四十肩と五十肩に合併しやすい『胸郭出口症候群』を可視化して解説

投稿日:2020年2月25日 更新日:

胸郭出口アイキャッチ

四十肩・五十肩

「肩が挙がらない」で有名な四十肩や五十肩いわゆる肩関節周囲炎。

肩が挙がらなくなる状態はよほど重症化してしまっている状態です。

その状態になると非常に日常生活の動作が困難になってしまい生活の質が下がってしまいます。

それに加えて、現場で働いていると長期間肩が動かせない状態に陥る事によって合併してしまう症状があります。

それが胸郭出口症候群です。

胸郭出口症候群は鎖骨周囲の痛みや違和感を訴えられる場合と腕全体に痛みが生じてしまう場合など、主に首から肩の痛みや腕にかけての脱力間や痺れをメインとした症状となります。

これは長期不動により首や肩周囲の筋肉が神経を圧迫してしまうのが原因とされております。

四十肩や五十肩が悪化しかつ胸郭出口症候群にかかってしまうと非常に厄介なことになってしまいます。

今回の記事では四十肩や五十肩に合併しやすい胸郭出口症候群+腋窩神経の絞扼障害について起きやすい部位について、実際の身体に書いて可視化したものについてご紹介していきます。

※こちらの動画内で柔YAWARAが四十肩・五十肩に合併しやすい胸郭出口症候群の症状について詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。またYouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に配信しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。



四十肩と五十肩に合併しやすい症状をご存知だろうか?

四十肩や五十肩、いわゆる肩関節周囲炎と呼ばれる症状は、何かしらの原因つまり何かしらの動作によって、肩の内部に傷が生じ痛みを誘発してしまう症状です。

肩の内部の傷が長期間続いてしまうことによって、組織の瘢痕形成が強くなり、肩の可動域が悪化してしまいます。簡単に言えば、痛みが長引いてしまうと肩の内部の組織が硬くなり、肩が挙がらなくなってしまうということです。

その為、四十肩や五十肩になってしまったら早期に肩の内部で生じている炎症を軽減させていかなければなりません。

これを理解せずに、痛いからと言って動かせば治るという盲信を抱いていれば、確実に肩の動きは悪化してしまい、日常生活にも問題が生じてしまいます。

実は肩の動き以外にも、「鎖骨の裏側を押したくなる」「腕全体が重だるい」「手が痺れる」などの症状を合併する事があります。

これがタイトルにもある『胸郭出口症候群』の症状の一部です。

腕全体の重さは個人差はあるものの3〜5kgはあります。

肩が使えなくなると常に傷ついて力が入っていない腕がぶら下がっている状態になります。

この状態が長期間継続的に続くと、関節や筋肉にトラブルが生じてしまい首〜腕に存在する神経に負担をかけてしまいます。

非常に簡単に説明しましたが、これが「胸郭出口症候群」が四十肩や五十肩に合併しやすい原因だと考えられます。

※こちらの記事にて四十肩・五十肩の原因部位を可視化して解説していますので是非ご覧ください。

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胸郭出口症候群とは?

前述でさらっと胸郭出口症候群について解説したが、少し詳しくご紹介しておく。

「腕神経叢」と呼ばれる首から腕へいく神経と「鎖骨下動脈」腕へいく血管は前斜角筋と中斜角筋と呼ばれる筋肉の間と鎖骨と肋骨の間、小胸筋と呼ばれる筋肉の下を通ります。

つまり、腕へいく神経や動脈には通り道があり、それが筋肉同士の間や骨同士の間にあるということです。

その通り道が狭くなってしまうと神経は負担がかかってしまいます。

その場所ごとに

  • 斜角筋症候群
  • 小胸筋症候群
  • 肋鎖症候群

と称します。

これらを総称してものが胸郭出口症候群です。

症状としては、

  • 手指・腕の痺れがある。
  • 冷たい感じがある。
  • 脱力感がある。
  • 鎖骨や前胸部に疼くような痛みがある。

などのものを呈します。

理由としては、前述したとおり神経や血管の通り道が狭くなり締め付けられている状態になるからです。

神経が圧迫されれば、痛みや痺れが出ますし、血管が圧迫されれば痺れや冷たい感じが出てしまいます。

この圧迫されている部位がどこなのかを明確に特定しなければ、このような胸郭出口症候群を改善する事が難しくなります。

また文献によれば、

胸郭出口症候群が斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群等の種々のものを含みまた、症状が非常に多様性である事等により、その診断には困難性が伴うとともに充分なる注意を払わなければならないが、その目で見ると結構、症例も多いようである。胸郭出口症候群の診断において、より慎重に診断基準に補充し、われわれなりの診断基準 を考えてみた。

参考文献:胸郭出口症候群診断上の問題点

とあるように多岐の症状があるため医師でも診断することが難しいことが多いようです。

以下に胸郭出口症候群で知っておいた方が良い部位を実際の体にトレースして詳しく解説していきます。

参考:標準整形外科学 第9版 総編集 鳥巣岳彦 p743

※こちらの記事にて胸郭出口症候群の改善方法について詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。

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胸郭出口症候群の原因部位を可視化して解説

胸郭出口症候群は上記で解説した

  • 斜角筋症候群
  • 小胸筋症候群
  • 肋鎖症候群

の総称である。

理学療法士などの専門家になれば、斜角筋や小胸筋などの筋肉をしっかりと触知できるようにならなければならないが、一般の方にはそこまでする必要が無いため、今回は胸郭出口症候群で圧迫を受ける腕神経叢の部位や神経の通り道がどこにあるかだけを知っていただければ幸いです。

もしその神経の通り道のどこかに痛みやしびれ、うずく感じが出ていれば胸郭出口症候群の可能性もあるので覚えておこう。

特に四十肩や五十肩で長期に渡って肩や首周りを十分に動かせれていない方にとっては必見です。

以下に可視化した筋肉や骨をご紹介していきます。

因みに全く可視化していない状態だとこのように見えます。

可視化していない肩

専門家でない限り、何がどこにあるかなんて検討がつかないと思います。

可視化した肩や首

こちらが可視化をした首や肩回りの骨と筋肉になります。

実際の骨や筋肉を身体に描きました。

描いたというよりかは、そこにあるものをなぞって書いたものです。

その為、書いてある下にはその通りの筋肉や骨が存在しております。

可視化した肩

可視化した阿多

腕神経叢の実際の位置

今回の四十肩や五十肩で合併しやすい胸郭出口症候群で一番大事になる『腕神経叢』です。

赤色に塗られているのが腕神経叢となります。

腕神経叢

その前後に前斜角筋や中斜角筋が存在しているのですが、一般の方はそこまで知らなくていいので今回は書きませんでした。

だいたい鎖骨の中央付近に存在しているのがわかると思います。

太いひもの様にころころとしているのが特徴となります。

斜角筋症候群で痛みやしびれ、違和感を出している方はこの部位でトラブルが起きていることが多いです。

また鎖骨や鎖骨の下あたりが痛い場合は肋鎖症候群が疑われます。

ですが、この肋鎖症候群はほとんどの場合、骨の奇形による影響があるので、しっかりとしたレントゲンでの検査が必要になってきます。

またこちらには描いていないのですが、鎖骨の下に小胸筋と呼ばれる筋肉が存在します。

だいたい胸の前にあるのですが、その部分を押して痛みや違和感が生じるようなら、小胸筋症候群が疑われます。

斜角筋症候群や小胸筋症候群は筋肉の異常な緊張状態が長期間続いた場合に神経や血管にトラブルを招いてしまうという症状になります。

クアドリラテラルスペースの位置

腕神経叢が首から出て鎖骨の裏を通る入り口を「胸郭出口」とよびます。

この周囲のトラブルの為胸郭出口症候群と呼ぶのですが、その胸郭出口を通った神経は前述したとおり腕のほうへ向かいます。

実は腕のほうへ向かうときにも筋肉や骨の溝を通っていくのですが、その間でも絞扼され炎症を起こしてしまうケースがあります。

これは胸郭出口症候群ではないのですが、四十肩や五十肩があり、かつ胸郭出口症候群が出ている方の多くに出てしまう症状です。

現場にいると胸郭出口以外の腕の神経や血管の通り道もトラブルが起きているケースが非常に多いと感じます。

一番多いのが「クアドリラテラルスペース(四辺形間隙)」と呼ばれる場所でのトラブルです。

クアドリラテラルスペース

腋窩神経が絞扼してしまっている状態です。

症状としては肩を挙げてしばらくするとじんわり痛くなる、違和感が出てくるといったものです。

ある文献でも似たような症状を呈すると書かれてありました。

「ズーンとするような」、「全体的にジーンと」以上のような表現で屈曲訓練直後、瞬間的な痛みではなく、放散痛がしばらく続くことが共通している。
屈曲の制限因子となりうる大円筋,肩甲下筋付近には、四辺形間隙(quadrilateral space:QLS)が存在し、組織間で腋窩神経を絞扼する可能性がある。

参考文献:疼痛により肩関節可動域訓練の難渋するケースの新アプローチ方法

このクアドリラテラレルスペース(四辺形間隙)は上腕骨・小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭とで出来る間隙のことをさします。

棘下筋

ここには腕神経叢から分化した腋窩神経や後上腕回旋動脈などが通ります。

四十肩や五十肩いわゆる肩関節周囲炎で悪化し長期的に肩の可動域が悪い状態でいると異常な筋肉の緊張により、クアドリラテラレルスペース(四辺形間隙)で腋窩神経や後上腕回旋動脈が圧迫されて症状が出てくるものだと考えられます。
四十肩の痛みに加え、合併して胸郭出口症候群の症状が出ている方は是非一度当店にて施術を!

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※四十肩や五十肩に胸郭出口症候群の症状が合併している方は治そうとしてストレッチをやり過ぎて症状を悪化させてしまっている方がいらっしゃいます。なぜ四十肩や五十肩の時にストレッチを行ってはいけないのか?その理由についてこちらの記事にて解説していおります。

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まとめ

今回は四十肩や五十肩いわゆる肩関節周囲炎に合併しやすい「胸郭出口症候群」と「腋窩神経の絞扼障害」の原因部位を可視化して解説しました。

POINT

  • 四十肩や五十肩いわゆる肩関節周囲炎が悪化し、長期的に肩が動かなくなると二次的に神経や血管が筋肉などによって圧迫される胸郭出口症候群が起きてしまう。
  • 胸郭出口症候群は①斜角筋症候群②肋鎖症候群③小胸筋症候群の総称である。
  • 胸郭出口症候群以外にも合併症としてクアドリラテラルスペース(四辺形間隙)での腋窩神経の絞扼障害も起きやすい。

現場で働いていると文献や参考資料に書かれていないような症状に出くわすことが多いです。

そのほとんどが、知られている症状や病気が合併して、本質がわからなくなってしまっている場合があります。

今回の記事にて身体のどの部位に神経があり、筋肉が存在するのかを四十肩や五十肩で困っている一般の方にも理解していただければ幸いです。

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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