故障をしてしまったマラソン初心者はこの2つの考えの中で葛藤をしているようだ。
- 練習を続けたいけど、やり過ぎると身体がより壊れてしまう。
- 練習を休むと身体は回復するが運動パフォーマンスが上がらないのではないか?
多くのマラソン初心者は間違いなく練習をし過ぎて身体を痛めてしまっている事が多い。
それほど長距離を走るという事は身体への負担が大きいという事だ。
今回は練習を続けたいけれど怪我をしてしまうマラソン初心者の為に怪我予防の為のトレーニング方法や理論について解説していく。
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怪我予防の為のマラソントレーニングの考え方
マラソントレーニングの考えとしては『パフォーマンスピラミッド』という考え方がある。
この考え方としては以下の通りとなる。
- 底辺に「関節の動き」と「筋力」
- 真ん中に競技関係なしに垂直飛びや走るなどの「フィジカルフィットネス」
- 頂点に競技特有の「運動スキル」(野球でいう投げる・打つ動作、マラソンでいう超時間同じフォームで走り続ける動作)
このパフォーマンスピラミッドという考え方は非常に有用で、マラソンなどのトレーニングの効率を上げてくれ、怪我予防にもつながるので覚えていただきたい。
怪我の予防とマラソンのパフォーマンスを向上させる為には、以下が重要となる!
- パフォーマンスピラミッドの底辺である関節の動きと筋力、心肺機能を鍛える
- 反作用の力に耐える身体作り
- 身体の一部に負荷がかからないように同じ種目は続けない!
- マラソンはただ走りこめば良いわけではない!
- 走る以外のトレーニングを!
それぞれについて詳しく解説していく。
パフォーマンスピラミッドの底辺である関節の動きと筋力、心肺機能を鍛えよう!
このパフォーマンスピラミッドで一番大事なのが、「底辺」の部分だ。
関節の動きと筋力、さらには心肺機能が大事になってくる。
多くの初心者の方がこれを無視して、頂点のいかに長く走れるようになるかだけを考えている傾向が強い。
そればかりを練習してしまうと走る事による身体への負担に耐えられず、身体のどこかが痛くなってしまう。
それを避ける為にはやはりパフォーマンスピラミッドの底辺部分のトレーニングをしっかり行わなければならないのだ。
反作用の力に耐える身体作りを
実は物理の法則で作用・反作用の法則がある。
これは走るときにも適用され、地面に接地する時や蹴り出す時の力は地面へいく。
そして、その同じ分だけの力が実は身体に跳ね返ってくる。
その為、マラソンでは長時間反作用の負担にも耐えられる身体づくりが大事となる。
この反作用に耐えられないと故障の原因となってしまうので注意していただきたい。
身体の一部に負荷がかからないように同じ種目は続けない!
注意しないといけない事は同じ練習を続けていれば、必ず身体の一部分だけに負担がかかってしまうというと事だ。
それは股関節であったり、膝であったり、人によって異なってくる。
もちろん反復して練習する事は非常に大事だが、それによって身体の一部に負担をかけ、身体を痛めてしまっては本末転倒となってしまうので気をつけていただきたい。
マラソンはただ走りこめば良いわけではない!
トレーニングの考え方として、マラソンという競技はただ走り込めばいいというわけではない。
長時間の走りこみは、パフォーマンスピラミッドで言う頂点に位置している。
その部分の練習は大事だが、やはり一番大切になってくるのは底辺のトレーニングだ。
いかに身体の関節を動かすか?
いかに走る負担に耐える筋力をつけられるか?
そして、いかに長く、多くの呼吸をする事が出来るか?
この底辺の部分ができていない内に過度に長時間の走りこみを行うと身体に痛みや怪我が発生してしまう原因となってしまうのだ。
走る以外のトレーニングを!
長時間の走りこみを行えば、勿論底辺部分のトレーニングにもなる。
しかし、先程説明した通り、身体の一部に負担がかかり故障というリスクがつきまとってしまう。
故障を起こさない為にも違うトレーニングで底辺部分を強化していった方が良い。
例えば、
関節の動き → 各部位の柔軟をしっかり行う。
筋力 → ウェイトトレーニングやジャンプロープで下肢の筋力を強化する。
心肺機能 → バイクや水泳で心肺機能を強化する。
などの方法で、身体の一部に負担がかからないようにするのがオススメだ。
そうする事で怪我を予防する事ができ、またパフォーマンスUPにもつながるからだ。
マラソンのトレーニングは「走る」と「それ以外のトレーニング」の組み合わせが大事
もちろんパフォーマンスピラミッドの頂点の運動スキルとしての長時間の走りこみを行わないと本番を走ることは難しい。
その為、初期の長い距離を走れない時期はパフォーマンスピラミッドの底辺部分を70%、頂点部分を30%の割合にしておいた方が良い。
距離が長く走れるようになってきたら、この割合を底辺30%、頂点70%へと変更していく。
いずれの場合も底辺のトレーニングは必ず行なっておいた方が良い。
行なっているだけでマラソンのパフォーマンスは向上するからだ!
上記の理論を用いてトレーニングしても身体の痛みに改善がみられない方は是非一度当店へご相談を!
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※練習を続けていると身体が痛くなってしまう理由については、こちらの記事にて詳しくご紹介しております。理解を深めるためにも是非ご参考にしていただければ幸いです。
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参考にした文献
上記の文献を参考に分かりやすく簡単にまとめました。
まとめ
今回は初心者ランナーに知っていただきたいトレーニング理論についてご紹介した。
- パフォーマンスピラミッドを元に練習を組み立てると分かりやすい。
- パフォーマンスを上げるためには、基礎となる「関節の動き」「筋力」「心肺機能」を強化していこう。
- もちろん長い距離の走り込みも大切であるので、「基礎」練習と「運動スキル」練習をバランスよく行なっていこう。
身体に痛みが出てしまってからでは、痛みを治しながら練習していかなければならなくなる。
その為、痛みを出しづらくなるような練習メニューを組んでパフォーマンスをアップさせて行った方が良い。
この記事の情報が初心者ランナーのお役に立てれば何よりだ。
訂正:2019/04/22