【台風19号被害】千曲川氾濫ボランティア①-りんご畑の被害は甚大だ-

投稿日:2019年10月22日 更新日:

MY LIFE

まず初めに、この度は被災に際し、被災をされた方へ心からお見舞い申し上げます。

この記事は、実際に被災した妻の実家の復旧作業で経験したことを踏まえて綴っております。

タイトルにあるように、妻の実家は千曲川の氾濫域です。

そして、りんご農家をされています。

今回の台風被害によって、ご自宅は半壊。

りんご農園はみるも無残な状態になってしまいました。

テレビでは千曲川の堤防決壊の報道がされていましたが、その後の現状をニュースでやる事はあまりありません。

これは地方で、報道が行きづらい為なのか、氾濫域の人口規模が少ないためなのか…

詳しくはわかりませんが、少なくとも私が今住んでいる愛知県と千曲川で氾濫が起きた場所ではかなりの温度差を感じる事は確かです。

ラグビーなどの良いニュースがある反面、全国ネットであまり報じられていない被災地があると言うことを知っていただきたい思いで綴っていきます。

願わくば、どんな小さな事でもいいので御支援を頂けると幸いです。

2019年台風19号がもたらした長野県の被害について

台風19号(ハギビス)の被害は以下の通りです。

2018年に気象庁が定めた「台風の名称を定める基準」において浸水家屋数が条件に相当する見込みとなり、沖永良部台風以来42年ぶりに命名される見通しとなった。政府はこの台風の被害に対し、激甚災害の指定を行ったほか、台風としては初となる特定非常災害の認定を行った。また、災害救助法適用自治体は18日現在で13都県の317市区町村であり、東日本大震災を超えて過去最大の適用となった。今後も適用自治体は増える見込みである。

この台風の影響で、水や土砂に襲われ死亡した者が続出した。死亡した際の状況が判明した64人を毎日新聞が分析したところによると、住宅内で水や土砂に襲われ死亡したのは27人で4割超を占め、少なくとも3割近い17人が車での移動中に死亡したとされている。

引用:Wikipedia

台風19号がくる日は、当店でもご予約のキャンセルが多く、午後からは臨時休業をとりました。

岡崎市では短時間ではありますが雨風が強く、どこもかしこもお店がお休みであったため、外に出ることもなく自宅で妻と次の休日の予定を決めていたことを覚えております。

進路的に愛知県を通過するので、被害が出てしまわないかと危惧していましたが、そこまで大きな被害もなかったので安心していました。

状況が一変したのが次の日の午前3時でした。

「やばい!やばい!」と狼狽する妻に叩き起こされスマホを見てみると長野県の千曲川がちょうど氾濫するところがライブカメラで映っていました。

寝起きということもあり、正直目を疑ってしまいました。

台風が上陸した日の晩に妻の実家に近い千曲川の水位がどんどん上がっているとは聞いていましたが、そこまで深刻ではないだろうとタカを括っていました。

しかし蓋を開ければ、結果は…

ご存知のとおりです。

千曲川の堤防決壊。

被災直後はテレビでも全く報道されていなかった為、河川のライブカメラからの情報しか得られませんでした。

こんな時はTwitterが非常に役に立ちました。

Twitterでは現在進行形でツイートが流れていきます。

氾濫がどの規模で、どのくらいの範囲の人が避難しているのか?

そんな情報がどんどん流れてきます。

そして、午前4時40分にようやくテレビで報道されるようになりました。

そこからわずか1時間弱で堤防の決壊が酷くなり、河川の水が街を襲う事に。

愛知県から300km離れた妻の実家を只々テレビの前で傍観する事しか出来ませんでした。

今行ったところで何もできない。

むしろ邪魔になってしまう。

自然の前では何も出来ない。

そんな無力感に襲われました。

妻は片時もスマホを離せない状態で、ずっと心配していました。

幸い家族はみな避難できたんですが、家はどうなるのか?りんごの畑はどうなるのか?

テレビの前でそのような心配ばかりしていた連休になってしまいました。

妻に「帰るお家があるからいいよね。」と言われた時は何も言えませんでした。

千曲川堤防決壊による氾濫被害は想像以上だ

千曲川はどうして氾濫が起きてしまったのでしょうか?

自然災害が想定外だったためなのか?

本当にそれだけなのか?

色々と疑問が出てきてしまいます。

Mr.サンデーで橋本氏が今の治水行政では『上流であえて氾濫させる』事があると述べていました。

橋下徹氏が「奈良県側で氾濫させる」など、治水行政について解説 視聴者から驚きの声|ニフティニュース

そしてグーグルマップで千曲川を下流(新潟方面)へ辿っていけば河川が決壊した(穂保地区)の先で細くなっていることがわかります。

確かに千曲川の堤防が決壊した地域は長野市内でも人口が少ない地位域であり、かつ農園が広がっています。

そして河川の構造から橋本氏が言う通り上流であえて氾濫を起こさせている可能性はなきにしもあらずです。

もしかすると人口規模が少ないところで氾濫させるのは仕方がないことなのかもしれません。

ですが考えていただきたいのは、そのリスクをしっかり提示していたのか?ということです。

そして農地が氾濫による浸水被害を受けたらどうなるのか?ということです。

堤防が決壊したあの一帯はアップルロードと呼ばれるほどりんごの生産が盛んな場所です。

そして、その周辺の農家さんたちはほとんどりんごで生計を立てています。

もし浸水被害をうけたらどうなってしまうのでしょうか?

  • リンゴの木が倒れてもう実がならないかもしれない。
  • 倒れなくてもりんごの実が落ちてしまうかもしれない。
  • りんごの実が残っていても浸水してしまったら、大腸菌の影響で商品にはならないかもしれない。
  • 浸水によって運ばれた泥で木が枯れてしまうかもしれない。

簡単に言ってしまえば、今年はりんごの収益を挙げることが出来ないかもしれません。

そして来年もりんごの実がつくかどうかもわからない状態なのです。

つまり、収入の見通しが立たない状態です。

その現状に加えて、一般的な住宅よりも3倍ほど広い敷地のお家が半壊になり、さらには1000万近くする農具がすべてダメになってしまう。

そして、軽トラを含む車が浸水し、そのレッカー代がうん万円とかかってしまう。

人口規模は少ないですが、一般的な住宅地の浸水と比べると経済的な打撃は比にはならないと思います。

私も今年は5ヶ月間働きたくても働けない状態になってしまいました。

その間、店舗の売上は1/5程度に下がり、さらには治療費で月に5~10万ほど飛んでいき、それに加えて生活費がかかってしまう。

そんな胃が痛くなるような死活問題に直面しました。

しかし、今回の浸水被害を受けた農家さんからすれば、自分が経験したものは可愛く感じてしまうものです。

家屋の建て替え・修繕でうん千万円かかり、車や農具でうん千万かかる。

そして、収入源であるりんごの木はもしかすると使い物にならなくなっているかもしれない。

それの状態が一軒だけではないのです。

数十件、数百件の農家さんがみなその被害を受けています。

農家さんたちが受けるストレスは尋常ではありません。

もしこの堤防の決壊した場所が、氾濫が起きる可能性をもって作られていたのならば…

言葉になりません。

多くのボランティアが集まり作業が捗るが被災された方の気持ちも考えて

連休後に浸水した水も引き、妻のメンタル的なものもあったので、実家に戻ってもらいました。

自分もすぐにでも行きたい気持ちではあったのですが、被災されて自宅が無茶苦茶になっているところに来られても迷惑になりかねません。なので、ご家族のみなさんが落ち着いてから向かうことにしました。

戻った妻からは目を疑うような写真が送られてきました。そして、愕然としてしまいました。

私が知っているお家はそこにはありませんでした。

あるのは2m近く浸水して、ズタボロにされた家屋でした。

※この動画は実際に復旧作業に行った時の休憩時間に撮影した動画です。

言葉になりませんでした。

そんな惨状の中、すぐにボランティアの方々が駆けつけてくれたそうです。

そして、すぐに家屋の片付けが始まることになったそうです。

ですが、ここで考えていただきたいのは被災された方々の気持ちです。

家屋が無茶苦茶になってしまい、どうしていいかわからない状態に陥っています。

その状態で、今後の生活はどうするのか?収入はどうするのか?浸水した車はどうするのか?家屋は修繕するのか?建て直すのか?保険はどうするのか?りんごの木はどうするのか?などなども考えないといけない状態なんです。

現状を過ごすのにいっぱいいっぱいになっています。

ボランティアの方々は善意で手伝ってくれています。
「早く片付けよう!」とか「きれいにしてすぐに復旧しよう!」と言った使命感をもっています。

ですが、すべてを早く片付ける前に少しだけ考える時間を作っていただきたいんです。

家屋の中には思い出の詰まったものがたくさんあります。

中にはボロボロになったものでも残しておきたいものがあったはずです。

ですが、善意があるボランティアの方々が一斉に来て片付けをしている前では一つずつ選別するなんて無理なんです。

そして、しぶしぶ家屋内の思い出の詰まったものを捨てざるおえない事になってしまいます。

なので、少しでもいいので、考える時間を作っていただきたい。

実際に私も復旧作業に行ってきました。

泥を土のうに詰める作業は力のある若い男性でも非常に苦労をします。

さらには土のうや流れ着いたゴミを出すために、通路を確保しなければなりません。

そして、通路を確保するためにはリンゴの木の枝を切らなければならない場面もありました。

その場面では、ボランティアの方が豪快にリンゴの木の枝を切り落としていました。

これは仕方がないことです。

ですが、妻のおじいちゃんやお義父さん、お義母さんが丹精込めて育てたリンゴの木をズブの素人が豪快に切っていいのか?と疑問に思ってしまいました。

もし切った切り口から病気が入ってしまったら?

ただでさえ泥で埋まって弱っている木なのに更に弱ってしまうんではないのか?

そうなってしまえば、今後のりんごの収穫量も減ってしまうじゃないか?

そんな思いがよぎってしまいました。

しかし、その場の流れや雰囲気ではそのような事は言えないんです。

善意で全て行っているので。

もしボランティアに行かれる際は、行き過ぎた善意は帰って悪意になってしまうことがあるということだけは覚えておいてほしいです。

千曲川氾濫域にあるりんご畑の被害は甚大だ

前述したとおり、家屋だけでなくりんご畑の被害も甚大です。

リンゴの木に関しては倒れていたり、倒れていなくてもゴミが絡みついている状態になっていました。

本来ならこの時期はこのようなきれいな風景が見れたはずなのに。

一旦りんご畑に入ってしまえば、田んぼの中を歩いているようで、10m歩くだけでもとても疲れます。

その中、86歳になる妻のおじいちゃんはゴミを拾っていました。

りんごの実は落ち、木は倒れ、今まで見ていた風景はそこにはありませんでした。

「あ~あ~、なんでまぁこんな事になってしまったんだぁ。」と言いながら、歩くおじいちゃんを見ていたら涙が出てきそうになりました。

70年近く育ててきたリンゴの木の変わり果てた姿を傍観しているおじいちゃんにかける言葉を見つける事ができませんでした。

改めて想う被災地と住んでいる場所での空気感の違い

愛知県に来ると言われている東海大地震もまだ来ていません。

台風に関しても、ここ最近直撃することなく目立った被害は起きていません。

改めて思います。

平和な県だと。

ですが、その平和は恒久的なものではありません。

日本に住んでいれば、なにかしらに出くわします。

それにまだあたっていないだけなんです。

そのことを忘れてはいけないんです。

堤防が決壊した千曲川は岡崎市を通っている矢作川と比べると2~3倍程度の河幅があります。

加えて、矢作川の堤防の倍以上の幅の堤防が設置されていました。

それが決壊したんです。

もし未曾有の大雨が愛知県の三河地区に降ってしまったら…

矢作川の形から見たらもしかすると氾濫をおこすかもしれません。

私も身近な人が被災しなければ、今回の件は他人事だったのかもしれません。

東日本大震災のときは少なくとも他人事でした。

ですが、今回は違います。

もう他人事ではなくなってしまいました。

これは他の人にも言えることだと思います。

ここは大丈夫、災害はない!と言われていても、もはや何が起きるか分からない時代になっています。

自分に出来ることはなにか?を考える

今なぜラグビーが人気になっているのでしょうか?

ルールがわからない人でも見るようになったのでしょうか?

それは目的に向かって、身体を張り、痛くても突き進む姿に、みんな心を打たれるからではないでしょうか?

「ボールは命だと思って持って走れ!」

「仲間を生かすためにタックルに入れ!」

「タックルに入られてもインゴールに向かって一歩でも前に進め!」

といった高校時代の恩師に言われた言葉が脳裏によぎります。

全てのプレーは仲間の支えがあってこそのものであり、目的を遂行するためのものだと言われていたのかもしれません。

それがラグビーなのかもしれません。

5ヶ月まともに働けなかった時、妻の支えがあり、お客様の励ましのお言葉があっだからこそ、気持ちが折れずに再度立ち上がることが出来ました。

今度は私がそちら側になれれば。

私にできることはとても小さいことしかありません。

このように記事に書いて訴えるか、身体を張って復旧作業を手伝うかです。

私が立ち上がれたようにその行いが被災した家族や農家さんたちの少しでも力を与えられたら幸いです。

妻は今も仕事を休み実家の復旧のお手伝いをしています。

私が愛知県に帰る前にこのように言っていました。

『いつか、「ようやくここまで来たんだね」といえる日がくるといいなぁ~』と。

それを聞いて、泣きそうになってしまいました。

その日が来るまではと思い、グッと涙をこらえました。

世間がラグビーの快挙で湧いている反面、台風19号の影響で被災しとても困っている方々がいるという事を改めて認識していただきたい。

これは長野だけでなく、その他の被災地も含めてです。

どんな小さなことでもいいので皆様が協力していただければ、被災されて傷ついた人たちも早期に立ち直る事ができるのではないでしょうか?

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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