この仕事をしているとよくこんな質問を受ける。
「首をポキポキ鳴らしてもいいんですか?」
「首がバキバキ鳴ってしまうんですが大丈夫ですか?」など。
基本『自然に動かした』上で首がポキポキ鳴ってしまうのは問題ない。
タイトルと言っていることが違うじゃないか!と思われるかもしれない。
今回はそんな首のポキポキについて語っていく。
これは腰などの各関節にも共通の事なので知っておくと良い。
そもそもなぜ関節がポキポキ鳴るのか?
実は関節の中には、粘度が変化する液体が常に出ている。
車で例えるとエンジンオイルみたいなものだ。
この液体がある為、関節はスムーズに動いている。
しかし、この液体は関節の動きが止まってしまうと粘度が高まってしまう性質がある。
試してみれば解ると思うが、5分ほど手を1mmたりとも動かさないだけで、次動かしたときにポキポキ鳴る。
これは5分固めたことで、指の関節内で液体の粘度が高まるからだ。
そして、急に動かす事によって関節の中の圧力変化が起こり、弾発音が鳴るのだ。
梱包のクッション材で使われる『プチプチ』をイメージしていただければ良い。
圧力がかかるとプチッと鳴るのと同じだ。
これは首でも同様なことが言える。
つまり、『自然に首を動かして』ポキポキなるのは、『首が動いていない』ということになる。
そして、ポキポキ鳴って首が楽になるのは、関節の中の液体がスムーズに動くようになるからだ。
勘違いしてはいけない。
決して、「音がなる」から「楽になる」のではない。
「音がなる」のは関節が動いていないからだ。
「楽になる」のは関節の中の液体が、動いた事によってスムーズに動くようになった為だ。
※首ポキの原因をこちらの記事に詳しく書きました。首ポキに関する知識がより深まりますので是非ご覧ください。
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『強制的に』『勢いよく』首をポキポキ鳴らすのはダメ!
前述した通り、自然に動かしてポキポキ鳴ってしまうのは問題ない行為だ。
むしろ動きが軽くなるケースが非常に多い。
しかし、『強制的に』そして『勢いよく』首をポキポキ鳴らすのは決して行ってはいけない。
※(注)当店ではこのような施術は行っていません。
理由は以下の通りである。
・首の関節は非常に小さい。その為、『強制的に』そして『勢いよく』動かしてしまうと関節に傷がつき痛みを出してしまう恐れがある。
・『強制的に』そして『勢いよく』動すことで、首の靭帯損傷(捻挫)につながる可能性がある。
・急激な首への外力はいわば「交通事故」と同じようなものだ。首のむち打ちのような症状が出てしまう可能性がある。
※自然に動かして、首がよくポキポキなる人は『寝起きの首や背中の痛み』を出す人が多いです。寝起きにそのような痛みがある人は是非こちらの記事をご覧ください!
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まとめ
今回は首を動かした時にポキポキなるメカニズムと『強制的に』そして『勢いよく』首をポキポキ鳴らしてはいけない理由について解説した。
・自然に動かす上でポキポキ音が鳴ってしまうのは、「動いていない関節」が急に動く事によって生じる現象である。これに関しては特に問題はない。
・『強制的に』そして『勢いよく』首をポキポキさせてしまう行為は、首の怪我につながる行為である為、行ってはいけない。
人の身体は自身が思っている100倍デリケートである。
暴力的に動かしたり、強い衝撃を加えることは身体を痛めつけてしまう事になってしまう。
特に首に関しては、とても重要な場所なので決して暴力的に扱わないようにしていただきたい。
訂正:2019/04/08