今回は8月に行った北アルプス縦走登山2日目のことを綴っていきます。
前回の記事では、北アルプス縦走登山1日目の双六小屋と双六岳から見る槍ヶ岳の美しさについてお伝えしました。
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【双六岳快晴登山】双六岳山頂から望む壮大かつ威厳ある槍ヶ岳の風貌とは!?
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縦走登山2日目は日本の秘境『雲ノ平(くものたいら)』まで足を運びました。
雲ノ平はテレビなどでも時たま紹介されていて、いつかは絶対行ってみたい!と思っていた場所です。
晴天にも恵まれ、壮大な雲ノ平の風景を堪能することが出来ました!
だけど、本当に道が遠い!
これは1日で行ける距離ではないですね。
2日あっても大変だったので…苦笑
そんな雲ノ平へ続く道を風景とともにご紹介していこうと思います。
※Instagramでも概要をご紹介しているのでよろしくお願いいたします!
日本の秘境雲ノ平とは?
雲ノ平は非常に遠いところにあります。
日本の真ん中にそびえ立つ北アルプスの山々の最深部に位置していると言われておりまさに秘境と言う名がぴったりな場所です。
雲ノ平には小屋やテント場があり、多くの山好きが北アルプスの山々を超えて訪れる人気の場所となっています。
黒部川とその支流である岩苔小谷に挟まれた標高2,500-2,700 mの日本で最も高い位置にある溶岩台地で、祖父岳火山 2,825 m) により形成された。面積は25万平方メートル。池塘と岩が点在する高山植物の宝庫であり、それぞれ○○庭園と名付けられた区域がある。北アルプスの最深部に位置するため、どの登山口からでも当日中にたどり着くことが困難であり、「日本最後の秘境」と呼ばれる。
引用:ウィキペディア
登山をされているお客様のお話を聞いていて、一度は絶対に行ってみたい場所だと思っていた場所に行く事が出来て本当に良かったです。
ただ『超』が付くほど本当に遠かった…
双六小屋で泊まって、三俣山荘に荷物を置いていかなければ、到底辿り着けない場所だなと感じました。
非常に美しかった雲ノ平の山行を皆様にご紹介していこうと思います。
雲ノ平へのアクセス方法
夫婦で『新穂高温泉』から登り始め、2日目に双六岳を登頂し、素敵な槍ヶ岳の景色を堪能した後に、三俣蓮華岳~三俣山荘~雲ノ平山荘を目指しました。
北アルプス縦走2日目
『双六小屋〜双六岳』(前回のブログ記事『双六岳快晴登山』にてご紹介しました)〜三俣蓮華岳〜三俣山荘〜日本庭園〜スイス庭園〜雲ノ平山荘
計画では水晶岳まで足を運ぶ予定でしたが、無理をしないために予定を変更して三俣山荘にてテントを張り、荷物を軽くしたうえで『雲ノ平山荘』を目指すことにしました。
この翌日は鷲羽岳~水晶岳の北アルプスの最深部への縦走を行ったのでまたご次回ご紹介いたします。
コースタイム
双六岳から三俣山荘にてテントを張り、雲ノ平までのタイムとしては約5時間30分でした。
テントを張ったりせずにそのまま行けば、4時間30分程度で着くそうです。
秘境『雲ノ平』。
その名に相応しいぐらい景色が素晴らしく、格好良く木道が雲ノ平山荘まで続いているさまは本当に圧巻でした。
双六岳から三俣蓮華岳までの縦走路
先程も申したように北アルプス縦走の2日目の出来事を綴っていきます。
この景色が実に素晴らしかったです。
双六岳から三俣蓮華岳だけに続く縦走路となっています。
一番奥に見えるのがとてもかっこいい『鷲羽岳』。
この麓に三俣山荘があります。
実はこの三俣山荘に妻の知り合いが期間限定で働きに来ていたので、その子に会いに行くという目的もありました。
長い長ーい、けれどもとても美しい縦走路をひた歩きようやく三俣蓮華岳の山頂にたどり着くことが出来ました。
昨年訪れたときはあいにくの曇り空で、展望がまったくなかったのですが…
今年はほんとに天気に恵まれて最高のひとときを過ごすことが出来ました。
三俣蓮華岳から見る北アルプスの美しい山々
三俣蓮華岳山頂から薬師岳がきれいに望むことが出来ました。
これは…名前を忘れてしまったのですが、とにかくきれいな山です笑。
そして、本日の第一中継点であり、テントを張らせていただく三俣山荘が見えています。
昨年は鷲羽岳がきれいに見えて、妻と共々クライマーズ・ハイになり、テンションが上りすぎて無謀にも鷲羽岳を登ってから双六小屋へ戻るという奇行をしてしまいました。
おかげで昨年は足がボロボロに笑。
今回はその反省点をいかして『無理なく歩こう!』をテーマに登山計画をたてました。
お花もとてもたくさん咲いており、お花畑を眺めながら歩くことができました。
そして、稜線が本当にきれい!これはもう一度行きたくなります。
三俣蓮華岳から三俣山荘へ行くときは急坂ですが、そんな辛さもこの青空と景色がふっとばしてくれます。
ここでも槍ヶ岳が無茶苦茶きれいに見えました。
北アルプスへ行った4日間は槍ヶ岳と常に過ごした4日間といっても過言ではありません。
日本の秘境『雲ノ平』へいざ行こう!
三俣山荘のテント場でテントを張り、荷物を置いたら、いざ『雲ノ平』へ!
行く前は雲ノ平という文字なので、てっきり雲の上にある平らな場所で、楽に行けるだろうとたかを括っていました。
ですが、その考えは非常に甘かったです。
三俣山荘から黒部川源流まで下り、そこからは急坂をひたすら歩く。
ようやく平らな場所になったかと思いきやそこからが遠い。
雲ノ平山荘が見えて、素敵な木道になっても、なぜここで迂回させる!?という登山道で非常に非常に遠かったです。
黒部川の源流で一枚!
ここが黒部川、北アルプスが蓄えた水の始まりの場所なんですね!
黒部川源流からみる景色もなんとも言えないぐらい壮大でした。
黒部川源流から急登があるのですが、(急登の写真は気力がなくなりとることが出来ませんでしたが)それを登りきると雲ノ平まで平地が続きます。
登りきった場所でも、槍ヶ岳がきれいに顔をのぞかせています。
右下には三俣山荘の赤い屋根が見え、本当にいい景色!
少し見渡す場所を変えれば、翌日アタックする鷲羽岳もきれいにみれます。
天気がピーカンで良かった~!!
北アルプスの山々のきれいな景色が疲れた身体を静かに癒やしてくれます!
空気もきれい、黒部川のせせらぎも耳に優しい。
そして、この絶景の数々、最高かよ!
雲ノ平の美しい木道を抜けるとそこには雲ノ平小屋がそびえ立つ
黒部川から急坂を登りきるといろいろな庭園が姿を見せてくれます。
庭園だけあって、景色がめちゃくちゃいい!
最初に現れるのがこの日本庭園。
8月だっていうのに、まだ雪が残っています!
写真には写っていませんが、小さな高山植物もたくさん咲いており、まさに天空のお花畑でした!
そして、しばらく歩いていくと日本の秘境中の秘境、KING of 秘境と言っても過言ではない雲ノ平が見えてきます!
木道が雲ノ平山荘まで連なっているのがなんとも言えないぐらい美しいです。
そして、その奥には薬師岳がかっこよくそびえ立っています。
この場所からみる雲ノ平はすごく近くに見えるんですが、実はめちゃくちゃ遠いんです。
巻道のオンパレードで見えているのに一向につかない!
まだつかないのか!まだつかないのか!と妻と愚痴りながら歩きました笑
そして、やっとの思いでスイス庭園へ到着!
雲ノ平山荘まではあと僅か!
雲ノ平山荘に続くヴィクトリーロードを妻と楽しく歩いていきました。
本当に木道が気持ちいい!
そして、長い長い木道を歩ききれば雲ノ平山荘に到着です!!
雲ノ平山荘でエネルギーを補給すること1時間、帰る時間になってしまったので名残惜しくも帰路へ。
雲ノ平は最高!
もっと時間があれば、今度は雲ノ平で宿泊してのんびり過ごしたいですね。
長い長い帰り道で夕暮れ時にようやく三俣山荘に到着。
槍ヶ岳が真っ赤に染まっていてこれはこれですごい景色でした!
明日はこちらの鷲羽岳を経由して、水晶岳へ!
果たしてどんなたびになるのでしょうか?
この続きはまた次回以降にお伝えしていきますね!
終わりに
いや~、雲ノ平最高すぎます!
まさに秘境ですね!
でも、この景色はやはりみておくべきです!
登山される方なら、絶対にみておきたいですね。
ですが、今現在雲ノ平ではヘリコプター問題が発生しているのをご存知でしょうか?
2019年7月下旬現在、多くの山小屋の現場で重大な異変が起こっている。営業物資、生活物資が突如として届かなくなったのだ。数年前から主要なヘリコプター会社のA社やN社が山小屋の物資輸送から事実上の撤退を示唆し、大幅値上げや契約拒否などに踏み切っていることは問題として顕在化していたが、ここにきて現状北アルプスの8割方の物資輸送を手掛けている、最後の砦とのいうべきT航空が、一昨年来相次いだ事故やそれに誘発された人材流出、直近の機体トラブルなどによってついに機能不全に陥ってしまったのである。
その影響は未曾有である。
先述の故障の連絡から2週間ほどでヘリコプター1機が復帰し、徐々に仕事をこなしつつあるとはいえ、悪天候もあり広大なエリアに散らばる数十軒の山小屋が必要とする物資を安定供給する目処は依然立っていない。
僕の知る限りでも食料が届かずに客食を提供できない小屋、燃料が切れかけている小屋、営業開始半月経っても物資が届かない小屋、冬季解体して夏に再度組み立てるはずの施設が建てられず営業開始が遅れている小屋など、あらゆるレベルで影響が広がっている(全ての情報を網羅できるわけではないが、7月下旬現在、ほとんどの小屋で営業ができない状況は解消されたようだ)。当然雲ノ平山荘も例外ではなく、6月26日、7月10日、7月21日に予定されていた荷上げ物資の内、手元に届いたのは半分以下で、現場は相当に難しい舵取りを強いられている。
北アルプスは多くの小屋や山荘があります。
北アルプスは多くの登山客が訪れる国立公園でもあるのですが、その主体が民間事業であるのが事実です。
登山客の安全を守る為の緊急性も兼ねている場所でもあるにもかかわらず。
本当に意味がわからない。
山小屋や山荘に物資を供給しているのはヘリコプターです。
そして今そのヘリコプターを飛ばす航空会社がどんどん撤退しています。
その為、山小屋や山荘の経営危機が起きています。
山小屋や山荘が経営難になれば、登山道等の整備も出来ず美しい秘境が荒廃してしまいます。
国立公園ならば、今一度政府が力を貸さなければならないのではないでしょうか?
そんな危機が今北アルプスに訪れているという事をこの記事を読まれている方に知っていただきたいです。
この美しい自然と登山客を守る山荘を守っていかなければ!