自分が登山が好きだからか、当店にもよく山を登られる方がいらっしゃいます。登山談義をしているとよく『ストックは邪魔だから使いたくない』『トレキングポールを使う効果がよく分からない』というご意見を伺います。
確かにストックやトレキングポールは正しく使っていかないと邪魔な存在になってしまいますし、岩場などでリュックに収納しないといけなくなり手間になる事が非常に多いです。
しかし、ストックやトレキングポールを使用するメリットを理解し、多少の手間を惜しまず正しく使って行くと身体への負担はかなり軽くなります。
そのためストックやトレッキングポールを使うと登山の時にどのような効果をもたらすのかを物理的な観点から解説していきます。
※記事を読む時間が取れない方には以下の動画もオススメです。 動画の中では登山の時に使用するストックやトレッキングポールをつくメリットを解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
二本足で立っている人間は支持基底面が狭く実は不安定な環境下で過ごしている
まずはじめに人間は二本足で立っていますしかし、これは実はとても不安定な状態です。
椅子やテーブルを例に挙げて考えてみましょう。これらは必ずと言って良いほど4点で支えられています。2点ではなく、3点ではなく4点で支えられているのです。これは支持基底面という観点で見ると非常に安定しているからです。
支持基底面とは下の写真のように、人間でいうと二本足で囲まれた面のことを指します。これの支持底面が広ければ広いほど物体は安定します。逆に狭ければ狭いほど不安定になります。普通に立っている時より片足立ちの方が不安定になるのはこの支持基底面が狭くなる為です。これらの理論から椅子やテーブルは4点で支えられ支持基底面が広いので非常に安定しているのです。
登山の時にストックやトレッキングポールをつくということはこの考え方と同じです。二本足で立つよりも支持基底面が広くなるため、安定感が増し、足回りの怪我のリスクが格段と低下するというメリットが得られます。
登山の時にストックをつくとこれだけ足にかかる負担が減少する!
先ほどもお伝えしたように、人間は二本足で立って歩いています。体重が60kgだとしたら、立っている時は片方の足への負担は単純計算で30kgとなります。
歩いている時は片方の足に60kgがまるまるかかってしまいます。登山の時はザックに荷物をいれていくので、その負担はさらに増えます。
ところが杖をつくことこのように変わります。正確な数字ではありませんが、単純に計算して杖を二本つくことによって、立っている時は体重が4分割されるので片方への足の負担は15キロになります。
歩行時は交互に杖をつけば片方の足に30kgの負担だけで済みます。足への負担がつかない時の1/2程度なります。もちろんその分腕への負担がかかりますが、安定感と移動するための足への負担軽減を考えればメリットの方が大きいです。
まとめ
今回は登山の時に使用するストックとトレッキングポールの使うメリットについて解説した。
・人間は2本足で立っているので、支持基底面の観点からみるととても不安定な状態である。
・ストックやトレッキングポールをつくことによって、支持基底面が広がり安定性が増す。
・支持基底面が広がり、ストックやトレッキングポールに体重が分散するので足への負担の軽減や怪我のリスクがかなり低くなる。
ストックやトレッキングポールをつくことにより腕への負担が増えてしまったり、岩場では荷物になってしまうというデメリットがありますが、移動することに関してはつくことによって大きなメリットが得られます。
一手間を惜しまず使用する事が怪我のリスクなどを回避し、楽しい登山が行えるようになりますので是非ご参考にしてください。
※ストックの長さの調整方法についてこちらの記事にてご紹介していきますのでよろしくお願い致します。
登山の時に使うトレッキングポールの長さはあっていますか?詳しい調整方法を解説します | 柔 YAWARA|岡崎市の肩こり・腰痛・膝痛専門整体
訂正:2019/01/29