この記事で分かること
- 自分が腱板損傷・腱板断裂かどうかを確認できる。
- 腱板損傷・腱板断裂を判断していく為のテスト方法について。
腱板損傷や腱板断裂になると、
- 肩の挙げはじめが痛い「挙上障害」
- 腕を水平で保つのが困難になる「ドロップアームサイン」
- 肩を挙げる際、60~120°の間で痛くなる「インピンジメント症候群」
などの症状が現れる。
実はMRIなどをとらずとも、腱板が切れているのかどうかを自分でテストして確かめる方法がある。
MRIなどの画像所見に比べれば、検査の精度は落ちるが、腱板が損傷しているかどうかを判断するうえでは有用なテストである。
今回は「腱板損傷」や「腱板断裂」かを確かめるための7つのテスト方法について詳しく解説していく。
腱板損傷テストの注意点
- 腱板損傷のテストは「腱板」に負担をかけるテストも一部存在しておりますので、痛みが出たらすぐにやめてください。
- 腱板損傷のテストに関しては全て自己責任のもと行ってください。
※長野市のSeitai Zen繕が自分で行える「腱板損傷のテスト方法」について動画で解説しております。もし読む時間がとれない方は是非ご活用ください。
腱板損傷のテスト➀:挙上障害テスト
テスト方法
- 普通に前から腕をあげる。
- この時、うでの挙げ始めで肩に痛みが出るかどうかをチェックする。
- 次に肘を曲げて腕を挙げると肩の痛みが軽減するかどうかをチェックする。
肘をまげると痛みが軽減する。
腱板損傷かどうかをチェック
- 肘を伸ばした状態で腕を挙げると肩に痛みが強く出て、肘を曲げた状態で腕を挙げると肩の痛みが軽減する場合は「軽度な腱板損傷」。
- 肘を伸ばしても、肘を曲げてた状態でも肩の痛みが変わらない場合は「中等度~重度な腱板損傷」。
テストの意味
腱板には肩甲骨と上腕骨を引き寄せる働きがある。
つまり、腱板に損傷もしくは断裂があれば、肩甲骨と上腕骨が引き付けられないので、腕の挙げはじめに痛みがでてしまう。
しかし、肘を曲げるとテコの長さが短くなるため、腱板への負担が軽減するので腕の挙げはじめの時の肩の痛みが減少する。
腱板損傷のテスト➁:ドロップアームサイン
テスト方法
- 腕を横に挙げ、その位置で5秒間キープする
腱板損傷かどうかをチェック
- 腕を横に挙げた状態で5秒キープできない人は腱板の損傷が疑われる。
テストの意味
この腱板損傷のテスト➀と同じで、腱板に損傷もしくは断裂があれば、肩甲骨と上腕骨が引き付けられなくなる。
つまり腕を横に挙げた位置で肩甲骨と上腕骨が引き付けられなくなるので肩が安定せず、うでが下がってしまう。
腱板損傷のテスト③:ペインフルアークサイン
テスト方法
- 腕を横からばんざいする。
- 60~120°の間で痛みがでるかどうかをチェックする。
腱板損傷かどうかをチェック
- 腕を横からばんざいして60~120°の間で痛みがでれば、腱板損傷によるインピンジメント症候群が起きていると考えられる。
テストの意味
人の肩は横からばんざいする際、60~120°付近で上腕骨が肩甲骨の肩峰の下をくぐりぬけていく。
しかし、腱板損傷が起きると上腕骨と肩甲骨を引き付ける力が弱くなるため、上腕骨が肩峰をくぐる前に衝突がおき、肩に痛みをだしてしまう。
※腱板損傷の特徴的な症状についてはこちらの記事にて解説しております。腱板損傷のテストと合わせて是非ご覧下さい。
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腱板損傷のテスト④:棘上筋テスト(SSPテスト)
注意
- 腱板損傷のテスト④~⑦は腱板に少なからず負担をかけてしまうので、痛みがでたらすぐに中止してください。
- 回数は必ず1回もしくは2回程度にしてください。
テスト方法
- まずは良い方の腕を斜め45度に伸ばし、上から抵抗を加える。
- その時の力の強さをチェックする。
- 次に痛い方の肩でも同様に腕を斜め45度に伸ばし、上から抵抗を加える。
- この時、肩に痛みがでるかどうか?力が良い方の肩と比べて入りづらいかどうか?をチェックする。
腱板損傷かどうかをチェック
- 痛い方の肩で上から抵抗を加えた際に肩に痛みがでる。もしくは良い方の肩と比べて力が入らない。場合は「棘上筋」の損傷が考えられる。
テストの意味
このテストは棘上筋を収縮させて、検査をおこなっている。
腱板を構成している棘上筋の腱に損傷があれば、収縮した時に痛みが出る。
もしくは力が入らないなどの現象が起きる。
腱板損傷のテスト⑤:棘下筋テスト(ISPテスト)
テスト方法
- 両方の肘を脇につけて、手を外側へ開いていく。
腱板損傷かどうかをチェック
- 良い方の肩と痛い方の方でうでの開きに差がある場合は棘下筋の損傷が考えられる。
テストの意味
このテストは棘下筋を収縮させて、検査をおこなっている。
腱板を構成している棘下筋の腱に損傷があれば、棘下筋の収縮がしづらくなっているため、開く動作が行いづらくなる。
もしくは棘下筋に力が入った時点で痛みがでる。
腱板損傷のテスト⑥:肩甲下筋テスト
テスト方法
- まずは良い方の腕を後ろにまわし、背中から手を離してキープする。
- 次に痛い方の肩でも同様に腕を後ろにまわし、背中から手を離してキープする。
- そもそも後ろへ回らない人は、お腹をおして力がはいるかどうかをチェックする。
腱板損傷かどうかをチェック
- 痛い方の肩が後ろに回らない、回っても背中から手を離してキープできない、お腹を押すと良い方と比べて痛い方でお腹を押す力が弱い場合は「肩甲下筋」の損傷が考えられる。
テストの意味
このテストは肩甲下筋を収縮させて、検査をおこなっている。
腱板を構成している肩甲下筋の腱に損傷があれば、手を後ろに回すのが困難になる。
または手を背中から離してキープできない。
お腹を押す力が弱くなるといった症状がでる。
腱板損傷のテスト⑦:ホーキンステスト(Hawkinsテスト)
注意
- このテストは一番腱板に負担をかけてしまうので痛みがでるならすぐに中止してください。
テスト方法
- 痛い方の肩の腕を90°のところまで前から挙げる。
- その状態で内側に倒していく。
- 軽く上から抵抗を加え、内側に倒すのを強制する。
腱板損傷かどうかをチェック
- 内側に倒していく時点で肩に痛みがでたり、軽く上から抵抗を加えた時に肩に痛みがでれば「腱板損傷」が考えられる。
テストの意味
このテストはインピンジメント症候群を誘発するテストである。
上腕骨と肩甲骨の肩峰が最接近する肢位がこのテストである。
インピンジメントが起きると肩に痛みが出現し腱板損傷であると判断できる。
※腱板損傷で肩の痛みが強い時はこちらの記事で紹介している安静方法を実践してみよう。
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まとめ
今回は自分で行う事ができる7つの腱板損傷のテスト方法について解説した。
POINT
- 腱板損傷のテストは腱板に負担がかかるため、痛みがでるようならすぐに中止する。
- 腱板損傷のテストは腱板の機能を踏まえて考えると分かりやすい。
- 自分の肩に痛みがある時に腱板損傷のテストを行い、腱板が切れているかどうかを判断する事ができる。
腱板損傷に対する7つのテスト方法を解説したが、検査方法➀:挙上障害、検査方法➁:ドロップアームサイン、検査方法③:ペインフルアークサインがでていれば、ほぼほぼ「腱板損傷」もしくは「腱板断裂」であると考えられるのですぐに医療機関への受診をおすすめする。
※腱板損傷の改善方法についてこちらの記事にてまとめました。改善していきたい方は是非ご活用ください。
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