アイキャッチ

腰痛

腰痛を防ぐ「腰のインナーマッスル」の驚くべき機能に迫る!

インナーマッスルといえば『肩』を思い浮かべる方が多いのだが、実は腰部にもインナーマッスルがある事をご存知だろうか?

もっと言えば、手にも足にもどの関節にもインナーマッスルは存在している。

それぞれのインナーマッスルは、関節を固定したり、関節の動きをスムーズにする為に安定化させるという機能がある。

これは腰のインナーマッスルにも同じ事が言え、関節の動きを安定化させることによって「腰痛」を防いだり、手足の動きをスムーズに働かせる役割がある。

ちなみに腰のインナーマッスルは『インナーユニット』と呼ばれている。

このインナーユニットは4つの構造物からなり、驚くべき効果をもたらしてくれている。

今回は腰のインナーマッスルである『インナーユニット』について詳しく解説していく。

腰のインナーマッスルである『インナーユニット』とは?

前述した通り、腰のインナーユニットは『4つ』の構造物から出来ている。

その4つとは、以下のものだ。

インナーユニットを構成するもの

  • 腹横筋
  • 横隔膜
  • 多裂筋
  • 骨盤底筋群

インナーユニット

これらの筋肉は体幹の深部に位置しており、腰部を根底から支える役割があるのだ。

インナーユニットがしっかり活動していれば、無理な動きをしても腰椎への負担はそこまでかからなくなる。

その為、インナーユニットを鍛えることは腰痛予防にもつながる。

それだけでなく、インナーユニットはすべての動作の予備動作として活動されるそうだ。

これは手足を動かす前に必ず身体の中心部にあるインナーユニットが活動するということである。

その為、スポーツや日常生活の中でインナーユニットは大変重要なものとなっている。

参考文献:腰痛に対する運動療法—理学療法的視点から—

詳しいメカニズムに関しては、下記でご紹介する。

「インナーユニット」の驚くべき機能とは!?

インナーユニットの大まかな機能については、前述した通りである。

しかし、インナーユニットというのは実に奥が深い。

身体の活動と密接に関わっているからだ。

インナーユニットがどのように腰部を守っているのか?

どうして手足を動かす時に活動するのか?

もしインナーユニットが弱かったらどのような弊害がでてしまうのか?

その機能や弊害について、もっと具体的な事を解説していこう。

インナーユニットが体幹を安定させるメカニズム

インナーユニットはどのように体幹を支えているのだろうか?

それを紐解くにはまず背骨の構造を知らなければならない。

ご存知の方が多いかもしれないが、背骨は横から見るとS字の形をとっている。

背骨

また胸郭と呼ばれるものをつけるとこのような形になる。

背骨

そして、人間は前面に内臓があるので相対的に前に潰れやすくなっているのがわかる。

前に潰れやすい

前に潰れないように効率良く体幹を支える役割がインナーユニットである。

もちろん、背面から支える事も可能だが非常に力が必要で、筋肉が疲労しやすくなってしまう。

それを補う為に、前面にある深層の筋肉である「インナーユニット」が活躍しているのだ。

具体的にはこのような形でから支えている。

インナーユニット

このように支えることによって、腰への負担も軽減されるのだ。

つまり、インナーユニットは『天然のコルセット』とも言える。

インナーユニットの活動が手足に与える影響とは?

前述にて体幹を前面から支えるのがインナーユニットであると解説したが、実は機能はそれだけではない。

何度もお伝えしているのだが、手足を動かす際に活動するのもインナーユニットの重要な機能の一つである。

なぜ手足を動かす際に、インナーユニットが活動しなければならないのか?

それは手足の土台が体幹であるからだ。

土台

人は普段意識していないが、手足にも重さがある。

腕に関しては、体重60kgの人なら、3〜4kgある。

足になればもっと重い。

これらを動かす為には『安定』した土台が必要だ。

それが体幹であり、『インナーユニット』なのである。

1kgのバットを振ることを例に挙げるとわかりやすい。

たった1kgであってもバットを振る際、遠心力でかなりの力が加わるのが想像できるだろう。

バットを振れる

その遠心力に負けない為に、土台となる足腰が踏ん張れないとどうなるだろうか?

バットに振り回される事は言うまでもない。

バットを振れない

また力が入ったスイングも不可能となる。

これは手足でも同じである。

ある程度の重量物である手足を動かす際、身体が安定しないと手足は重くて動かなくなる。

体幹が安定していない人のバンザイはこの様な感じになる。

バンザイできない

日常生活やスポーツなどの動作でしっかりとした動きを出す為には『インナーユニット』の活動が不可欠である理由がこれである。

『インナーユニット』が活動して体幹を安定化してくるからこそ、手足がしっかりと動くのだ。

二足歩行になった弊害を予防する為に必要

長時間の二足歩行が出来るのは地球上人間だけである。

これは長距離を移動する上で非常にエネルギー効率が良いからである。

しかし、二足歩行になった弊害も存在している。

それはインナーユニットの活動が最重要になってしまったからだ。

四足歩行で常に手足を地面に接していれば、インナーユニットは常に活性化された状態となっている。

これを証明する為に、手を組んで、左右に引っ張るとお腹に力が入ることが分かるだろう。

手を横に引く

つまり、四足歩行の動物は手と足が地面に接して、体幹を支えているだけで、インナーユニットが活性化しているのだ。

だが二足歩行である人間ではどうだろうか?

足からの刺激しかない為、インナーユニットが活性化しづらくなっている。

それに加えて、文明の発展によって現代人はより動かなくなってきている。

その事もよりインナーユニットが活性しづらい環境になっているのだ。

そして、インナーユニットの筋力が衰え、さまざまな問題を引き起こす要因となっている。

インナーユニットが活動しないとどうなるのか?

もし仮にインナーユニットが活動しなかった場合どうなってしまうのだろうか?

そのことについて簡単に解説していく。

腰痛になりやすくなる

腹部で体幹を支えられなくなるので、まず『腰痛』が生じてしまう。

多くの腰痛の方はインナーユニットの活動が弱くなっているケースが多い。

つまり、腰痛の一つの原因となってしまう。

クシャミ等で失禁をしやすくなる

次に尿失禁を併発しやすくなる。

尿漏れを防ぐ為には、骨盤底筋群と呼ばれるインナーユニットの下部にあたる筋肉が重要になる。

この筋肉の出力が落ちているとクシャミをした時に失禁をしてしまうことがある。

失禁になりやすい人は、インナーユニットの活動が低下していたり、腰痛になっている人が多い。

これらの人に対するインナーユニットの強化も失禁予防に有効的であるとされている。

参考文献:腹圧性尿失禁とインナーユニットの関連性について

手足のトラブルが多くなる

最後にインナーユニットの活動低下による『手足の機能低下』である。

前述でインナーユニットの活動によって、安定した体幹が出来るとお伝えした。

そのおかげで、手足がしっかりと機能することが出来る。

しかしインナーユニットが機能しなければ、手足は本来の動きが出来ず、トラブルが生じやすくなってしまう。

それは「肩こり」であったり「膝の痛み」であったり、はたまた「四十肩・五十肩」を呈することもある。

またスポーツ選手においてもインナーユニットが上手く働いていないことによって、運動パフォーマンスが低下してしまったり、スポーツによるトラブルを呈することがある。

インナーユニットは動作開始時に絶対に活動する筋肉であるので、動作を遂行するにせよ、スポーツを行うにせよ必要不可欠なのである。

※腰のインナーマッスルであるインナーユニットを強化する為にはこの3種類の腹筋が非常に有効的です!こちらの記事にて解説しておりますので是非ご覧ください!

アイキャッチ
腰痛予防にうってつけの3種類の腹筋

多くの方は腰痛になった時、「どうしたら良いのだろうか?」「どう対処していくのが最適だろうか?」とあわめふためく事が多い。 実は腰痛になってから何か対策していては遅いのだ。 腰痛にならないように予防をし ...

まとめ

今回は腰や体幹のインナーマッスルである『インナーユニット』の驚くべき機能について解説した。

POINT

  • インナーユニットとは「腹横筋「横隔膜」「多裂筋」「骨盤底筋群」の総称である。
  • インナーユニットの機能によって体幹が安定化されている。また「天然のコルセット」のような作用をしている。
  • インナーユニットが機能していなければ、「腰痛」や「失禁「手足の機能低下」などの症状を呈する。

何事も基礎は大事である。

勉強するにも読み書きができなければ、勉強にならない。

スポーツをするにせよ、基礎体力や筋力がなければ競技ができない。

それと同様に身体の基礎は「インナーユニット」である。

この基礎が安定しなければ、様々なトラブルが生じてしまう。

これは現代人特有の症状であり、多くが運動量の低下により生じているのだ。

様々な身体のトラブルを防ぐ為にも、「インナーユニット」を強化して行く努力を行なっていこう!

-腰痛
-, , , , , , , , , , , ,