多くの方がコルセットや腰痛ベルトを過度に使用し過ぎて2次的なトラブルを発生させているケースがある。
その2次的なトラブルとは、固めすぎる事によって痛めたところ以外の場所を痛くしてしまったり、体幹の筋力を落としてしまったりする事だ。
その為、今回はコルセットや腰痛ベルトを使用する時の注意点や間違った使い方についてご紹介していく。
コルセットの一番やってはいけない間違った使い方
コルセットの一番やってはいけない使い方として、長期固定を続けた上で一切動かさないことである。
なぜなら体幹の筋力が落ち、腰痛の症状が長引いてしまう事だけでなく、肩こりや膝の痛みなどの腰痛以外の2次的なトラブルまで出てしまうからだ。
腰痛が生じて、2週間以上経ったら痛みの程度に応じてコルセットを外していく方向に持っていこう。
そして痛みがない範囲で腰椎の椎間関節(※腰椎の関節の事)を動かしていく事も合わせて行なっていく事が大事である。
そうする事で2次的なトラブルが生じづらくなり、腰痛改善に役に立つので覚えておこう。
間違った使い方で腰痛を長引かせる2つの理由
症状にもよるが1ヶ月や2ヶ月と長期に渡ってコルセットや腰痛ベルトを使用するのはあまり好ましくない。
その理由として以下の2つが挙げられる。
- インナーユニットの活動が低下するから。
- 腰骨の動きが悪くなるから。
これらについて詳しく解説していく。
インナーユニットの活動低下
まずコルセットや腰痛ベルトの長期固定によってインナーユニットの活動が著しく低下してしまう。
インナーユニットは簡単に言うと腰椎を支えてくれる役割がある。
コルセットが代わりに支えてしまうと人間は本能的にインナーユニットを使わなくなってしまう。
つまり、インナーユニットが弱くなり腰椎を支えられなくなってしまう。
結果、腰痛を長引かせてしまう原因となってしまう。
腰椎の動きが悪くなる
次に腰椎の椎間関節の動きが悪くなってしまう。
これは一番致命的な問題である。
腰椎の椎間関節は関節包と呼ばれる袋に包まれている。
さらにその中は滑液と呼ばれる液体が充満している。
その滑液は車エンジンオイルみたいに、関節の動きをスムーズにする役割を果たしている。
※左側の腰骨を斜め後ろから見た写真
長期のコルセットによる固定によって、この関節本来の機能が損なわれてしまう。
つまり、腰椎の椎間関節がスムーズに動かなくなってしまう。
そして、二次的に腰痛を引き起こしてしまう原因となってしまうのだ。
※ 動画の中では柔YAWARAがコルセットや腰痛ベルトの間違った使い方について解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
腰痛の程度によっては長期固定も仕方がない場合がある
痛みがなかなか引かない腰痛など、腰痛の程度によってはコルセットや腰痛ベルトによる長期固定は仕方がない。
しかし肩こりや膝の痛みなどの二次的なトラブルが生じてくる可能性も高くなってしまう。
腰痛や二次的なトラブルによる痛みを引き起こさない為にも、着用した後は痛くない範囲でしっかり腰回りを動かしていく必要がある。
痛い時にコルセットを使用するのは有効的
以前解説した記事でもお伝えしたように、コルセットや腰痛ベルトは、腰痛がひどい最初の2週間着用することによって、インナーユニットの代わりに腰骨を支えてくれる役割を持っている。
その為、痛みが強い初期に着用するのは非常に有効的だ。
※コルセットの役割についてはこちらの記事にて詳しく解説しておりますのでぜひ御参考までにご覧ください。
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参考文献
- 関節内運動学 4D-CTで解き明かす 著者 片岡寿雄 発行所 株式会社南江堂
- エビデンスに基づくインジャリーケア スポーツ外傷・障害マネジメントの理論的背景 著者 Gary Delforge 発行者 長島宏之 発行所 有限会社 ナップ
上記の文献の内容を参考にコルセットの間違った使い方についてまとめました。
まとめ
今回はコルセットの間違った使い方について解説した。
- 長期的に着用し続けることによって、インナーユニットの機能低下や関節の動きが悪くなる。
- 長期的に固定をする際は、外した時に腰回りを動かしていく事を行っていこう。
- 基本固定をして2週間以上たったら外していく方向に持っていこう。
コルセットは腰痛を改善させる為に非常に役に立つ補助具である。
しかし、そのような良いものでも使い方を間違えてしまえば症状が悪化してしまう。
その為、コルセットの正しい使い方を理解して腰痛を早期に改善していこう。