※こちらの記事は前回配信した野球で投げる時『肩の前方』が痛くなるのは上腕二頭筋長頭腱炎が原因だ!の続きとなりますのでこちらの記事を読んでからご覧になっていただくとより理解が深まります。
前会の記事でご紹介した『投球動作で肩の前方が痛くなってしまう。どうしたら痛み無く投げられるようになるのか?』というご質問をくださったc様にお応えした記事となります。
C様と同様に野球をされていて肩の前方が痛くなってしまう方で肩の痛みを改善したい方は是非ご参考にしてみてください。
前回の記事では野球肩の前方痛の原因は『上腕二頭筋長頭腱』の炎症だとお伝えしました。
改善方法としては肩の安静・体幹の可動性・足首の安定性を高めていく方法をお伝えしたのですが、今回の記事ではそれらをより詳しく解説していきますのでよろしくお願いいたします。
まず野球の投球動作における肩の痛みを改善させる為には以下のような適切な段階を踏まないといけません。
- 炎症期の時は患部は休ませる。
- それ以外の身体の機能を高める。
- 肩の痛みが改善したら、肩の機能改善させる。
- 投球動作につながる動きの改善を行なっていく。
上記の手順を踏んで改善させていきましょう。
これらの具体的な手順と方法を詳しく解説していきます。
※柔YAWARAがこちらの動画内で投球時に肩の前方が痛くなってしまう場合の改善方法を詳しく解説しております。記事を読む時間が取れない肩は是非ご覧下さい。またYouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に配信しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
炎症が強い時期の野球肩の改善方法
野球をされている方で多くの方がこの段階で躓いてしまい、症状を悪化させているように見受けられます。
- 早く復帰したい。
- 投げてれば肩の痛みは取れるだろう。
- 若い時はこれぐらいで治った。
などの焦りや安易な考えがより症状をひどくしてしまいます。
この炎症が強い時期、つまり肩の痛みが強い時期で大切なのが、前回の記事でも記載したように安静を保つ事が大切です。
もし投球後痛みが強いようなら、1〜2週間は痛みが出ないように安静に保つ事が大切となります。
なぜなら『痛み』があるという事は、肩内部の組織に傷がついていると考えられるからです。
その傷ついた組織が回復しようとしているので、負担をかけないようにして修復を促さなければならないのです。
また多くの方が安静と聞くと『まったく動かさない』ことを連想されます。
しかしそうではなくここで言っている安静は、痛みや突っ張る感じが無い範囲で動かしていくという事です。
つまり、傷ついた組織に負担がかかって損傷しなければ、無理のない範囲で動かしてよいという事になります。
加えて、肩以外の痛くない部位も鍛えることができます。
むしろ投球動作に復帰した際、肩以外の動きや筋力のほうが大切になるので、肩の安静期間に他の部位をどんどん鍛えていったほうが良いです。
その為、肩の炎症期には以下の改善方法を行なっていきましょう。
肩と肘の柔軟性改善方法
- まずは肘を曲げて手を捻りなが肩を90度まで動かしていきます。
- 伸ばす際、親指を下に向けて掌を身体の外に向けます。
- 肘を曲げる際は肩に手をつけるまで曲げていきましょう。
- 手を外に向ける際に肩の前に痛みが出てしまう場合は捻りすぎなので痛みがない範囲で行ってください。
- 10回ほど行なっていきます。
肩と胸椎の柔軟性改善方法
肩の痛みがある程度治ってきているようでしたら、肩と胸椎の動きを改善していくようなエクササイズを行なっていきます。
- まずは鎖骨に手をつけて、肩をぐるぐると回していきます。
- 軸は肩において肩だけを回すようにしましょう。
- 痛みが出るようでしたら、手を鎖骨から離して回す、もしくは回す範囲を小さくしましょう。
POINTとしては投球する方向に回していきましょう。
肩に痛みがある場合はこちらの動きで胸椎の動きを改善しましょう。
これらがスムーズに出来るようになったら、胸椎の動きも含めて肩を大きく回していきます。
胸椎は身体の回旋を引き出す為に重要な場所です。
その為、身体の中心から大きくぐるぐると体をひねりながら肩を回していきましょう。
もし肩の痛みで肩や肘のエクササイズができない場合は思い切って肩に関しては何もしない事が大切になります。
その間は以下の体幹の可動性の改善と足首の安定性の改善エクササイズを行なっていきましょう!
体幹の可動域改善方法
まずは体幹の回旋の方法について解説していきます。
- 正座になりましょう。
- 肩の痛みがなければては頭のうしろに回してください。
- その状態で頭に回した方の肘を反対側の脇に向かって体を捻っていきます。
- 地面についているてを押しながら天井を見上げるように体を開いていきます。
肩が痛い場合
- もし肩が痛い場合は手を胸の前においていただいて同じように肘を脇の方へ持っていきます。
- そのまま天井を見上げるように体を開いていきます。
左右10回ほど繰り返して体幹の回旋の動きを改善していきましょう。
足首の安定性改善方法
次に足首の安定性の改善方法についてご紹介していきます。
重度の捻挫をして、リハビリがしっかりできていない人はこのような足首の安定性が損なわれてしまいます。
その安定性をつまり土台を一から鍛え直すトレーニングになります。
➀片脚立位10秒
②片脚立位+バンザイ10回
③サイドランジ10回
④フロントランジ10回
ここまでのエクササイズである程度、投球に必要な基本的な機能が改善されます。その状態になったら、次は投球につながる動作のエクササイズを段階的に行なっていきましょう。
炎症軽減後に行う投球動作および野球肩の改善方法
炎症が軽減するまではもどかしい時間を過ごされるかもしれませんが、上記の改善方法にて肩・体幹の回旋・足首の安定性を改善していくようにしましょう。
個々の動きが改善してきたら、それをまとめて協同的に動かせる練習を行う事で投球動作を改善し、野球肩の痛みを軽減させていきます。
まずは上半身の協同的な動きを改善してから、下半身も導入した動きを改善していきましょう。
投球動作改善方法①
投球動作につながる以下の動きの練習を行なっていきましょう。
上半身と下半身の投球動作を分離した改善方法となります。
こちらの方法では上半身の動作が改善されていきます。
- まず立て膝をつきます。
- 投球側の腕を頭に回してください。
- 体幹の回旋を行なっていきます。
- 次に肘を膝の方へ動かします。
- 10回ほど行なっていきましょう。
投球動作改善方法②
上記の動作がスムーズにできるようになったら、今度は腕をつけていきます。
- あくまでも腕を振るのではなく体幹の回旋に腕がついてくるイメージで腕を振ってみてださい。
- この時肩に痛みが出ないかつとても軽く腕が出てくるポイントを探してください。
そのポイントが1番体が効率よく動くポイントです。
つまり、肩の負担がかからず結節間溝と上腕二頭筋の長頭腱とが擦れない動きとなります。
投球動作改善方法③
最後に足の安定性と投球動作をつなげて改善する方法をご紹介します。
- 頭に腕を回した状態で片足立ちになります。
- 次に前に置いたタオルへ足を踏み込んで胸と腿を限りなくくっつけた状態で安定するポジションを見つけてください。
- この時ゆっくりでいいので、1番安定するポジションを見つけてください。
体幹の回旋は立て膝で行った回旋方向で行いましょう。
投球動作改善方法④
上記の動作がしっかり安定してきたら、タオルを持って立て膝の体幹の回旋の腕の振りの感覚を組み合わせてシャドーピッチングをおこなっていきましょう。
シャドーでも痛みがなく身体がスムーズに動く方向が見つけられたのでしたら、ボールを使ったピッチングを再開してください。
そのように段階を踏んで投球動作を改善していく事が野球肩を治していく為の最善な方法となります。
投球時の肩の痛みでお悩みの方は是非一度当店にて施術を!
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まとめ
今回は投球時に肩の前方が痛くなってしまうというC様の訴えを参考に野球肩の改善方法を解説しました。
- 野球肩改善の為には患部の痛みの軽減及び投球動作の改善を行っていかなければならない。
- まずは患部を安静に保ち痛みの軽減、肩内部の組織の損傷を治癒させつつ、肩以外の部位を動かしていく事が大切だ。
- 肩の痛みが改善してきたら、投球動作を上半身の動き、上半身と下半身の動きの連動という順で動作を改善していく事が重要だ。
投球動作のトラブルによって、肩に負担がかかりすぎてしまった結果痛みが出てしまうものが野球肩です。
肩の組織の損傷度合いによって回復の仕方が変わってはくるが、適切に改善するための手順を踏めば症状は改善してきます。
それだけでなく、今まで以上に効率よく身体が動くようになるのでパフォーマンスが向上される方もおります。
野球肩で痛くて焦っている方は焦らず長期的な目で肩を改善していくようにしましょう。