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腱板損傷の方のための「4種類×3つ」の腱板トレーニング

長尾 龍男

理学療法士歴15年。(整形外科勤務6年/整体院経営9年) シャイな子育ておじさん。 2017年健康ブログ開設/ブログ最高閲覧数50万。 2018年YouTubeチャンネル「柔YAWARA」開設/現在チャンネル登録者5万人/ 100万回再生動画あり。 文献の情報及び自身のリハビリ経験を元に、「膝の痛み」×「メンタルヘルス」について発信しております。

この記事を読むと分かること

  • 腱板損傷の方のための腱板のトレーニング方法
  • 腱板損傷の方で行ってはいけないトレーニング方法
  • どの腱板が損傷しているか?をチェックする検査法

腱板損傷で腱板のトレーニングを行う際、どのように行ったらよいのか?

またどんな時期から行ったらよいのか?

など分からない方が多い。

腱板損傷の方が、腱板のトレーニングを行う際、細心の注意を払いながら行う必要がある。

一つ間違えれば、症状が悪化してしまうからだ。

今回は腱板損傷の方のための、腱板のトレーニングについて詳しく解説していく。

腱板損傷とは?

ポイント

腱板損傷とは肩甲骨と上腕骨を引き寄せる作用が低下している状態。

腱板とは『棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋』と呼ばれる共同の腱のことを指す。

棘上筋
棘下筋
小円筋
肩甲下筋

腱板損傷とはその共同の腱のどこかが壊れてしまっている状態だ。

腱板

イメージとしては腱板が上腕骨からはがれている状態だと考えよう。

腱板がはがれている

腱板の最大の機能が肩甲骨と上腕骨を引き寄せる作用である。

引き付ける作用

この作用があるので、腱板の外側にある三角巾などのアウターマッスルが働いても肩が安定して動く。

しかし、腱板損傷を引き起こしてしまうと肩甲骨と上腕骨を引き寄せる作用が低下してしまう。

つまり、関節を安定させられないので三角筋等のアウターマッスルが働いてしまうと関節の軸がズレてしまう。

その状態で肩を挙げていくと骨と骨が衝突するインピンジメントが発生する。

腱板が機能しないと軸が安定しない

腱板をなぜトレーニングする必要があるのか?

それは、肩甲骨と上腕骨を引き寄せる作用を復活させて、肩を安定させる必要があるからだ。

肩が安定すれば、肩はスムーズに動くようになる。

腱板損傷でやってはいけないトレーニング方法

ポイント

  1. 痛んでいる腱板に対するトレーニングは行わない。
  2. アウターマッスルのトレーニングは行わない。

次に腱板損傷の時にやってはいけないトレーニングについて2つ解説していく。

一つ目が痛んでいる腱板に対してのトレーニングは絶対に行ってはいけない。

腱板は先ほどお伝えしたように4つの筋肉の腱で構成されている。

つまり、4つの腱板のうちどれか1つの腱板が損傷していれば、その腱板の筋肉のトレーニングで痛みが出る。

その筋肉に対するトレーニングはしてはいけないということだ。

理由としては、先ほど解説した通り腱板損傷は腱板が上腕骨から剥がれた状態である。

この剥がれたところに、トレーニングで負荷を加えてしまえば、より腱板が剥がれ、症状が悪化してしまいまうからだ。

そのため、痛みを伴う腱板のトレーニングは決して行ってはいけないのだ。

2つ目は腕立て伏せなどの大きな筋肉を鍛えるようなトレーニングは行ってはいけない。

これも先ほどお伝えしたように、腱板損傷が起きてしまうと肩甲骨と上腕骨が引き寄せる作用が弱くなってしまう。

そのことで、肩が安定しなくなる。

肩が安定しない状態で大胸筋や三角筋などの外側にある大きな筋肉のトレーニングを行ってしまうと、関節の運動軸がずれた状態で肩が動いてしまう。

そのことにより、インピンジメントなどの症状を引き起こしてしまう。

それを繰り返してしまうと、関節の中でまた傷ができ、症状が悪化することを繰り返す。

これではいつまでも腱板損傷が改善していかない。

そのため、腱板の機能が回復するまで、大きな筋肉のトレーニングは行わないようにしよう。

損傷腱板の検査!どの部分の腱板が痛んでいるのかをチェック

どの腱板が痛んでいるか?簡単に調べる方法を4つご紹介していく。

この4つの検査で痛みがでる筋肉に対しては、腱板のトレーニングを行わないようにしよう。

ドロップアームテスト

方法

手を横に伸ばしてキープ

ドロップアームサイン

ポイント

キープできない場合は、「棘上筋」の損傷が考えられる。

棘下筋テスト

方法

小さく前ならえをして外側から抵抗を加える

棘下筋テスト

ポイント

痛みがでれば、「棘下筋」の損傷が考えられる。

肩甲下筋テスト

方法

小さく前ならえをして内側から抵抗を加える

肩甲下筋テスト

ポイント

痛みがでれば、「肩甲下筋」の損傷が考えられる。

小円筋テスト

方法

  1. 腕相撲の体勢をとる。
  2. 外側から抵抗を加える。
小円筋テスト

ポイント

痛みがでれば、小円筋の損傷が考えられる。

腱板損傷のための腱板トレーニング

最後に腱板損傷の方のための腱板トレーニングについて解説していく。

先ほども、お伝えしたように検査で痛みが出た筋肉のトレーニングは行わないようにしよう。

またトレーニングをしていて、痛みがでる場合も腱板に損傷をきたしている可能性があるので中止しよう。

筋肉のトレーニング方法としては3つある。

トレーニング方法

  1. 自分のうでの重さで行うトレーニング
  2. 柔らかいゴムを使ったトレーニング
  3. ゴムの縮む力を止めながらゆっくりと行うトレーニング

1つ目は自分の腕の重さだけでトレーニングを行う方法。

これは腱板にかかる負担が少ないので、痛みが落ち着いてきた初期に行うのが好ましい。

2つ目は柔らかいゴムチューブを伸ばしながら、腱板の筋肉を縮めてトレーニングを行う方法。

これも比較的腱板への負担が少ないので、腕の重さだけでしっかりできるようになったら行っていこう。

3つ目が柔らかいゴムチューブの縮む力を止めながら、腱板の筋肉をトレーニングしていく方法。

これは縮んだ筋肉を徐々に伸ばしながらトレーニングを行う方法で、負担がかなり高いのため、痛みが全くない状態の時に行っていこう。

※腱板のトレーニングには比較的柔らかいイエローチューブを使用します。非常に小さい筋肉を鍛えるため、チューブトレーニングをする際、柔らかいものが好ましいです。腱板のトレーニングをされる方はあらかじめイエローチューブをご用意ください。

イエローチューブ購入はこちらから

棘上筋トレーニング➀

トレーニング方法

  1. 肘を曲げて斜め45°の方向へ腕を持ち上げる
  2. 30~45°の高さまで持ち上げる
  3. 10回行う
棘上筋のトレーニング➀

ポイント

  1. 肩の上部が熱くなる感覚まで行う。
  2. 肩をすくめて動かさないように注意しよう

棘上筋トレーニング➁

トレーニング方法

  1. 肘を伸ばす
  2. 親指を上にして斜め45°の方向へ腕を持ち上げる
  3. 30~45°の高さまで持ち上げる
  4. 10回行う
棘上筋のトレーニング➁

ポイント

  1. 肩の上部が熱くなる感覚まで行う。
  2. 肩をすくめて動かさないように注意しよう

棘上筋トレーニング③

トレーニング方法

  1. 肘を伸ばす
  2. 親指を下にして斜め45°の方向へ腕を持ち上げる
  3. 30~45°の高さまで持ち上げる
  4. 10回行う
棘上筋のトレーニング③

ポイント

  1. 肩の上部が熱くなる感覚まで行う。
  2. 肩をすくめて動かさないように注意しよう

棘上筋トレーニング④

トレーニング方法

  1. イエローチューブを使用する
  2. 肘を伸ばす
  3. 親指を上にして斜め45°の方向へ腕を持ち上げる
  4. 30~45°の高さまで持ち上げる
  5. 10回行う
棘上筋のトレーニング④

ポイント

  1. 肩の上部が熱くなる感覚まで行う。
  2. 肩をすくめて動かさないように注意しよう
理学療法士 長尾
理学療法士 長尾

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  1. 動画:【腱板損傷・腱板断裂】4種類の腱板トレーニングで肩を安定化!
  2. 棘上筋トレーニング⑤~➆
  3. 棘下筋トレーニング①~③
  4. 肩甲下筋トレーニング①~③
  5. 小円筋トレーニング①~③

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