人の心が感じるストレスと背中の痛みの関連性とは?

投稿日:2019年3月20日 更新日:

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背中の痛み

現代社会は色々なたくさんのストレスに溢れている。

例えば、今見ているスマホも目に多大なブルーライトを浴びせて、知らぬ間にストレスを与えている。

または、仕事での人間関係や給料に対する不満、生活する上で必要な会計に対する不安、運動不足による目に見えない身体への負担が人間にストレスを与えている。

日々過ごしているだけでも、色々なストレスを人間は感じているのだ。

それは数えたらきりがないぐらいだ。

そんなストレスが溢れる現代社会で多い身体のトラブルとして、背中の痛みがある。

この部位はストレスと非常に密接に関係しており、痛みを出しやすい場所となっている。

その背中の痛みによって、肩こりや頭痛などを招く人もいるぐらいだ。

今回は現代社会に溢れるストレスとその影響で生じてしまう背中の痛みの関連性について、文献を調べてわかった事があるので解説していく。

精神的なストレスが痛みを感じやすくさせる

理学療法士として、臨床(現場)に出て仕事をしていると、不思議とこのような関連性が見つかってくる。

それはハイストレスな人ほど、背中にこりや痛みを呈しやすくなる事だ。

例えば残業が多くて、睡眠不足になっており、ストレスがたまっている。

または人間関係でトラブルが起こり長い期間解決されず、ストレスが生じている。

はたまた、愛犬や愛猫との別れでストレスを受けている。

このような精神的なストレスがある人だけでなく、怪我によって思うように動けないというような身体的なストレスを受けている人も、共通して背中の痛みを出す人が非常に多い。

この理由としては、ストレスによる痛みの感受性、つまり痛みを感じる感覚が過敏になっている事が一つの原因であると考えられる。

このような文献を見つけたのでご紹介する。

本研究において、健常者を対象にして精神的ストレスが主観的痛み感覚および大脳皮質活動に及ぼす影響を調査した。その結果、精神的ストレスは主観的痛み感覚を増大させるとともに、大脳皮質一次体性感覚野の興奮性を増加させることがあきらかになった。このことから、精神的なストレスは大脳皮質感覚野の興奮性を変動させることにより、主観的な痛みを増大させている可能性が考えられた。

引用;精神的ストレスが痛み関連体性感覚誘発電位 (Pain-related SEP) に及ぼす影響

簡単に解説すると「精神的なストレスがかかると脳に影響を及ぼし、痛みに対する感じ方を過敏にさせる」という内容になる。

つまり、仕事や日常生活、人間関係、身体の怪我などで精神的なストレスが生じてしまうと痛みを感じやすくなる。

もちろん背中の痛みだけでなく、その他の痛みも生じやすくなるという事になる。

痛み刺激が交感神経を活発にさせる

上記では精神的なストレスが痛みの感じ方を敏感にさせると解説したが、ではなぜ背中の痛みを多く訴えられる事が多いのだろうか?

もちろん、生活習慣的にもスマホやパソコンなどを見る事が多くなり、正面ばかり向いている事が多いことや運動不足による影響も考えられる。

だが、それ以外にも要因が実はある。

それは交感神経の影響だ。

この交感神経は背中の背骨に存在しており、これもまた痛みを感じやすくする要因となるからだ。

文献にはこのように記載されている。

圧痛閾値測定時の交感神経活動の変化を IS を用いて検討した結果、心拍追跡課題の成績が良好な者ほど CSI 値も高くなった。このことは、自身の内受容感覚に敏感な者ほど、疼痛刺激時の交感神経活動が亢進しやすく、痛みの認知が行われる前段階での痛みに対する生体反応が生じやすいことを意味する。

引用:疼痛刺激時の交感神経活動の変化と内受容感覚の感受性の関係について

簡単に解説すると、「ストレスなどで痛みに敏感になっている人は、痛み刺激によって交感神経の活動が活性化されてしまい、痛みに対する反応が過敏になってしまう」という内容だ。

交感神経の活動が過敏になると「心拍数の増大」や「呼吸数の増加」が現れる。

またここでいう痛みに対する反応とは痛みによって過剰に筋肉が硬くなってしまうなどの現象のことをいう。

実は痛み刺激による交感神経の活性化による『呼吸数の増加』が背中の痛みの原因の鍵となる。

交感神経の過活動は背中の痛みにつながる

背中の痛みのほとんどの原因は背中にある肋骨の関節のトラブルである。

もちろん内臓によるトラブル等も稀にあるが、ほとんどの場合は肋骨のトラブルによるものが原因である。

交感神経の活性化による『呼吸数の増加』というのは、簡単に言うと、浅くて早い呼吸というものになる。

この浅くて早い呼吸というのは肋骨の関節に負担をかける呼吸の状態となる。

その為、ストレスを抱えている者は、交感神経の過活動により肋骨の関節にトラブルが生じ、痛みやコリを出してしまうと予想される。

また文献にはこのように記載されている。

交感神経活動はストレス、加齢、あるいは呼吸・循環不全など種々の病態で亢進する。かかる自律神経活動の以上は心拍数、血圧、あるいは呼吸数を増加させ、長期的に生命予後を規定する。今回の研究により1)呼吸による交感神経活動の制御様式が同定され、2)肺を長時間伸展させる深い呼吸により交感神経活動が効果的に抑制できる事が予測され、3)実際に患者においてこれが確認された。かかる成績は、交感神経が亢進しやすいストレスや心疾患を持つ人たちの生活を支援する自立神経制御法に応用できる可能性がある。

引用:呼吸統制による交感神経制御

これに関しても簡単に解説すると「交感神経はストレスにより過活動になる。その影響で心拍数や呼吸に異常をきたしてしまう。深い呼吸を行う事によって、交感神経の過活動を抑制できることが確認できた。」という内容になる。

つまり、このようなストレスからくる交感神経の過活動による背中のトラブルの改善方法として有効的なのが深い呼吸、言い換えれば深呼吸が有効的であるとされる。

呼吸による交感神経の活動を抑制できるのであれば、深呼吸以外にもウォーキングやランニング、水泳などの全身運動による有酸素運動もストレスによる背中の痛みを解消につながる要因となる。

このように日常的なストレスが交感神経を活性化してしまう。その事により呼吸が浅くなる。そして、背中に痛みを出してしまう結果となる。

背中に痛みやハリ感などを出している方は今一度生活習慣や自分のストレス度をチェックし見直してみてはいかがだろうか?

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まとめ

今回は心が感じるストレスと背中の痛みの因果関係と関連性についてまとめた。

POINT

  • 心にかかるストレスは痛みの感受性を高めてしまう。
  • ストレスは交感神経を過活動にし、呼吸を浅く早くしてしまう。
  • 背中の痛みは肋骨のトラブルによる痛みが多い。
  • 交感神経の過活動は呼吸とも連動しており、深呼吸などで過活動を抑制する事ができる。

現代社会は非常にストレスに溢れている。

そして、文明の発達により運動不足に陥っている。

運動量の減少による呼吸の減少がストレスを生み、それが徐々に身体へ負担をかけている事は間違いない。

その代表的なものが背中の痛みである。

これは現場で多くの患者様やお客様を診た経験からも言える。

そしてこのような背中の痛みは前述したように有酸素運動を生活の中に取り入れるだけで劇的に良い方向へと向かう。

ストレスを感じていなくとも背中に痛みやハリ感、コリなどを感じている方は是非今のあなたの生活習慣を見直してみてはいかがだろうか?

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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