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膝の痛み

膝外側の痛みの『3大原因』がまるわかり!

長尾 龍男

理学療法士歴15年。(整形外科勤務6年/整体院経営9年) シャイな子育ておじさん。 2017年健康ブログ開設/ブログ最高閲覧数50万。 2018年YouTubeチャンネル「柔YAWARA」開設/現在チャンネル登録者5万人/ 100万回再生動画あり。 文献の情報及び自身のリハビリ経験を元に、「膝の痛み」×「メンタルヘルス」について発信しております。

この記事で分かる3つの事

  1. 膝の外側に痛みを出す原因である「外側半月板損傷」「外側側副靭帯損傷」「腸脛靭帯炎」について知る事が出来ます。
  2. 写真で説明しているので膝の外側に痛みが出る原因部位を視覚的に理解できます。
  3. 「外側半月板損傷」「外側側副靭帯損傷」「腸脛靭帯炎」の原因について学ぶことができます。

スポーツ活動だけでなく日常生活を過ごしているときに『膝が痛い!』と感じる人は多いのではないでしょうか?

特に「膝の外側が痛い」という人は山ほどいらっしゃいます。

実は日本では膝を含めた関節症で病院に受診して診断されている人の数はなんと125万人ものぼると言われています。

病院へ行かずに痛みを堪えている人を含めるとこの数よりも多いことが予想できます。

膝の構造は簡単そうに見えて、意外と複雑にできているんです。

その為、膝が痛いからと言って原因が全て同じであるとは限りません。

膝関節には様々な組織がついていることから、その痛みはなんなのか?という原因を特定していかなければ、痛みを改善する事が出来ません。

今回の記事では膝の外側の痛みに焦点を当てて、膝外側痛の3つの原因である「外側半月板損傷」「外側側副靭帯損傷」「腸脛靭帯炎」について解説していきます。

膝の外側に痛みが出ている方は是非ご参考にしていただきたいです。

※柔YAWARAが動画の中で膝の外側の痛みの原因について詳しく解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。

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膝の外側に痛みを引き起こす3大原因は外側半月板損傷・外側側副靭帯損傷・腸脛靭帯炎?

前述した通り、膝の外側には様々な組織が付着しています。

日常生活を過ごしていて膝の外側に痛みが出てしまったときどの組織に痛みがでているのでしょうか?

その多くの原因が今から下記にご紹介する3つの組織であることが多いです。

これらの組織が傷をつけて膝の外側で痛みを引き起こしやすくなっています。

その3つの組織とは、

  1. 腸脛靭帯
  2. 外側側副靱帯
  3. 外側半月板

です。

これらの組織は全て膝の外側に位置しています。

しかし、それぞれ違った原因で損傷してしまいます。

損傷した時に呼ばれる病名が以下のとおりです。

  1. 腸脛靭帯炎(ランナーズニー)
  2. 外側側副靱帯損傷
  3. 外側半月板損傷

以下にこれら3つの病態について、

  • 損傷する組織の場所
  • 痛みが出てしまう原因
  • 損傷の判別方法

について簡単に解説して、それぞれの詳しい損傷原因や改善方法の記事を合わせて添付しておきますので是非ご参考にしてください。

腸脛靭帯炎による膝外側の痛み

まず膝の外側の痛みが腸脛靭帯炎によるものについて解説します。

腸脛靭帯の専門的な解剖と機能そして受傷原因については以下の通りとなるので確認していきましょう。

腸脛靭帯の解剖

腸脛靭帯の解剖についてご紹介していきます。

解剖

  • 腸脛靭帯は大腿筋膜から起こり、脛骨の外側顆につく。
  • 大腿筋膜は大殿筋や中殿筋、大腿筋膜張筋とも連結する。

とされています。

3Dで腸脛靭帯を見てみるとこのように見えます。

腸脛靭帯

腸脛靭帯

実際の膝に腸脛靭帯を描いたものが以下の写真です。

腸脛靭帯

腸脛靭帯は大腿筋膜という組織を介して、大殿筋や中殿筋、大腿筋膜張筋の影響を受けやすい組織です。(つまりおしりの筋肉の硬さに影響されやすいという意味です。)

また股関節の角度によって、腸脛靭帯が大腿骨の外側上顆を乗り越える角度が変わってきます。

専門用語が多く一般の方には分かりづらいかもしれませんが、簡単に言えば太ももの外側にある腸脛靭帯はおしりの筋肉に硬さが影響されやすく股関節を曲げた時の角度によって大腿骨の膝部分にある外側上顆と呼ばれるところとぶつかるところが変わるという捉え方をしてください。

腸脛靱帯の機能

腸脛靭帯の機能は以下の通りです。

機能

  • 大殿筋や中殿筋・大腿筋膜張筋の緊張により、腸脛靭帯が緊張する事で膝を安定させる役割がある。

とされています。

腸脛靭帯も外側側副靭帯と同様で、膝の外側を支持して安定させる組織の一つだそうです。

腸脛靭帯炎になる原因について解説

腸脛靭帯炎になる原因は以下の通りである。

原因

  • ランニングなどの繰り返しの膝の曲げ伸ばし動作により腸脛靭帯が大腿骨の外側上顆を乗り越え傷がつくことによって生じます。

これは前述した通り、股関節の角度や膝の角度によって大腿骨の外側上顆を乗り越える角度が変わってきます。

また大殿筋や中殿筋・大腿筋膜張筋の影響も受ける為、これらの筋肉や股関節の状態によっても腸脛靭帯炎の発生頻度が変わってくるようです。

※腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の詳しい改善方法はこちらの記事がお役に立ちますのでぜひご覧ください。

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外側側副靱帯損傷による膝外側の痛み

次に膝の外側の痛みが外側側副靱帯損傷によるものについて解説します。

膝の外側側副靱帯の解剖と機能そして受傷原因については以下の通りです。

外側側副靱帯の解剖について

外側側副靱帯の解剖について簡単にご紹介します。

解剖

  • 外側側副靱帯は大腿骨の外側上顆と脛骨の外側顆に付着する。
  • 内側側副靱帯よりも細い構造をしている。
  • 外側側副靱帯は関節包や半月板との連結を持たない。

参考:膝の最前線 膝の外傷を中心に

3Dで外側側副靭帯を見るとこのように見えます。

外側側副靭帯

実際の膝に外側側副靭帯をトレースしてみるとこのように見えます。

外側側副靭帯

以上のような構造をとっている為、内側側副靱帯よりも強度は弱いとされています。

これは膝の軽度外反の構造と重心の位置が関わっているからだとされています。

簡単に言えば、人の足は軽いX脚をしているので内側の方が負担がかかるため、内側側副靱帯よりも細い構造をしているという事になります。

外側側副靱帯の機能

外側側副靱帯の機能についてご紹介します。

外側側副靱帯の機能

  • 大腿骨と脛骨をつなぎ合わせる役割。
  • 膝の内反力(内側から外側への力)を防ぐ役割。
  • 膝の外旋(爪先を外に向ける力)を防ぐ役割。
  • 膝が伸展した時の制動をする役割。

があるとされています。

基本横方向の制動に関しては内側側副靱帯と対の働きをしているようです。

また回旋の力に対しては十字靭帯と対の働きをしています。

一般の方にも分かりやすく説明すると外側側副靭帯は上記の様につま先が外に行くような捻じりの力の制動と膝がO脚方向へ曲がるのを防ぐ役割があります。 

外側側副靱帯損傷を起こしてしまう原因とは?

外側側副靱帯損傷の受傷原因は以下の通りです。

受傷原因

  • 膝に大きな内反力が加わった時に受傷する。
  • 特に外側側副靭帯の単独損傷は自転車の転倒などで多い。
  • 体重増加やO脚による慢性的な負担。

とされている。

内反力とは膝に対して内側から外側に加わる力のことを指しています。

外側側副靱帯単独の損傷は非常に稀です。

損傷してもその後の予後は内側側副靭帯損傷よりも良いとされています。

※外側側副靭帯損傷の詳しい原因についてはこちらの記事にて記載しておりますので靭帯損傷が疑われる場合は是非こちらの記事をご参考にしてください。

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外側半月板損傷による膝外側の痛みについて

最後に原因が外側半月板によるものについて解説します。

外側半月板が存在する場所と機能は以下の通りとなります。

外側半月板の解剖

外側半月板についての解剖の知識についてご紹介します。

解剖

  • 外側半月板は脛骨と大腿骨の間に位置している。
  • 外側半月板は内側半月板よりも小さくO字型の形状をとっている。
  • 外側半月板は関節包などとの連結が少ない為、膝の屈伸の可動域は内側よりも大きくなる。
  • 外側半月板の前角は内側半月板に連結する靭帯への線維束があり、前十字靭帯や脛骨の外側顆間隆起に付着する線維束も存在する。

参考:膝の半月板とは|解剖・機能を詳細に勉強しよう!

半月板を3Dで見るとこのように見えます。

外側半月板

半月板を実際の膝にトレースしたのがこちらの写真です。

外側半月板

外側半月板の前部には、内側半月板につながる膝横靭帯への線維束aと、前十字靭帯(以 下ACLと 略す)へ移行する線維束b、最後にACLの後方で脛骨外側顆間隆起に付着する線維束cと3種類の線維束を認めた。

引用:膝関節外側半月版の前方付着形態について

上記のことから靭帯損傷の際、半月板も損傷してしまうリスクがあると言うことがわかると思います。

一般の方にも分かりやすく解説すれば、半月板を損傷する際、靭帯との連結もあるので、靭帯損傷も合併している可能性も示唆しなければいけないという内容になります。

外側半月板の機能

次に外側半月板の機能についてご紹介します。

外側半月板の機能

  • 大腿骨の外側上顆と脛骨の外側顆との適合をよくする。
  • 膝への衝撃を吸収する。
  • 関節を守る役割。

があります。

この半月板が損傷してしまうと、膝の引っ掛かり感やぐらつきなどの様々な症状を引き起こしてしまうことになります。

日常生活でも膝の引っ掛かりで困っている方はたくさんいらっしゃるのが現状です。

外側半月板が損傷する原因について

最後に半月板がどのように損傷するのかをご紹介します。

外側半月板の受傷原因

  • 前十字靭帯などの靭帯損傷と同時に生じる事が多い。
  • 膝単独による屈曲や回旋の外力が加わる事によるものが多い。

文献にはこのような記載があります。

一般に半月板の損傷は、膝前十字靱帯やその他の靱帯損傷の合併損傷や二次的障害として起こることが知られている。また靱帯損傷がない場合も半月板損傷は単独で発症するが、その原因は膝への強い屈曲、回旋力と認識されている。

引用:若年者の膝半月板損傷の実態

何を言っているかわからないと思うので簡単にすると、内側および外側半月板問わずに、半月板損傷は前十字靭帯などの靭帯損傷に伴うものが多いようです。

ですが、非常に強い回旋の力や曲がる力が膝にかかってしまうと単独で半月板も損傷してしまうようです。

中高年では変形性膝関節症に伴う膝の左右への動揺性によって、若年者では膝のオーバーユース(使いすぎ)に伴って半月板を痛めてしまう事が多いそうです。

※外側半月板損傷に関する詳しい原因についてはこちらの記事にて詳細を綴っております。是非御覧ください。

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膝の外側痛の3つの原因についてのまとめ

今回は膝の外側痛の3つの原因について解説しました。

POINT

  • 膝の外側痛の原因には「外側半月板」「外側側副靭帯」「腸脛靭帯」によるものがある。
  • 膝の外側にある「外側半月板」「外側側副靭帯」「腸脛靭帯」は損傷の仕方はそれぞれ違いがある。
  • 膝の外側の痛みを改善するためにはこれらの原因の違いを認識しておかなければならない。

膝を痛める人は本当に多いです。

特に40歳を過ぎたあたりから、症状を出す人が多いです。

痛みが悪化してからでは改善が遅くなります。

またよくYouTubeなどをみていると膝には『この体操だ!』と言っている方がいますが、やはり問題点によって改善方法は違ってきます。

その為、やたらと体操をすればよいというわけではないです。

これは企業の問題点に対する改善戦略に似ています。

問題点に対してしっかりアプローチすれば改善はしてきます。

しかし、的はずれなことをしていれば改善するものも治らないのが事実です。

それが故にこの体操で確実に治る!というものはないという事を覚えておきましょう。

膝の外側の痛みが何が原因で生じているかしっかり確かめることが改善するための第1歩となります。

何より日常生活に影響が出ないようしっかり自分の身体に目を向けることが大切です。

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