『踵の痛み』の原因は捻挫の後遺症⁉改善方法5選も合わせて解説

投稿日:2019年10月9日 更新日:

踵の痛みアイキャッチ

足の痛み

立ち仕事をされている方やよく歩かれる方に踵に痛みを出してしまわれる方が多い。

その多くの原因が「足底筋膜」のトラブルや踵の脂肪体の炎症を引き起こしてしまうからである。

足底筋膜などの炎症は「足関節の捻挫後の後遺症」が原因で生じてしまう。

一般の方にはピンとこないと思うが、以下に足関節の捻挫後に身体のトラブルを出してしまわれる方が多いことか。

その最たるものが踵の痛みである。

一旦踵に痛みが出てしまうと荷重がかかる場所であるため、治りづらいのが事実である。

今回はそんな踵の痛みの原因や捻挫後に生じる負のスパイラルについて簡単にご紹介し、早期に踵の痛みを改善していくための方法を解説していく。

足関節の捻挫が踵を痛くする3つの原因を引き起こしてしまう

足関節を捻挫してしまうと主に「前距腓靱帯」と呼ばれるものが損傷される。

前距腓靭帯

前距腓靭帯が損傷してしまうと、身体の重心が外側によってくる。

また外側にある腓骨筋と呼ばれる、足のアーチに関わる筋肉の機能が低下もまねき、アーチを支えることが困難になることによって、足のアーチが低下してしまい、扁平足化が進行してしまう。

その事によって、足底腱膜に負担がかかり「足底筋膜炎」を発症してしまう方もいる。

それだけでなく、踵の関節である「距踵関節」にも負担がかかってしまう。

最終的には歩く効率が悪くなるため、ふくらはぎの筋肉である「下腿三頭筋」にも張りが出るなどのトラブルが生じてしまう。

捻挫後にしっかりとリハビリを行わないと足の機能が低下してこれらの事が生じてしまう。

その事によって、捻挫後に踵の痛みが出やすくなってしまうのだ。

それではなぜ、

  • 扁平足化による足底筋膜への負担
  • 距踵関節のトラブル
  • 下腿三頭筋のトラブル

が生じてしまうと踵の痛みにつながるのか?

これらについて詳しく解説していく。

足底筋膜への負担による踵の痛み

足底腱膜と呼ばれるものは厚い膜状の構造をしており、足のアーチに関わってくるものである。

歩く時の蹴り出しの時に機能を果たす。

足底腱膜の付着部位

  • 踵骨〜中足骨頭

足底腱膜

※こちらは実際の足底腱膜をトレースしたものとなる。

実際の足底腱膜

足の扁平足化が進むと足のアーチが落ちてしまう。

扁平化

足のアーチが落ちてしまうと本来の足底腱膜の長さ以上に伸ばされてしまう。

その事によって、足底腱膜がついている踵が引っ張られることで炎症を引き起こし踵に痛みを出してしまうのだ。

足の偏平足化を招く原因として捻挫以外にも以下の3つのものがある。

  • 扁平足で足のアーチが低くなっている。
  • 靴のサイズが合ってない。
  • 平たいスリッパばかり履いている。

※以前足底筋膜炎についての検査方法を詳しくこちらの記事にて解説しました。踵の痛みの原因が足底筋膜炎によるものであるかはこちらの記事の検査方法を実践していただいて特定してみましょう。

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下腿三頭筋による影響

下腿三頭筋とは「腓腹筋」「ヒラメ筋」を合わせて呼んでいるものである。

「腓腹筋」「ヒラメ筋」はふくらはぎの筋肉である。

下腿三頭筋

ここの筋肉は筋膜で足底腱膜と繋がっている。

つまりこの筋肉が硬くなってしまうと足底腱膜まで硬くなり、踵の部分で炎症が生じてしまうことにより踵に痛みを出してしまう。

距踵関節のトラブルによる影響

距踵関節にトラブルを生じてしまっている方の多くは過去に捻挫を経験されている方がほとんどである。

捻挫をしてしまうと足首にある距骨や踵骨、脛骨、腓骨をつなぎとめている靭帯が損傷してしまう。

その影響で、足首の関節が緩くなってしまう。

そのことによって距骨と踵骨の関節である距踵関節にトラブルが生じてしまうことがある。

距踵関節

この関節は歩く時の踵をつく時に動く関節である。

この部分が動くため、踵を着いた時の衝撃が吸収される。

しかし距踵関節の動きが不十分になると、踵をつく時に痛みがでるなどの症状が出てしまう。

足関節の捻挫によって発生した踵を痛くする原因が負のスパイラルを生み出す

実は足関節の捻挫を行ってしまうと歩行時や足に以下のような変化が生じる。

  1. 足関節の捻挫によって足底筋膜へ負担をかける。
  2. 扁平足によって歩行時の衝撃吸収機能が低下して踵に痛みを生じさせる。
  3. 扁平足によるけり出しの低下が反対側の踵に負担を与える。

前述した原因は上記の流れによって発生してしまう事を覚えておこう。

以下に捻挫後の踵の痛みを引き起こす負のスパイラルについて解説していく。

足関節の捻挫によって腓骨筋の機能低下による扁平足化

知らない人が多いのだが、実は足関節の靭帯は足関節の骨をつなぎとめる役割だけでなく、身体の傾きを検知する機能がある。

その為、捻挫によって靭帯が損傷してしまうと身体の傾きを検知する機能が低下してしまうのだ。

つまり、足関節から上が常にグラグラで不安定な状態になってしまう。

何段も高く重ねたお蕎麦を運ぶ時をイメージして頂ければ分かりやすい。

お蕎麦を持っている人間は非常にバランスを取るために力が入ってしまう。

その為、持っている腕の筋肉が痛くなってしまったり、疲労しやすくなる。

これは捻挫をした足関節でも同じ事が言える。

足関節より上の身体をしっかりと制御できなくなる為、余計な負担が足底筋膜などにかかってしまい、炎症を引き起こしてしまう。

これによって足底筋膜炎や踵の痛みを発生させてしまう。

そして、前述した通り、足関節の捻挫によって『腓骨筋』の機能低下を招き、外側重心が促進され足の扁平足化が促進する。

そのことによりさらに足底筋膜に負担がかかり踵に痛みを出してしまうリスクを高くしてしまう。

扁平足によって歩行時の衝撃吸収機能が低下して踵に痛みを生じさせる

またアーチが低いと歩行時に踵を着いた時の衝撃を緩衝する機能も低くなると言われている。

低アーチ足のバネが固いことは、荷重時のアーチ変化が少なくなり、歩行時や走行時の衝撃を和らげるショックアブソーバーの機能低下に結びつくと 考えられる。荷重伝達が悪いことは、足部アーチでの衝撃吸収が低下していると考えられる。したがってアーチだけでなく他の関節(距骨下関節、距腿関節)などによって衝撃吸収が行われ、足部に負担をかけている可能性があると推察した。

引用:低アーチ足の衝撃吸収機能の検討 正常アーチ足と低アーチ足の機械的特性計測による比較

『距踵関節』は前述した通り、歩行時に踵がつく際の身体への衝撃を緩衝してくれる場所である。

その機能が低下すると言う事はつまり、「距骨」と「踵骨」によって作られる『距踵関節』に大きな負担をかけてしまう。

それだけでなく踵への負担も増し、踵の痛みにつながってしまう。

扁平足によるけり出しの低下が反対側の踵の負担増加へ

人間の歩行は蹴り出しがしっかり出来ていることによって、踵が低い位置から地面に接地する事ができる。

蹴り出しがあると踵が低い位置から落ちるので衝撃が小さい

蹴り出しあると衝撃小さい

健常者の歩行動作では、HLのタイミングが遅れるほど足関節底屈筋、足趾屈曲筋(特にMP関節屈曲作用の筋群)による力学的負担がともに大きくなることが確認された。このような力学的負担はアキレス腱炎、足底筋膜炎につながるメカニカルストレスとなり得ることが示唆された。

引用:健常者の歩行踵離地の力学特性 -足関節および中足趾節関節の関節モーメントの作用について-

捻挫をして片脚時のバランスが悪くなっていると上手く蹴り出しが出来ず、高い位置から踵をつくことになり衝撃が強くなってしまう。

また扁平足がひどくなると、うまく蹴り出しができない状態になってしまう。

この状態でも同様で、蹴り出しができない状態のため、非常に高い位置から踵をつく事になり、逆側でも踵のトラブルを招く原因となってしまう。

蹴り出しがないと踵が高い位置から落ちるので衝撃が大きい

蹴り出しないと衝撃大きい

このように踵をついた時に加わる身体への衝撃は距踵関節だけでなく「逆の足」でもコントロールしている。

その為、踵が痛いほうと逆側の足に捻挫が生じていると踵が痛くなるリスクが高まってしまう事を覚えておこう。

踵が痛くなった時に行う改善方法

もし踵が痛くなってしまったら、どのように改善して行った方が良いのだろうか?

方法としては、

  1. 踵への負担を減らすトレーニングやエクササイズで改善していく。
  2. 踵へ負担がかかりずらい履物にして改善していく。

などが挙げられる。

その他にも足関節の捻挫後にリハビリをされていない方は、足関節の機能を改善していくリハビリを行うことをされた方が良い結果を招くことが多い。

※足関節のリハビリについてはこちら記事にて詳細に解説しているので是非ご覧ください。

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上記の2点について以下に詳しく解説していく。

踵への負担を減らすトレーニングやエクササイズ

ここでのポイントは先程原因の項目でお伝えした「足底筋膜」に負担をかけないようにする為、踵が痛い方の足首と逆側の足首の機能を改善していく事である。

前足部のエクササイズ

前足部のエクササイズ

方法

  • 座った状態で行う。
  • 膝は固定したまま、踵をつけた状態で小趾をつける。
  • 膝を固定したまま、踵をつけた状態で母趾をつける。
  • 交互に10回ずつ行う。

POINT

  • なるべく膝が動かないように前足部だけで動かしていく。
  • 前足部を動かす事によって、足根骨の関節がしっかり動き、足底筋膜が柔らかくなる。

カーフレイズ

カーフレイズ

方法

  • 足を肩幅に開いて立つ。
  • 母趾球に体重をかけながら踵上げを行う。
  • 10〜20回連続に行う。

POINT

  • 母趾球荷重にて行う事で腓腹筋だけでなく、外側の腓骨筋のトレーニングになり、足部のアーチUPや足部の安定性強化につながる。
  • 両足で出来るようになったら、片足ずつ行うようにする。

片脚立位+バンザイ

片足バランス

方法

  • 片足立ちになる。
  • 体幹が左右にぶれないようにバンザイを行う。
  • 体幹がぶれないように10回行なっていこう。

POINT

  • 片脚立位の際、バンザイを行い上半身をブレさせる事によって、足首のバランスのトレーニングになる
  • バンザイをする際は身体がブレないように心がける。

片脚カーフレイズ

片脚立位→サイドランジ→片脚立位

サイドランジエクササイズ

方法

  • 片足立ちになる。
  • 横方向へサイドランジを行なっていく。
  • その次に片足立ちを行う。
  • 左右交互に10回ずつ行なっていこう。

POINT

  • 横への移動からストーップ動作を行う事によって、足首のバランスの強化が行われる。
  • 片脚立位の際はブレずに3秒キープするように心がける。

踵へ負担がかかりずらい履物に変える

踵への負担を減らす為には履物も大切である。

インソールやアーチが付いている履物に変えるだけで、足本来の機能が改善され踵への負担が軽減される。

特に当店がオススメしているのが、ビルケンシュトックのサンダルである。

このサンダルは足病医学が発達しているドイツが生んだ名作である。

足の構造や歩行のメカニズムに合わせて作られている優れものである。

※踵の痛みに関してはビリケンシュトックが非常に有効的です。是非こちらの記事にてビルケンシュトックの機能について理解を深めましょう。

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踵が痛くなった時の改善方法まとめ

今回は捻挫後に引き起こされる踵の痛みの原因と踵の痛みを改善していく為のエクササイズについて解説した。

POINT

  • 踵の痛みの原因は捻挫の後遺症による「扁平足化による足底筋膜への負担」と「下腿三頭筋への負担」「距踵関節のトラブルによる影響」が挙げられる。
  • 足関節の捻挫後は身体のバランスが低下しやすく、足の偏平足化を招き、下腿三頭筋や距踵関節への負担がかかるだけでなく、反対側の踵へも負担をかける原因となってしまう。
  • 踵の痛みの改善方法としては「踵への負担を改善していく為のエクササイズ」や「踵の負担を減少する履物に変える」事が有効的である。

たかだが足首を挫いただけと思っていたら実は色々なところにトラブルを出していたという人は非常に多い。

足は骨盤や体幹の土台となる。

また地面と一番接するところでもある。

この足の機能が低下してしまうという事は、田んぼの上に家が建っているのと同じ事になる。

つまり、不安定なところに立っているので、様々なトラブルが生じてしまう。

その代表例が踵の痛みである。

冒頭部でもお伝えしたように常に体重がかかるので負担を軽減しようと思っても難しく、治りが悪くなってしまうからである。

痛みがあるという事は、その部分で炎症が生じているという事である。

炎症が起き痛みが出たとしても、人間の身体は自然治癒力で痛みは改善してくる。

その自然治癒力をしっかりと引き出す為にも踵への負担を減らす事を考えていかなければならないのだ。

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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