マラソンを走ると足首が痛くなってしまうランナーの方は非常に多い。
その背景として、過去に足首を捻挫したことがある、足底筋膜炎になった事がある、足首の骨折をした事があるなど様々な理由がある。
また軽い捻挫だと軽視し、足首のリハビリをせずに足首の機能を低下させたままの人もたくさんいらっしゃる。
煙が無いところから、火が立たないように、そのような方々がマラソンに挑戦し、練習を続けることによって足首の痛みに見舞われてしまう。
それもそのはず、このランナーシリーズで何度もお伝えしている通り、マラソンという競技は長時間長い距離を走らなければならない為、地面から身体へ跳ね返ってくる衝撃もすごい。
もともとの足首の機能低下が無くても、それだけの衝撃に耐えられなければ足首などの関節に痛みが生じてしまう。
今回はマラソンを走ると足首に痛みが出てしまうランナーの為に、足首への負担を減らし、痛みを解消していく為の柔軟性改善『動的ストレッチ』を解説していく。
マラソンランナーの為の足首の痛み解消動的ストレッチを行う前に大切な2つのこと
これも常々、このマラソンランナーの痛みシリーズでお伝えしているのだが、もしマラソンを走っていて『足首』が痛くなってしまったら、とりあえず柔軟やストレッチを行えばよいわけではない。
まず行わなければならないことは、マラソンを走って生じた足首の痛みの原因を特定することである。
それを行わなければ、闇雲なストレッチで的外れのケアになってしまう可能性があるからだ。
マラソンによる足首の痛みを早急に改善させるためには、まずは原因を検査することからはじめていこう。
足首の「検査」や「動的ストレッチ」を行う前に、「足首や足の解剖学」を理解しておいた方が良いので以下に
- 足首や足の解剖学
- 足首の検査方法
について解説していく。
そして、その次にマラソンで足首を痛めてしまったランナー向けの『動的ストレッチ』を「初級編」「上級編」と段階別にご紹介していく。
知っておいたほうが良い足首と足の解剖学を解説
足首の検査方法の記事を見られた方にとってはおさらいになるが、足首と足の構造を知っておいた方がどこに痛みが出ているのか?または動的ストレッチをする時にどのようなイメージで行えば良いのかが分かりやすくなるので是非覚えておこう!
以下に足首と足の簡単な解剖学をご紹介する。
足首の関節は「脛骨」「腓骨」「距骨」で構成されている。
また足自体は「踵骨」「距骨」「内側楔状骨」「中間楔状骨」「外側楔状骨「立方骨」「舟状骨」「中足骨」「基節骨」「中節骨」「末節骨」などから構成されておりたくさんの関節が存在している。
この足の関節を一つ一つ動かすことは可能であるがそれは専門的でかつ技術的な問題が発生してくるので、一つのユニット(まとまり)として考えて、全体的に動かしていく方法を後ほど動的ストレッチの項目で解説していく。
足首の動的ストレッチを行う前に痛みの原因を特定する検査を行おう!
どこかしら痛みがあると人は不思議とどうにかしたいという心理が働く。
その為、手当たり次第に色々な手段を試して、時間を浪費してしまう。
それでマラソンによる足首の痛みが改善すれば良いのだが、改善しないランナーがほとんどだ。
数撃てば当たるわけでは無く、的確に原因を特定し、痛めた足首にアプローチしていく事が大切である。
※マラソンによる足首の痛みを検査する方法はこちらの記事にて詳しく解説しております。まずはこちらをご覧になってから柔軟性を改善する動的ストレッチを行っていきましょう!
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マラソンを走ると足首が痛い!そんな時にまず行う足関節の検査方法
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マラソンによる足首の痛みを改善する『動的ストレッチ』【初級編】
マラソンによる足首の痛みを改善していくための柔軟性改善動的ストレッチを行う前にまずは前述したように足首の検査方法を用いて、足首が痛くなる原因を特定してから行っていこう。
初級編ではマラソンによる足首の痛みを改善する為の環境を整えていくことを目的に行っていく。
その為、無理に伸ばしたり、痛いところまで動かすような事は避けよう。
伸ばして痛みが出るという事は、かえって関節内部にある微細な損傷を悪化させ、痛みを増悪させてしまう原因となる。
柔軟性改善の為の動的ストレッチは関節が動く範囲でかつ『筋肉が張らない範囲』『痛みが出ない範囲』で動かしていく事が非常に大事である。
※柔YAWARAが動画の中でマラソンを走って足首の痛みが出てしまったランナー向けの柔軟性改善動的ストレッチ【初級編】を解説ております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
膝と足首の柔軟性改善の為の動的ストレッチ【初級編】
- 膝関節から足関節へ与える負担の軽減を目的に行う。
- 足関節自体の可動性を改善して、痛みが出にくい環境にする。
- 足首の検査方法の記事で膝関節や足関節に硬さが出ている人は必ず行おう。
方法
- 立て膝をついて行う。
- 手を前でクロスさせ、膝を前に出していく。
- 膝が内側に入らないように、しっかりとまっすぐ前に膝を出していく。
※10回行っていこう!
足首の柔軟性改善の為の動的ストレッチ
- 踵の関節や前足部の関節の柔軟性を改善して、足関節に痛みが出にくい環境にする。
- 足首の検査方法の記事で足関節に硬さが出ている人は必ず行おう。
方法
- 座って行う。
- 膝から下は動かさないように固定して、足首を伸ばした状態で、足裏を内側、外側へと向けていく。
- 次に足首を曲げた状態で、足裏を内側、外側へと向けていく。
※左右10回行っていこう!
前足部の柔軟性改善の為の動的ストレッチ【初級編】
- 前足部の関節から足関節へ与える負担の軽減を目的に行う。
- 足首の検査方法の記事で全足部の関節に硬さが出ている人は必ず行おう。
方法
- 座って行う。
- 踵をついたまま足の指で『グー』『チョキ』『パー』という動きを行っていく。
※それぞれ10回ずつ行っていこう!
足首の痛みで落ちたマラソンのパフォーマンスを改善する『動的ストレッチ』【上級編】
上級編のエクササイズは初級編よりも強度が高い動的ストレッチとなるので、しっかり初級編が行えるようになってから実践していこう。
また初級編と同様に痛みを改善するとともに、マラソンのパフォーマンスを向上させるという目的がある。
しかし、関節を柔らかくしたいが一心に『筋肉が張るまで伸ばす』『痛みが出るまで伸ばす』というような事はかえって逆効果になるので絶対に行わないでください。
上級編の動的ストレッチも『筋肉が張らない範囲』『痛みが出ない範囲』で行おう。
※柔YAWARAが動画の中でマラソンを走って足首の痛みが出てしまったランナー向けの柔軟性改善動的ストレッチ【初級編】を解説ております。
膝関節と足首の柔軟性改善の為の動的ストレッチ【上級編】
- 膝関節から足関節へ与える負担の軽減や、足関節自体の柔軟性を改善して足首の負担を軽減させる。
- 足首の痛みで落ちたマラソンのパフォーマンス改善を目的に行う。
- 分析の記事で膝関節や足関節に硬さが出ている人は必ず行おう。
方法
- 立膝をついて行う。
- 足の裏は地面に接地したまま、踵を中心に膝頭で円を描いていこう!
※左回り、右回り10回ずつ行っていこう!
足関節と前足部の柔軟性改善エクササイズ
- 前足部の関節から足関節へ与える負担の軽減や、足関節自体の柔軟性を改善して足首の負担を軽減させる。
- 足首の痛みで落ちたマラソンのパフォーマンス改善を目的に行う。
- 足首の検査方法の記事で足関節や前足部に硬さが出ている人は必ず行おう。
方法
- 立膝をついて行う。
- 足の裏は地面に接地したまま、膝を左右に倒していく。
- 足底が地面から離れないように注意しよう。
※左右10回ずつ行っていこう!
前足部の柔軟性改善エクササイズ【上級編】
- 前足部の関節から足関節へ与える負担の軽減や、足首の痛みで落ちたマラソンのパフォーマンス改善を目的に行う。
- 足首の検査方法の記事で前足部に硬さが出ている人は必ず行おう。
方法
- 座って行う。
- 小さいゴムボールを足の裏で踏み、球面に沿って、親指・小指と地面にタッチしていく。
- 膝から下は動かさず、前足部のみ動かすようにしていきましょう。
※10回ずつ行っていこう!
上記の柔軟を行ってもなかなか足首のトラブルが改善されない方は是非一度当店にて施術を!
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※動的ストレッチで足首周囲の柔軟性が改善されて、マラソンによる足首の痛みが減少したら、次は再発予防のための筋力強化エクササイズを行っていこう!
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スライド10
足関節自体のトラブルの時に役立つ記事をご紹介
過去に足首を捻挫されてまったくリハビリをしていない方に足首のトラブルが生じやすい。そのような方はこちらのまとめ記事に書かれている足首のリハビリを行っていこう!
また足首の捻挫が癖になってしまっているランナーの方も非常にたくさんいらっしゃる。そのような方はこちらの記事に書かれているエクササイズで捻挫癖を改善していこう!
まとめ
今回はマラソンを走ると足首が痛くなるランナー向けの柔軟性改善の為の動的ストレッチを解説した。
- 足首のトラブルは足首だけでなく、膝や前足部からの負担から来る事が多い。
- マラソンによる足首の痛みを改善し、パフォーマンスを向上させるためには足首だけでなく、膝関節や前足部の関節の柔軟性を改善していく事が大事である。
- マラソンによる足首の痛みを改善していく動的ストレッチは痛みが出るところまで行ってしまうとかえって症状が悪化してしまう。
- マラソンによる足首の痛みを改善していく動的ストレッチは『筋肉が張らない範囲』『痛みが出ない範囲』で行うのが原則である。
マラソンを走っていても足首の痛みがあると思うような結果が出なくなってしまう。
足首は荷重に適した関節ではあるが、常に体重の負荷が加わる場所なので一度痛みが出てしまうと改善までに時間がかかってしまう厄介な場所である。
その為、足関節の痛みを改善するとともに、足首に負担をかけ原因を見つけ出し、動的ストレッチで改善させていく必要がある。
人に備わっている自然治癒力に合わせて、無理なく柔軟性を改善していけば、痛みの改善とともに落ちたマラソンのパフォーマンスも向上していく。
焦らずじっくりとケアを行っていくことが大切なので覚えておこう!
訂正:2019/06/18