェック出来ていれば、症状が悪化すことはないからだ。是非こちらの記事をご参考にしてください。
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参考にした文献
・サッカー専用ボディ強化計画 監修 鈴木章史 三栖英揮
上記の文献を参考に分かりやすく簡単にまとめました。
まとめ
今回は初心者ランナーに知って頂きたい、練習をし続けたいけど痛みが出てしまう理由についてご紹介した。
- 練習で腰や膝などに痛みが生じる原因は身体にとって運動負荷が、高すぎるから。
- 痛みが出てしまった時点で組織に傷ができてしまっている。
- 痛みが出てしまったら、運動量は変えずに運動の種目を変えて痛めているところへの負担を軽減させ、自己修復を促すようにしよう。
早くなるためには過度な負荷を与えないといけないが、度が過ぎると痛みが出てしまうので注意していただきたい。
一番は痛みが出ないように身体にあった運動負荷で練習をするのが大切である。
こちらの記事がモチベーションの高いマラソン初心者の方のお役に立てれば何よりだ。
訂正:2019/04/22