肩甲骨を回すとゴリゴリ鳴って心配!その原因と弊害を教えます!

投稿日:2017年12月14日 更新日:

背中の痛み

長年現場でリハビリなどの仕事に携わっていると背中や肩甲骨周囲にトラブルを出してしまうお客様と遭遇する。

その中で多いのが『肩甲骨がゴリゴリ鳴ってしまう』という訴えだ。

特に肩を回す時や肩甲骨を動かした時に、背中や肩甲骨の内側からゴリゴリした音が鳴ってしまうようだ。

これは年間を通して多い症状であり、その多くが肩の痛みが伴っていない事が多い。

ごく稀にゴリゴリ音が鳴るとともに痛みが生じてしまう方もいる。

現場での経験上、デスクワーカーや立ち居仕事で身体が固まっている人に多く見受けられる。

なぜこのように肩甲骨を動かした時、背中や肩甲骨の内側から『ゴリゴリ』とした音が鳴ってしまうのだろうか?

その原因や正体とはなんなのか?

今回は肩甲骨を回した時のゴリゴリ音、別名弾発肩甲骨と呼ばれる症状の原因について解剖学的な観点から解説し、その症状が出てしまったときに注意しなければならないことをお伝えする。

※5分ほどお時間を頂ければ、動画の中で柔YAWARAが肩甲骨を回す時にゴリゴリ鳴る原因について詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、チャンネル登録もよろしくお願いします。

肩甲骨がゴリゴリ鳴る場所について

肩を回した時や肩甲骨を回した時にゴリゴリ鳴ってしまわれる方の多くは、写真のように肩甲骨の内側に存在している肋骨と肩甲骨がぶつかる事でこすれてしまい『ゴリゴリ』とした音が鳴ってしまうようだ。

肩甲骨の音

この解剖学的な構造によって、背中や肩甲骨の内側からゴリゴリとした音が鳴っているように感じるのである。

肩甲骨を動かすとゴリゴリ音がなってしまう原因とは?

なぜ肩甲骨からゴリゴリとした音が鳴ってしまうのだろうか?

そもそも肩甲骨と胸郭いわゆる身体部分とは関節をなしていない。

肩甲骨
上記の写真は肩甲骨です。

肩甲胸郭関節
上記の写真は肩甲胸郭関節です。

正確に言うと胸郭の上に肩甲骨が浮いている状態である。

肩甲骨は鎖骨としか関節をなしていないのだ。

肩鎖関節
上記の写真は肩鎖関節です。

これは医療を学ばれている方なら当たり前に知っている事である。

一般の人には馴染みがないと思うので『肩甲骨は肋骨の上に浮いている』『肩甲骨は鎖骨とだけつながっている』という事だけ覚えていただきたい。

ではなぜ肋骨の上に浮いている肩甲骨からゴリゴリと音が出てしまうのだろうか?

実は肩甲骨のゴリゴリ鳴る4大原因は

  1. 肩甲骨周囲の筋肉や関節・滑液包の影響によるもの
  2. 肩甲骨の変形の影響によるもの
  3. 肩甲骨と胸郭(肋骨)の適合性の異常によるもの
  4. 仕事や日常生活の環境によるもの

がある。

これらのゴリゴリの原因について一般の方にも分かりやすく理解できるように以下に詳しく解説していく。

肩甲骨周囲の筋肉や関節・滑液包による影響によるもの

前述したように肩甲骨は胸郭つまり肋骨とは関節をなしていない。

つまり、肋骨の上に浮いている状態である。

肩甲骨は周囲に存在している筋肉によって上手にバランスを保っている状態である。

そして、肋骨上を肩甲骨がスムーズに動く為に滑液包と呼ばれるものが存在する。

下図をご参照していただきたい。

滑液包

参考文献;肩診療マニュアルp8 図16 著者 橋本淳 発行所 医歯薬出版株式会社

上記の図より肩甲骨と肋骨の間に動きをスムーズにする為の滑液包がある事が分かる。

しかし、胸郭つまり背骨の動きや肋骨の動き及び鎖骨の動きが悪くなってしまうと肩を動かす際に肩甲骨と肋骨がぶつかりやすくなってしまうのだ。

・背中の背骨(胸椎)が動かなくなると肩甲骨と肋骨が衝突しやすくなる。

胸椎

肋骨の関節が動かなくなると肩甲骨と肋骨が衝突しやすくなる。

肋骨の関節

鎖骨が動かなくなると肩甲骨と肋骨が衝突しやすくなる。

鎖骨

そのような状態が長く続いてしまう事によって肩甲骨と肋骨の間にある滑液包に多大な負担がかかってしまい滑液包が変性(変形してしまう事)してしまうのだ。

つまり、『肩甲骨をスムーズに動かす』という機能が損なわれてしまい、肩を動かす度に肩甲骨から『ゴリゴリ』とした音が鳴ってしまうことになる。

さらには肩甲骨周囲の筋肉のバランスが崩れてしまい、よりゴリゴリ音が鳴り、痛みまでも生じるようになるケースがある。

肩甲骨の変形による影響

上記で解説した肩甲骨のゴリゴリ音の原因は滑液包や筋肉、関節による軟部組織の問題である。

それ以外にも「肩甲骨の変形」による影響などがある。

本来肩甲骨はこのような形になっている。

横から見ると弯曲しているのが分かる。

肩甲骨

これは胸郭の弯曲に適合する為である。

胸郭

肩甲胸郭関節

しかし、前述したように肩甲骨はたくさんの筋肉によって胸郭上に浮いている状態である。

もし仮に骨粗鬆症などで骨が弱い状態で、肩をたくさん動かす仕事をしていれば、筋肉がたくさんついている肩甲骨は筋肉に引っ張られ、変形を起こしてしまう。

この変形により、肩甲骨が胸郭に引っかかったりすることがある。

その事によって肩を動かした時に肩甲骨周囲からゴリゴリと音が鳴ってしまうのだ。

つまり、肩甲骨の変形も肩甲骨のゴリゴリの原因の1つとなる。

参考:Cineradiographyにより病態を診断しえた弾発肩甲骨の1例

肩甲骨と胸郭(肋骨)の適合性の異常による影響

肩甲骨の変形の項目でお伝えしたように骨は加齢に伴い変形をきたす事が多い。

それは胸郭(肋骨や背骨)でも同じ事が言える。

肩甲胸郭関節

例えば以下のような事で胸郭(肋骨)の変型が生じてしまう。

  • 骨折
  • 骨粗鬆症
  • 腫瘍による骨の病変

特に多いのが肋骨の骨折に伴う変形治癒である。

肩甲骨の形は正常であるのに対し、肋骨を骨折し、変形して治癒してしまうと胸郭の形が変わってしまう。

そのようになると肩を動かした際、肩甲骨の変形と同様に、肩甲骨が変形した胸郭に衝突し、肩甲骨周辺からゴリゴリ音が鳴ってしまう。

胸郭の変形も肩甲骨がゴリゴリ鳴ってしまう原因の一つとなってしまうのだ。

肩甲骨や胸郭(肋骨)の変形に伴って、ゴリゴリ鳴ってしまう場合、痛みが出ていなければ問題はないのだが、痛みが生じてしまっている場合は手術によって変形部位を削るという方法がとられる事があるそうだ。

参考:肋骨骨折変形治癒後に生じた弾発肩甲骨の1例

肩甲骨がゴリゴリ鳴ってしまう原因は生活環境にもあった

実は胸郭(肋骨や背骨)には身体をひねる役割がある。

胸椎は身体を捻る役割

その他にも肋骨は呼吸に伴って動いている。(胸に手を当てて呼吸をするとよく分かる。)

肋骨の動き

さらに鎖骨は肩甲骨の動きと連動している。(鎖骨を触って肩甲骨を回すと一緒に動いているのがよく分かる。)

鎖骨をさわって肩を回す

このようにいろんな関節が動くことで肩甲骨が動いている。

しかし、現代人の生活習慣に着目してみると正面を見て固まっている事が多い。

そしてタイトな服を着ることが多くなった。

そのせいで本来動くはずの関節が動かなくなり、呼吸が浅くなったり、肩甲骨が動きづらくなったりしている。

つまり、現代人の生活スタイルにより、本来動くはずのものが動かず肩甲骨が肋骨とをぶつかりやすくなり、結果肩甲骨が『ゴリゴリ』鳴ってしまう症状を引き起こしている。

POINT
肩甲骨のゴリゴリ音=背中の背骨と肋骨、鎖骨の動きが悪くなっている。=現代時の生活スタイルの副産物

その他の影響

肩甲骨を動かした時のゴリゴリした音の原因は上記以外にも

  • 骨の腫瘍
  • 胸郭出口症候群の手術による影響
  • 結核による影響
  • 筋肉の癒着による影響

など様々な原因がある。

肩甲骨のゴリゴリ音を解消するためにはこれらの様々な原因をしっかりと特定した上で、アプローチをしていかなければならない。

参考:弾発肩甲骨の3例

気になる肩甲骨のゴリゴリ音は怖いものなのか?

ただ肩甲骨がゴリゴリ音が鳴っているだけならまだセーフだ。

前述したように肩甲骨のゴリゴリに伴って痛みを出す人は少ないのである。(現場の意見として)

怖いのはそれ以外の症状だ。

肩甲骨のゴリゴリ音に伴う弊害が以下の2つである。

  • 背中や肩骨の内側の痛み
  • ひどい肩こり

これらについて以下に簡単に解説する。

弊害1:背中や肩甲骨の内側の痛み

デスクワーカーや立ち居仕事に多い症状である。

運動が不足していると呼吸が浅くなり肋骨の動きが不足して、肋骨の動きが悪くなってしまうのが原因で背中や肩甲骨の内側に痛みが発生してしまう。

弊害2:ひどい肩こり

肩こりは皆様も経験したことがあるのではないでしょうか?

正面ばかり見ている現代人の病気とも言えるものだ。

この肩こりは様々な原因から生じるのだが、肩甲骨がゴリゴリ鳴っている人にかなりの割合で併発している。

原因としてはやはり運動不足により呼吸が浅くなってしまう事で肋骨の動きが不足し肩甲骨周りの筋肉までもが硬くなってしまうからだ。

POINT

肩甲骨のゴリゴリ音が出ている人は、身体が硬くいる。または運動量が不足しているという身体からの警告サインだ!

※肩のゴリゴリ音を解消したい人はこちらの記事が大変お役に立ちます!肩甲骨のゴリゴリ解消メソッドを大公開しておりますのでぜひご覧ください!

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※当店が提供しているケアでは前述した滑液包や筋肉などの軟部組織のトラブルによる肩甲骨のゴリゴリなら対処は可能となります。しかし、骨の変形や腫瘍による肩甲骨のゴリゴリはしっかりとした医療機関でなければ対処ができません。まずは自分の肩甲骨のゴリゴリ音は何が原因で生じているのかを調べることから始めてみることも大切ですので覚えておきましょう。

肩甲骨がゴリゴリ鳴ってしまう原因のまとめ

今回は肩を動かした時に肩甲骨周囲がゴリゴリ鳴ってしまうその原因について解説した。

POINT

  • 肩甲骨がゴリゴリ鳴る原因としては背骨や肋骨、鎖骨の動きが悪くなる事によって肩甲骨と肋骨がぶつかってしまうからだ。
  • 肩甲骨がゴリゴリ鳴る原因は筋肉や滑液包などの軟部組織や肩甲骨・胸郭の変形によるものがある。
  • 肩甲骨や胸郭の変形による肩甲骨周囲のゴリゴリは手術が適用となる場合がある。
  • 筋肉や滑液包によるトラブルによる肩甲骨のゴリゴリ音は背骨や肋骨、鎖骨の関節などを柔らかくするなどのケアによって解消できるケースがある。
  • その他、腫瘍や胸郭出口症候群の手術後による影響など肩甲骨がゴリゴリ鳴ってしまう原因は多数あるので何が原因であるかをしっかり調べてからケアをしよう!

肩甲骨がゴリゴリ鳴ってしまう方の多くは筋肉や滑液包による軟部組織のトラブルによる事が多い。

特に20〜40代の殆どはこれが原因である。

イレギュラーとして交通事故や腫瘍、骨折による骨の変形によるものもある。

まずは何が原因で肩甲骨のゴリゴリ鳴ってしまうのかを突き止めていこう!

そしてその問題点に合ったケアの方法で肩甲骨のゴリゴリを解消していく事が大切だ。

間違っても肩甲骨のゴリゴリ音を放置してしまわないようにして欲しい。

なぜなら、ひどい肩こりや背中の痛みなどの症状も起こりやすくなってしまうからだ。

現代人の多くはスマホやパソコンの発達で前を向くことが多くなっている。

知らぬ間に身体を捻ったり、走る事がなくなっている。

それに伴い1日の呼吸数も減少している。

しかし、身体を色々と動かすことによって、このような肩甲骨のゴリゴリ音も解消していくケースもある。

身体の健康のために、まずは固まった身体をしっかりを動かす時間を確保していくことを心がけよう。

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

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