『走った後、膝の内側が痛くなりました。何が原因ですか?』理学療法士があなたの疑問にお答えします!

投稿日:2018年12月3日 更新日:

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膝の痛み

近年手軽に行える事から市民ランナーの方が増えています。

それに伴いランニングやマラソンなどによるトラブルも頻発しているようです。

走る事によるトラブルは股関節や膝、足首などに起きやすいですが、特にその中でも『膝関節』のトラブルが多い印象を受けます。

『膝関節』は股関節や足首の間に挟まれており、単独で動く関節ではなくこれらの関節からの影響を非常に受けやすい構造です。また体重による負荷もかかってくる為、「走る」という動作の繰り返しにより、様々な膝のトラブルが生じます。

代表的なのが、膝の外側に痛みを出す「腸脛靭帯炎」、若い子に多い「膝蓋靭帯炎」、膝の内側に痛みを出す「鵞足炎」などが挙げられます。

今回はこのサイトのお問い合わせで多い、『走った後、膝の内側が痛くなりました。何が原因ですか?』という質問にお答えしていきます。

※ 記事を読む時間が取れない方には以下の動画もオススメ。膝内側の痛みの原因について、以前生放送で柔YAWARAが説明した動画となります。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。

まず痛みが出ている場所を厳密に特定するのが大事

膝の内側が痛いという風訴えられる方が多いのですが、膝の内側という表現では実は漠然としていて何が痛みを出しているのか特定できません。

膝の内側の構造だけでも「内側側副靱帯」「内側の半月板」「鵞足と呼ばれる3つの筋肉の腱」などが存在しております。その中でどの組織が損傷しているのかを特定していかなければならないのです。

損傷している場所によっても治療・ケアの方法が変わってしまいます。

POINT
痛みを出している場所はどこなのか?そこを探る事が最優先!

痛みの原因を探るためには膝を押して痛みが出るかどうか確認しよう!

理学療法士が痛みが出ている場所を特定する方法として、色々な手段がありますが、1番手っ取り早いのが組織を指で『押して』ストレスをかける事です。

傷ついている組織であれば、押すだけで痛みを出します。

痛みを出せばそこの組織に損傷が生じていると考えられます。

組織を押す

POINT
傷ついた組織は指で『押す』と痛みを出すので、それで組織の損傷を特定しよう!

膝の内側の構造を理解して原因を特定しよう!

痛いところを押して痛みが出ればそこが損傷していると判断できるのですが、そもそも膝の構造を理解していなければ、その痛みが『何の組織』なのかわかりません。

それでは、ただ痛いところが分かっただけで終わってしまいます。そうならない為にも、膝の構造は知っておいた方が良いです。

その為、以下に膝の内側の痛みで代表的な3つの場所をご紹介しておきます。

・内側側副靱帯の場所
内側側副靱帯

・内側半月板の場所
半月板
※写真の左側の赤い部分が内側半月版

・鵞足の場所
鵞足
※左膝を内側から見ています。

POINT
膝の内側の構造を知っていれば、痛みの原因が特定しやすい!

※膝の内側が痛くなってしまう3大原因はこちらの記事で詳しく解説しております。合わせてご覧下さい。

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膝の内側が痛い!そんな時に知っておきたい3大原因のまとめ

この記事で分かる事   膝の内側の原因が「内側側副靭帯損傷」「半月板損傷」「鵞足炎」ということであることを理解 ...

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押す以外にも検査方法がある!

組織を押す事によって、痛んだ部位を特定する事が可能だとお伝えしましたが、実はそれ以外にも原因部位を特定する方法があります。

その方法とは、押す以外の物理的な力を加えて組織に痛みが出るかどうかを判断する方法です。

例えば鵞足炎が起きているとしたら、膝を内側に倒しながらランジ動作をすると痛みが誘発されるという「スクワッティング検査」があります。

痛んでいる場所に負担をかける方法と押す事によって損傷部位を特定する方法を合わせて用いればより原因部位が特定しやすくなります。

※鵞足炎の検査方法はこちらの記事からご確認ください。

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「鵞足炎」かも!?ランニングすると膝の内側が痛みます!

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POINT
痛みの原因部位を特定するためには、押す以外の物理的な力を加えてみるのも一つの手段です。

膝の内側の痛みの原因は一つだけではないのでしっかり特定することが大事

前述したように膝の内側だけでも非常にたくさんの組織があります。

そして痛みを出す組織には必ず何かしらのストレスが加わっていることが多いです。例えば、『走っている時膝が内側に入ってしまい、膝の内側に負担がかかって痛みを出してしまう。』などが挙げられます。

このようにどの様な負担で膝の内側に負担をかけているのか?そして、どの組織に負担がかかって痛みが出ているのか?ということもある程度分析できるとより良いケアにつながります。

自分ではしっかりと痛みの分析ができない方は是非一度当店にご相談を!
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まとめ

今回は走ると膝の内側が痛くなってしまうというご質問に対してその原因を探る方法をご紹介しました。

POINT

・痛みの原因部位は物理的な負担を加えて、痛みが再現できるか確かめていこう!
・痛みの原因を特定する為にも大まかな膝の構造を知っておこう。
・膝の痛みの原因が分かれば、膝を治す為の手順が明確になる!

走るという動作は身体の至る所に負担をかけてしまいます。

その中でもやはり膝の痛みは非常に多い症状です。

漠然と膝の内側が痛いと思って、色々なエクササイズやストレッチに手を出すのはやめた方が賢明です。かえって症状を悪化させる要因となるからです。

その痛みの原因が何であるのかを追求した方が、治療方針が立ちやすく改善の為の近道になるので是非ご参考にしてください。

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

長野県長野市在住。2015年8月愛知県岡崎市にて整体院「柔YAWARA」を設立。2021年6月に長野県長野市にて『Seitai Zen繕』を設立した理学療法士。Zen繕にて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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