野球で投げる時『肩の前方』が痛くなるのは上腕二頭筋長頭腱炎が原因だ!

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投げると肩前方が痛い原因アイキャッチ

肩の痛み

この記事はこのような方にオススメ

  • 野球をされていて肩が痛い人。
  • 投擲種目で肩が痛い人。
  • 日常生活で肩の前方が痛くなってしまった人。
  • 今回の記事ではYouTubeのコメント欄にてこのようなご相談をいただいたのでそれに対してお応えしている記事となります。

    もし野球等で同じお悩みをお持ちの方がいらっしゃれば是非ご参考にしてください。

    ボールを投げると痛みが出て筋肉痛と共に腕を動かすのもしんどいくらいになります。一週間もすると痛みはなくなりますが動きが悪いです。投げて痛くないときもあります。調べてもらっても特に目立ったところはないと言われます。

    引用:【インピンジメント症候群#1】インピンジメント症候群とは?肩を痛めてしまうメカニズムを解説

    この方(A様)と何回かやり取りを行い、詳しく問診を行っていきました。

    結論から言うと『上腕二頭筋長頭腱炎』もしくは『上腕二頭筋長頭腱の損傷』が考えられました。

    『上腕二頭筋長頭腱炎』じゃ野球をはじめとした投擲種目をされている方に多く発症します。

    この症状がどのように現れて、どのように対処すればよいのか?

    それについてA様のご症状を例に挙げ、解説していきます。

    今回の記事の流れとしては、

    1. A様の症状についてご紹介
    2. 肩の前方の痛みが上腕二頭筋が原因である理由
    3. 既往歴から考えられる上腕二頭筋への負担について
    4. 改善する為に行っていく事

    という流れで解説していきます。

    限られた情報で考察をしております。また、実際に触っておりませんので、この考えで確実に改善していくという保証はございませんのでその点だけはご了承ください。ですが、改善の為の一つの考えとしてお役に立つはずですのでよろしくお願いいたします。

    ※柔YAWARAがこちらの動画内で投球時に肩の前方が痛くなってしまう原因について詳しく解説しております。記事を読む時間が取れない肩は是非ご覧下さい。またYouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に配信しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。

    

    A様のご症状について

    A様との問診から得られた情報が以下の通りです。

    • 野球で投げる時に肩の前方に痛みが出てしまう。
    • 腕が加速する時にガツっとした意味が出る。
    • 投げ終わったあとは腕が上がらないのでシャンプーがない、シートベルトが取れなくなる。
    • 痛みは1週間ほど続いて改善する。
    • レントゲン・MRIを撮っても軽い炎症程度で目立った損傷はない。。
    • 過去に分離症・左足の捻挫を経験されている。

    A様の既往歴としては、分離症・過去に左足首のひどい捻挫があります。

    希望としては毎回痛みがないように投げられるようになりたいです。

    肩の前方の痛みの原因が上腕二頭筋長頭腱である理由について

    c様の肩の痛みとして、前方部分、特に投球動作で腕が加速する時に痛みが強くなるという事から、「上腕二頭筋の長頭腱」に負担がかかっている可能性があります。

    ※写真は上腕二頭筋長頭腱を示しています。

    上腕二頭筋長頭腱

    この理由について

    1. 肩の骨と筋肉の構造。
    2. 野球の投球動作によって負担がかかる場所。
    3. 問診より予想できる損傷部位。

    から解説していきます。

    ではなぜ上腕二頭筋が損傷してしまうのかと言いますとそれは上腕骨の構造にあります。

    結節間溝と呼ばれる上腕二頭筋の長頭腱が通る溝があります。

    結節間溝

    実は投球動作の加速する時はこの結節間溝と上腕二頭筋の長頭腱が非常に擦れやすくなっているのです。

    上腕二頭筋長頭腱が擦れる

    ここで野球の投球動作を一般の方にも分かるように簡易的にに3つのフェーズに分けてみます。

    1. 構えてから片足立ちになるフェーズ。
    2. 片足立ちになってからボールを投げる準備をするフェーズ(コッキング)。※1
    3. ボールをリリースするまでに加速するフェーズ(アクセレレーション~フォロースルー)。※2※3

    ※1コッキング期

    コッキング期

    ※2アクセレレーション期

    アクセレレーション期

    ※3フォロースルー期

    フォロースルー期

    A様に関しては3つ目の腕を加速させるアクセレレーション~フォロースルーにトラブルが生じているという事になります。

    このフェーズに多いトラブルが、実はインピンジメント症候群で腱板を損傷することや、上腕二頭筋の長頭腱を損傷することなんです。

    A様から得られた問診では、投げる時に肩の前方が痛い、かつっとした鋭い痛みでるということから「上腕二頭筋長頭腱」の損傷が予想できます。

    投球時にアクセレレーション〜フォロースルーにかけて特に肩の回旋が生じます。

    この回旋動作によって結節間溝と上腕二頭筋長頭腱で摩擦が生じて痛みを誘発してしまう原因となってしまいます。

    もしこれがインピンジメント症候群によって腱板が損傷していれば、肩の外側(腱板が上腕骨についている側)に痛みが出るので腱板の損傷の可能性は低いと予想できます。

    またA様との問診にて得られたキーワードがございます。

    • 投げ終わった後腕を動かせない。
    • シャンプーやシートベルトも取れない。

    このような訴えから、「肘を曲げ伸ばしする動作」や「肩を外に回旋させる動作」を行う筋肉にトラブルが考えられます。

    上腕二頭筋の作用として「肘を曲げる」「肩の動きを補助する」という役割があります。

    上記の訴えより上腕二頭筋の長頭腱の損症がかなり濃厚だと考えられるのです。

    この上腕二頭筋長頭腱炎もしくは上腕二頭筋長頭腱の損傷のケースで最悪なのが上腕二頭筋長頭腱が断裂してしまっていることです。

    確認方法としては、力こぶを左右比較して痛めている方が下がっていれば、断裂している可能性が非常に高いです。

    A様に確認した所、この現象が起きていませんでした。

    もしこの記事を読まれている方で力こぶが下がっているようでしたら、この続きを読まずにすぐ整形外科への受診をお勧めします。

    既往歴から考えられる上腕二頭筋長頭腱への負担について

    では、なぜA様は投球時に上腕二頭筋の長頭腱が痛くなってしまったのでしょうか?

    この原因を解決しないと肩の痛みは時間をおけば言えますが、投球を再開すればすぐに痛みが再発してしまいます。

    この原因について身体のメカニズムを熟知している理学療法士としての見解を記載していきます。

    投球を行うプロではありませんが、身体のメカニズムから考えると投球動作を見る上で重要なポイントが2点あります。

    1. 土台である「足の機能」。
    2. 身体の回旋を生み出す「体幹の機能」。

    もしこの2つの機能がうまく働いていなければしなければ、腕で投げようとして、肩に負担がかかってくるようになります。(いわゆる腕投げと呼ばれる投げ方です。)

    A様に関しては、過去に左足のひどい捻挫や腰椎の分離症という既往歴をお持ちなので、このケースが考えられます。

    つまり、このように解釈できます。

    1. 投球時に踏み込んだ際、左足が安定しない。
    2. 体幹を回旋して投げたいのに上手く体幹が回旋してくれ、肩の力に依存している。
    3. 上記の結果、上腕二頭筋の長頭腱に負担がかかり炎症が生じる。
    4. 炎症による痛みで投げれなくなる。

    という負の循環になっていると考えられます。

    投球時に痛くない時もあるようですが、おそらくそのような時は左足や体幹がしっかり活動できている状態にあると考えられます。

    参考文献:早期コッキングでの肩関節肢位は投球側肩関節可動域に影響を与えるか

    投球時の肩前方の痛みを改善していく為の方向性とは?

    まず最優先にしなければならないのが患部である肩を安静に保つ事です。

    日常生活でも肩が痛いようなら安静に保ち、組織の修復を促していく事が再重要です。

    1週間程度で痛みが落ち着くとのことなので、そこまでひどい損傷にはなっていないと考えられますが、まずは痛みがない状態まで持っていくことから始めないといけません。

    その為、もし野球をされる際は痛みが出るような力強い投球を控えて、痛みが出ないキャッチボールから開始していく事が大切です。

    次に投球に必要な体幹の回旋や足の安定性を改善していき肩への負担を相対的に軽減させていく必要があります。

    これに関しては、次回の記事にて肩の安静期間でも行えるエクササイズや再発予防のために行うエクササイズを解説していきます。

    投球時の肩の痛みでお悩みの方は是非一度当店にて施術を!

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    まとめ

    今回はA様の「投球時に肩の前方が痛くなる。痛みがなく投げるようにするためにはどうすれば良いのか?」というご質問にお答えいたしました。

    POINT

    • 肩前方の痛みは上腕二頭筋長頭腱炎や上腕二頭筋長頭腱の損傷が考えられる。
    • 投球のアクセレレーション〜フォロースルーにかけて肩に負担がかかる。
    • 土台である足や投球動作に必要な体幹の回旋に問題が生じると肩への負担が増加する。

    A様のように肩の痛みで投球動作が困難になっている方は非常に多いです。

    多くの方が、その痛みを我慢されて投球を続けたり、問題点が分からないままストレッチを行ったりしているようです。

    ですが、そのような行いは肩の組織をより傷つけ、回復を遅くしてしまいます。

    そうしない為にも問題をしっかり特定してから、痛みを出す原因に対してアプローチしていかなければなりません。

    この記事が肩の痛みで投球ができない肩のお役に立てれば幸いです。

    長尾 龍男
    この記事を書いた人 : 長尾 龍男

    愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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