サッカーをしていたら足にしびれが出てきた。
立つ事が多い仕事をしていて太ももの外側に痛みが出るようになった。
デスクワークや講習会で長い事座っているとお尻に痛みとしびれが出てしまう。
などおしり〜太ももにかけて痛みやしびれを出す人が非常に多い。
その原因として色々な要因があるのだが、代表的なのが『腰の椎間板ヘルニア』である。
多くの人が腰の椎間板ヘルニア=腰痛と考えている方が多い。
しかし、その主な症状はおしり〜足までの痛みやしびれ、筋力低下だ。
椎間板ヘルニアで深刻なのはこれらの症状である。
今回は腰の椎間板ヘルニアで神経が圧迫されるとどのような症状が出てきてしまうのかを解説していく。
腰の椎間板ヘルニアとは?
正式には『腰椎椎間板ヘルニア』と病名でつけられる。
この病名は腰骨である腰椎と腰椎の間にある椎間板と呼ばれるクッションが潰されて、本来ある位置から飛び出してしまった状態のことを指す。
こちらが腰骨をイラスト化したものだ。
椎間板が外に飛び出してしまうと、本来の椎間板の厚さが無くなり、薄くなってしまう。
この状態になると腰の関節に負担がかかり腰痛を引き起こす原因となる。
また、飛び出した椎間板が腰の神経に触れてしまうと、足への痺れや筋力低下の原因となる。
腰の椎間板ヘルニアの症状
前述で少し触れたように、腰の椎間板ヘルニアの症状としては、「腰痛」や「足の痺れ」「足の痛み」「筋力低下」などがある。
足の痛みや痺れ、筋力低下に関しては、飛び出している椎間板の位置と圧迫されている神経によって変わってくる。
これらに関しては、後ほど詳しく解説していく。
また腰痛に関しては、動作による痛みの出方によって症状が変わってくる。
例えば、前屈のとき痛い場合は腰の椎間板ヘルニアによる症状であると言われている。
腰を反るときに痛い場合、腰の椎間板が薄くなることによって、腰の関節に負担がかかっているが故にでる腰痛である。
これは「椎間関節性腰痛」と呼び、腰の関節のトラブルによる症状である。
※椎間関節性腰痛は腰の椎間板ヘルニアがある人に出やすい症状です。詳しくはこちらの記事をご参考にしてください。
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30〜40代に多い『椎間関節性腰痛』の改善方法
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ヘルニアによって足への痛みやシビレが出る!
前述した通り、腰のヘルニアによって様々な症状が出てしまう。
その代表的なものが足の痛みやしびれなどの異常感覚である。
足への痛みやしびれに関しては、前述した通り腰の椎間板が出てしまうことによって足へ向かう神経に負担をかけてしまっている。
その為、痛みやしびれが出ている場所によって、腰の椎間板が飛び出て神経に負担をかけている位置がおおよそ特定することができる。
例えば足の甲が痛かったり、しびれていたりした場合は4番と5番の腰椎の椎間板ヘルニアによって、神経が圧迫されて症状が出ていることになる。
代表的なものは下記に列挙しておくので、足に痛みやしびれが出てしまったらご参考にして頂きたい。
2番と3番の腰椎の椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、太ももの前に痺れや痛みなどの違和感などが出てしまう。
3番と4番の腰椎の椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、膝の前から脛の内側に痺れや痛みなどが生じてしまう。
前述した通り、4番と5番の腰椎の椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、脛の外側から足の甲に痺れや痛みなどの違和感が出る。
5番の腰椎と1番の仙骨の椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると足の小指側や足の裏に痺れや痛みが出現する。
参考文献:がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)
またこのような場所によって、痛みや痺れなどを図にして分かりやすくしたものをデルマトームと呼ぶ。
これは研究者によって、症状の場所が変わってくるので、一概に正確とは言い切れないのであくまでも目安として知っておくとよい。
参考文献:デルマトーム図
※また腰の椎間板ヘルニアの検査方法としてはこちらの記事にて症状の原因部位を特定する方法を解説しておりますので是非ご参考にしてください。
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超簡単な腰椎椎間板ヘルニアの検査方法
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こちらの検査方法の文献もお役に立つと思うので合わせてご紹介しておきます。
検査に関する文献:腰椎椎間板ヘルニアのための診察・検査
まとめ
今回は腰椎椎間板ヘルニアによって生じる代表的な症状である「足の痛み」や「痺れ」について詳しく解説した。
- 腰椎椎間板ヘルニアは腰の椎間板が本来ある場所より飛び出ることによって、腰痛や足の痛み、しびれなどの異常感覚を出してしまう。
- 足の痛みやしびれはデルマトームと呼ばれる図によって、どの部位が神経の圧迫を受けているかを特定することが出来る。
腰椎椎間板ヘルニアは人間が歳を重ねることによって生じてしまう病気である。
歳を重ねれば、重ねるだけ椎間板の水分量が失われていく。
またそれに伴い、外に飛び出してもいく。
その為30歳を過ぎれば、レントゲンを撮るとだれでも多少なりとも椎間板のヘルニアがみられる。
しかし、ここで勘違いをしてはいけないのが、椎間板のヘルニアが神経に触れているかどうかである。
ただ飛び出しているだけなら、軽度な腰痛程度しか感じない。
一番タチが悪いのが飛び出した椎間板が神経に触れていることだ。
もし足に痛みやしびれなどを感じるようなら早急に対処していくことをオススメする。
また足に力が入らなくなっているようなら、なおさら早期に医療機関へ受診をしたほうが良い。