- 踵の痛みの3つの原因について
- 踵の痛みが出るメカニズムについて
- 踵の痛みの改善方法について
立ち仕事をされている方やよく歩かれる方に踵に痛みを出してしまわれる方が多い。
その原因の多くが捻挫後の後遺症による足の扁平足化による足底筋膜や踵の脂肪体の炎症などである。
一般の方にはピンとこないと思うが、いかに足首の捻挫後に、身体の各部位に痛みが出てしまう人が多いことか。
その最たるものが踵の痛みである。
体重がかかる場所であるため、一旦踵に痛みが出てしまうと治りづらいのも事実である。
今回は踵の痛みと捻挫の後遺症を関連づけて、その原因やメカニズム、改善方法について詳しく解説していく。
足首捻挫の後遺症が踵を痛くする3つの原因を引き起こす
結論から言えば、踵の痛みが出てしまう原因はこの3つである。
- 扁平足化による足底筋膜への負担
- 距踵関節でのトラブル
- 下腿三頭筋でのトラブル
これら3つの原因を引き起こしてしまうのが冒頭でも説明した捻挫の後遺症である。
それでは捻挫の後遺症というのはどういうものなのか?を解説してから踵の痛みを引き起こす3つの原因について説明していく。
足首捻挫の後遺症とは?
何かの拍子で足首を内側に捻ってしまう事で捻挫が生じてしまう。
その時に損傷してしまうのが「前距腓靱帯」と呼ばれる靭帯である。
この前距腓靭帯が損傷してしまうと以下のような負のスパイラルのメカニズムが働いてしまい、踵に痛みを出してしまう。
- 前距腓靭帯が損傷してしまうことで、重心が外側によりやすくなる。
- 足のアーチを支え、重心を内側に寄せる筋肉である腓骨筋の機能も低下する。
- 腓骨筋の機能低下により足のアーチが低下してしまい「扁平足」を進行させる。
- 扁平足化により「足底筋膜」に負担が増大する。
- 扁平足化により「距踵関節」と呼ばれる踵の関節に負担がかかる。
- 最終的に歩く効率が悪くなり、「下腿三頭筋」と呼ばれるふくらはぎの筋肉の張りが出て踵に痛みが生じてしまう。
この負のスパイラルを引き起こしてしまうのが捻挫の後遺症なのだ。
踵痛の原因である足底筋膜・距踵関節・下腿三頭筋への負担のメカニズムを解説
捻挫の後遺症が足に負担をかけ、踵に痛みを出してしまう原因を作ってしまうという事が分かったところで、
- 扁平足化による足底筋膜への負担
- 扁平足化による距踵関節と下腿三頭筋への負担
がどのように踵の痛みと関わっているのかを詳しく解説していく。
扁平足化による足底筋膜への負担が原因による踵の痛み
足底腱膜と呼ばれるものは厚い膜状の構造をしており、足のアーチや踵に関わってくる組織である。
また歩く時の蹴り出しの時にアーチの剛性を維持する為の機能もある。
- 踵骨〜中足骨頭
※こちらは実際の足底腱膜をトレースしたものとなる。
足首捻挫の後遺症によって扁平足化が進むと足のアーチは落ちてしまう。
足のアーチが落ちてしまうと本来の足底腱膜の長さ以上に伸ばされてしまう。
※正常な足のアーチと足底筋膜
※足のアーチ低下と伸ばされた足底筋膜
その事によって、足底腱膜がついている踵が引っ張られることで炎症を引き起こし踵に痛みを出してしまうのだ。
※以前足底筋膜炎についての検査方法を詳しくこちらの記事にて解説しました。踵の痛みの原因が足底筋膜炎によるものかどうかをこちらの記事で確認してみて下さい。
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扁平足化による距踵関節と下腿三頭筋の負担が原因による踵の痛み
過去に捻挫を経験されている方は足が扁平足化しやすく距踵関節や下腿三頭筋にも負担が増大してくる。
その理由としては、以下のメカニズムが働くからだ。
- 捻挫によって足首の骨をつなぎとめている靭帯が損傷し足首が緩くグラグラになってしまう。
- 足首が緩くなると足が扁平化し距踵関節に負担がかかる。
- 距踵関節は歩く時の踵をつく時期に動く関節であり踵を着いた時の衝撃が吸収してくれる。
- しかし距踵関節の動きにトラブルが出る事によって踵をつく時の衝撃が吸収されない。
- すると踵につく筋肉である「腓腹筋」と「ヒラメ筋」(下腿三頭筋)に負担がかかってしまう。
- この下腿三頭筋は踵を介して、足底筋膜につながっている為、負担がかかる事で足底腱膜までもが硬くなり、踵の部分で炎症が生じ、踵に痛みを出してしまう。
※距踵関節の場所
※距踵関節のトラブルによって踵をついた時の衝撃が大きくなり、踵に痛みが出やすくなる。
※下腿三頭筋の場所
上記の写真の踵の部分に炎症が起こりやすくなる。
この様な文献を参考に上記の情報を書いています。
簡単に説明するとアーチが低いと歩くときの衝撃吸収が低下する。という文献です。
踵が痛くなった時は踵への負担を減らすトレーニングと履物の検討しよう
もし踵が痛くなってしまったら、この2点の改善方法を実践していただきたい。
- 踵へ負担がかかりずらい履物にして改善促していく。
- 踵への負担を減らすトレーニングを行う。
上記の2点について詳しく解説していく。
踵への負担が軽減する履物に変える
踵への負担を減らす為には履物が非常に大切となる。
アーチが付いているインソールや足の構造に適した履物に変えるだけで、足本来の機能が改善され踵への負担が軽減される。
特に当店がオススメしているのが、ビルケンシュトックのサンダルである。
このサンダルは足病医学が発達しているドイツが生んだ名作である。
足の構造や歩行のメカニズムに合わせて作られている優れものである。
※こちらの記事にてビルケンシュトックの機能についてまとめました。是非ご参考にしてください。
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踵への負担を減らす5つのトレーニング
ここでのポイントは以下のとおりである。
痛みが伴う場合はエクササイズをせずに安静に保つ事が大切であるので覚えておこう。
前足部のエクササイズ
- 座った状態で行う。
- 膝は固定したまま、踵をつけた状態で小趾をつける。
- 膝を固定したまま、踵をつけた状態で母趾をつける。
- 交互に10回ずつ行う。
- なるべく膝が動かないように前足部だけで動かしていく。
- 前足部を動かす事によって、足根骨の関節がしっかり動き、足底筋膜が柔らかくなる。
カーフレイズ
- 足を肩幅に開いて立つ。
- 母趾球に体重をかけながら踵上げを行う。
- 10〜20回連続で行う。
- 母趾球荷重にて行う事で腓腹筋だけでなく、外側の腓骨筋のトレーニングになり、足部のアーチUPや足部の安定性強化につながる。
- 両足で出来るようになったら、片足ずつ行うようにする。
片足カーフレイズ
- 足を肩幅に開いて片足立ちになる。
- 母趾球に体重をかけながら踵上げを行う。
- 10回連続で行う。
- 母趾球荷重にて行う事で腓腹筋だけでなく、外側の腓骨筋のトレーニングになり、足部のアーチUPや足部の安定性強化につながる。
- 踵に痛みが出る場合は中止しよう。
片脚立位+バンザイ
- 片足立ちになる。
- 体幹が左右にぶれないようにバンザイを行う。
- 体幹がぶれないように10回行なっていこう。
- 片脚立位の際、バンザイを行い上半身をブレさせる事によって、足首のバランスのトレーニングになる
- バンザイをする際は身体がブレないように心がける。
片脚立位→サイドランジ→片脚立位
- 片足立ちになる。
- 横方向へサイドランジを行なっていく。
- その次に片足立ちを行う。
- 左右交互に10回ずつ行なっていこう。
- 横への移動からストーップ動作を行う事によって、足首のバランスの強化が行われる。
- 片脚立位の際はブレずに3秒キープするように心がける。
踵が痛くなった時の改善方法まとめ
今回は捻挫後に引き起こされる踵の痛みの原因と踵の痛みを改善していく為のエクササイズについて解説した。
- 踵の痛みの原因は捻挫の後遺症による「扁平足化による足底筋膜への負担」と「下腿三頭筋への負担」「距踵関節への負担」が挙げられる。
- 足関節の捻挫後は身体のバランスが低下しやすく、足の偏平足化を招き、下腿三頭筋や距踵関節への負担がかかることによって、より踵へ負担がかかってしまう原因となる。
- 踵の痛みの改善方法としては「踵への負担を改善していく為のトレーニング」や「踵の負担を軽減させる履物を使用する」事が有効的である。
復習:踵の負担が増して痛みが出るメカニズムは以下の通りだ。
たかだが足首を挫いただけと思っていたら実は色々なところにトラブルが出ているという人は非常に多い。
足は骨盤や体幹の土台となる。
また地面と一番接するところでもある。
足の機能が低下してしまうと、田んぼの上に家が建っているのと同じである。
つまり、不安定なところに立っているので、足より上もしくは足自体に様々なトラブルが出てしまう。
その代表例が踵の痛みである。
冒頭部でもお伝えしたように常に体重がかかる場所の為、負担を軽減しようと思っても非常に難しい。
その為、治りも大変悪い場所となっている。
自然治癒力をしっかりと引き出す為にも、まずは踵への負担を減らす事を考えていかなければならないのだ。
※踵の痛みでお悩みの方はこのような機能的なインソールを是非お試しください。
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