二分膝蓋骨アイキャッチ

膝の痛み

大谷選手が膝の手術!?二分膝蓋骨とはどのような症状なのか?

この記事はこのような方にオススメ

  • 二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)について知りたい方。
  • 二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)の治し方を知りたい方。

毎日の習慣で朝にラジオを聞いているのですが、そこで野球の大谷選手が膝の手術を行うことが決定されたという情報が流れてきてとてもびっくりしました。

昨年のオフに右肘をトミー・ジョン手術を受けたばかりなのに、今度は膝を手術するのか。

大谷選手は日本人離れしたその体躯から放つ豪速球や強烈なバッティングにより日本人なら誰もが知っている、もはや人間国宝と言っても過言ではない存在となっております。

バッティングも好調で、投球練習も徐々に調子を上げてきた事から二刀流の復活が期待されていましたが、ここに来ての手術です。

ここで気になるのが、大谷選手が患っている『二分膝蓋骨』とはなんなのか?という事です。

『二分膝蓋骨』は怪我なのか?病気なのか?はたまた先天的な何かなのか?

多くの方が疑問に思っているはずなので、今回は大谷選手がかかった『二分膝蓋骨』について解説していこうと思います。

二分膝蓋骨とはどのような病気なのか?

現状の大谷選手について、日刊スポーツはこのように報じている。

エンゼルスは12日(日本時間13日)、大谷翔平投手(25)が13日(同14日)に左膝の二分膝蓋(しつがい)骨の手術をロサンゼルス市内の病院で行うことを発表した。全治は8~12週間の予定で、今季中の復帰は絶望となった。

引用:大谷翔平が今季絶望 左膝手術で全治8〜12週間

ここで気になるのが『二分膝蓋骨』である。

分裂膝蓋骨と報じているところもあるが、ここは意味合い的にほぼ同じであるため、『二分膝蓋骨』と統一して解説していく。

二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)の病態

二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)はお皿が2つ以上に割れてしまっている状態の事を指します。

そのほとんどが、先天的つまり生まれつきによるもので、痛みも伴わない場合が多いです。

大谷選手に関しても、先天的に二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)があったものの、痛みを伴っていなかっただけだったのかもしれない。

日刊スポーツでも、

エプラーGMが電話会見に応じ「先天的なもので、シーズン中に症状が出てきた。マウンドでの投球プログラムを進めていくうちに、気になるようになってきていた。

と報じている。

引用:大谷翔平が今季絶望 左膝手術で全治8〜12週間

また、

昨オフに右肘のトミー・ジョン手術を受けた大谷。今季は打者専念でシーズンを送るとともに、投手としてのリハビリを進めてきた。既にブルペンでの投球練習を再開し、徐々に出力も上げてきた。同GMは「復帰に向けての(調整の)強度を上げるにつれて、ショウヘイが少し気になり始めていたからだ」と明かす。
 さらに「復帰への調整をする段階で、83マイル、85マイル、86マイルの投球をしてきたわけだが、それに続けてそれ以上(速い球を投げるため)の強度を上げることで、症状が更に気になってきたからだ」と語り、二刀流の復活、そして来季を見据えた上で、シーズン終了を待たずに手術に踏み切ることになったと語った。

引用:大谷翔平、手術の左膝は「先天性の問題」 エプラーGMが会見

二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)の痛みの原因とは?

強度の高いスポーツなどによって、膝の曲げ伸ばしの動作を繰り返す事で、もともと分裂している部分に負荷が加わり、炎症を引き起こす事が多いとされている。

特にジャンプやダッシュなどの動作で大腿四頭筋と呼ばれる膝を伸ばす筋肉を使いすぎることによって、膝蓋骨に負荷がかかってしまう。

膝蓋骨の部分に負荷がかかる

野球では右投手の場合、左足を軸にして投げなければならない。

その為、左の大腿四頭筋が酷使され膝蓋骨のトラブルを生じやすい。

また二分膝蓋骨の多くは上外側や外側がほとんどである事から、大腿四頭筋のうち外側広筋の関与が強く、腸脛靭帯や大腿筋膜張筋と呼ばれる外側の組織の硬さが痛みを引き起こしてしまう原因と考えられている。

二分膝蓋骨の病態

外側広筋・腸脛靭帯・大腿筋膜張筋が硬くなる

参考:二分膝蓋骨bipartite patella

参考:整形外科の病気:有痛性分裂膝蓋骨

つまり、大谷選手に関しては速球を投げるにあたって、軸足となる左膝に負荷がかかっていたのかもしれない。

今までは無症状ではあったものの、負荷の増大によって二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)が有痛性のものになったと予想される。

そもそも膝蓋骨はどのような働きをもっているのか?

膝蓋骨と呼ばれるものは膝の前面にあり、よく膝のお皿と呼ばれているものである。

見ていただければ分かる通り膝にはたくさんの筋肉や靭帯、券が付着している。

膝の筋肉

特に膝蓋骨の役割としては、膝を効率よく伸ばしたり、曲げる時の安定性を確保する為に存在している。

それに加え、膝伸ばす為に必要な大腿四頭筋の働きを高めるという役割がある。

この膝蓋骨が二分されているという事は、膝の機能も最高に発揮できる状態ではないと考えられる。

また、大腿骨と膝蓋骨がつくる膝蓋大腿関節への負担に関しては、約7倍もの負担がかかるそうだ。

参考:膝関節の機能解剖③~膝蓋骨~

つまり、投球終了時少なくともランジ状態から片足立ちになるわけであるから、膝蓋大腿関節には多大な負担がかかり、もともとあった二分膝蓋骨に負荷がかかったのかもしれない。

※膝蓋骨の動きのトラブルが原因で膝がパキパキなってしまう場合がございます。そのような方はこちらの記事をご覧ください。

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二分膝蓋骨の手術方法・リハビリ方法とは?

二分膝蓋骨の手術方法としては、

  • 骨片摘出
  • 内固定術
  • 骨接合術
  • 外側広筋切離術
  • 外側支帯切離術

などがあるそうだ。

二分膝蓋骨(分裂膝蓋骨)の重症度によって行われる手術は変わってきます。

その為、大谷選手はどの術式をされるのかは分からない。(大谷選手の重症度が分からない為)

参考:有痛性分裂膝蓋骨の手術経験 -緒方法を行った 1 例-

文献にある緒方法に関しては術後3ヶ月程度で骨の癒合が見られ、スポーツ復帰もされている例もあるようだ。

リハビリに関しては、基本手術の術式によって大きく変わってきます。

基本は上記の原因部位でも解説したように、

  • 術創部の回復状況に応じて外側広筋や腸脛靭帯、大腿筋膜張筋のタイトネス(硬さ)を改善していく。
  • 骨癒合に応じて、荷重に関する管理を行なっていく。(術式によって変わります。)
  • 骨癒合に応じて、負荷の高いエクササイズも行なっていく。

というような形をとっていくと考えられます。

詳しくは状態や環境によって変わってしまうので、割愛いたします。

※膝蓋骨のトラブルによって膝がパキパキ音が鳴ってしまう方はこちらの改善方法の記事をぜひご覧ください。

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気になる大谷選手の今後は!?

さて、気になる大谷選手の動向なんですが、

日刊スポーツでは、

手術後により詳しい情報が分かるが、2~3週間で(リハビリを)再開し、強度を上げていって、だいたいではあるが、10週間をめどにブルペンに戻れるように考えている。

参考:大谷翔平が今季絶望 左膝手術で全治8〜12週間

と記載されている。

やはり手術の方法によって今後が左右されるようです。

ですが、2〜3ヶ月程度でブルペンに復帰できるようで何よりです。

2019/09/14現在

日刊スポーツより

エンゼルス大谷翔平投手(25)が13日(日本時間14日)、ロサンゼルス市内の病院で左膝の二分膝蓋(しつがい)骨の手術を受け、無事終了した。

オースマス監督が手術について「手術は成功した」と明かした。

とされている。

引用:大谷の手術終了「ローラーコースターのよう」と監督

無事に手術が終えて何よりです。

その後のリハビリも頑張っていただきたいです!

※2020年8月2日(日本時間3日)のアストロズ戦にて右屈曲回内筋群の損傷をされました。この右肘の痛みに関してはおそらくこの記事に書いた二分膝蓋骨の手術の影響が強いと私は考えております。詳しくはこちらの記事にて解説しておりますので合わせてご覧下さい。

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おわりに

日本の宝大谷選手が再度手術をされるという事でやはり心配ですね。

先天的な問題を解決する為に、手術を受けるのは今後野球を続けていく上でやはり重要です。

メジャーに行く前に足を、メジャーに行ってからこれで2回目の手術を。

手術は人の構造を弄るものなので、果たして元のパフォーマンスに戻るのか?

今を超えるパフォーマンスになるのか?

それは今後の大谷選手の努力次第かもしれません。

素晴らしい選手はやはり何かしらトラブルを抱えるものなのかもしれませんね。

今後の活躍のために、しっかり治っていただくよう願っています。

追記:2019/09/14

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