この記事で分かること
- 足の親指が反れないと変形性膝関節症による膝の痛みが悪化する理由
- 足の親指が原因による膝の痛みの改善方法
こんにちは!理学療法士の長尾です。今日は足の親指が反れないと変形性膝関節症による膝の痛みが悪化する理由について詳しく勉強していきましょう!
変形性膝関節症と診断された方の足に着目すると多くの方に共通点がございます。
それが
- 親指が反れない
- 外反母趾
- 扁平足
などです。
足のトラブルと膝の痛みは関係ないのでは?と思われる方が多いかもしれません。
ですが、足のトラブルと膝の痛みは非常に密接に関わってくるんです。
今回は足のトラブルがどのように膝に悪影響を及ぼしてしまうのか?詳しく解説していきますので是非最後までご覧下さい。
こちらの記事はこの参考文献を基に作成しております
【関連動画】【変形性膝関節症➆】親指が反れないと膝の痛みが悪化します
記事の内容はこちらの動画でも解説しておりますのでぜひご覧ください。
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親指が反れないと膝が痛くなる理由
変形性膝関節症の方で、足の親指がそれないと歩く時にO脚になりやすく、膝の痛みが出やすくなります。
この章が非常に大切なので、まず最初に親指が反れないとなぜ膝の痛みが出てしまうのか?その理由について詳しく解説していきます。
この章では
- 足と膝の関係性
- 足の親指が反らないとどうなってしまうのか?
この2つのパートに分けて説明していきます。
1.足と膝の関係性
まず足と膝の関係性について解説します。
足の親指と膝というのは別の場所なのであまり関係ないのでは?と思われる方が非常に多いです。
ですが、冒頭でもお伝えしたように足と膝というのは非常に密接に関係しております。
例えば、地面に足をついた状態で膝だけを曲げて下さい。とお伝えしたら、皆様はどのような動作を行うでしょうか?
多くの方がこのようなスクワットの姿勢をとったのではないでしょうか?
ですが、これは間違いです。
質問は足が地面についた状態で膝だけを曲げて下さいという内容です。
つまり、膝だけをまげるとこのような姿勢になります。
これは絶対にできない体勢ですよね?
何が言いたいか?といいますと、歩いたり、しゃがんだり、足が地面についている状態では絶対に膝だけが動くというのはあり得ないという事をお伝えしたいんです。
つまり、膝は股関節と足の中間地点にあるので、股関節と足の影響を受けるんです。
股関節と足から悪い影響を強く受けたら、膝には痛みが出てしまいます。
反対に股関節と足からの影響を受けなければ、膝のトラブルは起きづらくなるんです。
このことから、足と膝というのは非常に密接に関係しております。
2.足の親指が反らないとどうなってしまうのか?
次に足の親指が反らないとどうなってしまうのか?について解説していきます。
その前に足の親指はどんな時に反るのでしょうか?
歩く動作を分解すると大きく3つの時期に分けることができます。
- 踵がつく時期
- 片足立ちになる時期
- けり出す時期
この3つの時期です。
特にけり出す時に足の親指の反りが必要になってきます。
では、足の親指が十分に反らないとどうなってしまうのでしょうか?
実はけり出す時に膝をO脚方向に誘導して、膝の内側に負担をかけてしまうんです。
理由を説明すると、けり出す時期に足の親指が反らないと小指側荷重つまり外側荷重になってしまうんです。
実際にやってみると分かりやすいです。
立った状態で小指側に体重をかけてみましょう。
するとだんだんとO脚方向に膝が動いていくと思います。
膝がO脚方向に動けば膝の内側に負担がかかりやすくなってしまうんです。
つまり、足の親指が反らないと、歩く時のけり出しの時期に上手くけり出せなくなります。
それだけでなく、外側荷重になってしまい、膝がO脚方向に動いてしまうんです。
そして、膝の内側への圧迫力が増すので膝の内側の痛みが出てしまいます。
特に変形性膝関節症になっている方は、そもそも膝がまっすぐ伸びづらくなっております。
膝がしっかりと伸びていない状態では、けり出すことでより外側荷重が強くなってしまうんです。
つまり、より膝の内側に負担がかかってしまいます。
そのため、変形性膝関節症の方で足の親指が反れないと、歩く時に膝の痛みが出やすくなるのです。
変形性膝関節症で親指反れない時の改善方法
足の親指が反れない事が原因で、変形性膝関節症になっている方は「長母指屈筋」を柔らかくして、「土踏まずを支える筋肉」を鍛えていきましょう。
親指反れない時の改善方法➀長母指屈筋の柔軟
まず歩く時に足の親指が反れない方の原因としては、長母指屈筋と呼ばれる筋肉が硬くなっているからです。
長母指屈筋は親指から内くるぶしの内側を通る筋肉となります。
そのため、足の親指が原因で膝に痛みが出ている方は、長母指屈筋をしっかりと柔らかくして、親指が反れるようにしていかなければいけません。
方法としては、まず足を組んで下さい。
もしくは、軽くあぐらをかいた姿勢になりましょう。
その状態で内くるぶしの少し上の方を軽く押さえます。
そして、足首を上にあげた状態で、親指のつけ根から反らしていきましょう。
ここで2つのPOINTがございます。
POINT①:1つ目が親指を反らす時は親指を全体的に持って、ストレッチ感が出ない範囲でつけ根から反らしていきましょう。
親指の先端を持って反らしてしまわれる方がいますが、このように反らしてしまうと、親指の関節に負担がかかってしまい悪化を招く恐れがございます。
そのため、親指を全体的にもって、つけ根から反らしていきましょう。
反らす強さはストレッチ感が出ないところまでにしてください。
POINT➁:2つ目は内くるぶしの上を押さえる時は軽めの力で押さえてください。
内くるぶしの後ろには神経や血管が通っております。
そのため、強く押さえすぎてしまうと神経や血管を傷つけてしまい痛みを出してしまう場合があります。
そのため、内くるぶしの上を押さえる時はマシュマロを潰すような軽めの力で押さえていきましょう。
この2つのPOINTを踏まえて20秒間行っていきましょう。
このように行う事で長母指屈筋が柔らかくなり、変形性膝関節症による膝の痛みが軽減しやすくなります。
親指反れない時の改善方法➁
土踏まずの筋肉の強化
歩く時に足の親指が反れない方の原因としては、土踏まずを支える筋肉が弱くなっているからです。
通常けり出す時は、足の土踏まずが高くなって、親指側に体重が乗ってきます。
しかし、けり出す時に土踏まずがこのように潰れてしまうと、けり出す時に足の指をにぎり込んでしまいます。
足の指を握りこんでしまうと、先ほど解説した長母指屈筋が硬くなってしまうんです。
そのため、長母指屈筋が硬くならないように、土踏まずを支える筋肉を鍛えていかなければいけません。
方法としては、イスに座った状態でつま先を伸ばしてください。
そして、つま先を外側に動かしていきましょう。
このように行うと、土踏まずを支える腓骨筋と呼ばれる筋肉を鍛える事ができます。
さらにはつま先を外へ動かすということは、足がついている時で考えると、けり出す時の親指荷重を促すことにつながるんです。
このトレーニングにも2つのPOINTがございます。
POINT①:しっかりとつま先を伸ばした状態で行っていただくことです。
土踏まずを支える筋肉が弱い方はつま先を伸ばした状態で外側へ動かすことができません。
だんだんとつま先が上に上がってきてしまうので、しっかりとつま先を伸ばした状態で外側へ動かしていきましょう。
POINT➁:足の指の力を抜いて行ってください。
土踏まずを支える筋肉が弱い方は指を握ったり、指を反らしたりして、足の指の力を使って動かそうとします。
ですが、この動かし方では土踏まずを支える筋肉を鍛える事ができません。
しっかりと足の指の力を抜いた状態でつま先を外側へ動かしていきましょう。
この2つのPOINTを踏まえて20秒間行っていきましょう。
このように行っていくと土踏まずを支える筋肉が強くなり、けり出す時の親指の反りが改善していきます。
そして、変形性膝関節症による膝の痛みの改善につながるので是非お試しください。
※また親指がそらないことによる膝の痛みに関係して多いのが靴の問題です。多くの方が靴選びを失敗されて、膝を痛めている場合が多いです。靴選びについてはこちらの記事にて詳しく解説しましたので是非ご覧下さい。
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まとめ
今回は足の親指が反れないと変形性膝関節症による膝の痛みが悪化してしまう理由を詳しく解説しました。
POINT
- 足の親指が反れないうまくけり出せず、外側荷重になってしまう
- 外側荷重になると膝がO脚方向に動き、膝の内側に負担がかかってしまう
特に変形性膝関節症になっている方は膝がしっかりと伸びなくなっております。
そのため、より外側荷重になって、膝の内側に負担がかかってしまうのです。
その状態を改善させるためにも、足の親指の反りに関わってくる長母指屈筋を柔らかくしていきましょう。
さらに、土踏まずを支える筋肉を鍛えて、親指荷重が行えるようにすることが大切です。
そうすれば、変形性膝関節症による膝の痛みの改善につながってくるので覚えておきましょう。
この記事で皆様の膝の痛みが改善されれば幸いです!お大事になさってください。
※間違っても、こちらの記事で紹介している悪魔の靴を履いていませんよね?膝を痛めてしまう方の多くが、膝に悪い「悪魔の靴」を履いているケースが多いので、気になる方はぜひこちらの記事をご覧ください。
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