この記事を読むと分かること
- 四十肩・五十肩がなおる期間について
- 四十肩・五十肩になってしまった方がおちいる罠について
こんにちは!理学療法士の長尾です。今回の記事では、四十肩・五十肩になってしまった人がよくおちいる罠について解説していきます!
自称「四十肩・五十肩」になった人の話を聞くとこのように教えてくれることはないでしょうか?
『四十肩・五十肩?あんなのほっとけば治るから大丈夫だよ!!』と。
この言葉は、半分正解となりますが、半分間違いとなります。
自称「四十肩・五十肩」の人の場合、いずれかのパターンが考えられます。
- 本当の四十肩・五十肩
- 肩のどこかしらの炎症による痛み
本当の四十肩・五十肩の場合は、ほっといても実際治ります。
た・だ・し
治る期間は1年と思った方がよいです。
ただの肩のどこかしらの炎症による痛みのパターンに関しても、ほっといても治ります。
どこかしらの炎症による痛みのパターンの場合は、かなり早い段階で、回復しすることが多いです。
自称「四十肩・五十肩」になった人の話のほとんどが、肩のどこかしらの炎症による痛みのことを言っています。
そのため、「ほっとけば治るよ」と聞いても鵜呑みにはしない方が賢明です。
「ほっとけば治るよ」と言っても、1年コースなのか?数か月コースなのか?は肩の状態に変わってくるからです。
また最悪のケースが、四十肩・五十肩に加えて、ひどい「腱板断裂」が加わっているパターン。
この場合は、いろいろと難渋し、時間がかかることが多いです。
もしくは、最悪のケースでは、肩の痛みが治らないという場合があります。
そのため、肩の痛み=四十肩・五十肩と判断して、甘く見ない方が賢明なのです。
そこで今回の記事では、四十肩・五十肩はどのような病気で、どのくらいの期間で治るのか?そして、四十肩・五十肩の人がおちいりやすい罠はなんなのか?について解説していきますのでぜひ最後までお付き合いください。
四十肩・五十肩は簡単に説明すると「関節」の病気だ!
四十肩・五十肩と聞くと多くの人が大したことのない病気だと勘違いされることが多い。
また、ただの肩のどこかの炎症のことを、四十肩・五十肩と思っている方もいるようです。
四十肩・五十肩は「肩関節周囲炎」と呼ばれる病名がつきます。
そして、四十肩・五十肩の特徴は、「関節」が炎症をおこして、硬くなってしまう病気というところです。
人の身体を大まかに表面からわけると
- 皮膚
- 脂肪
- 筋肉
- 関節
- 骨
と言った順に、ミルフィーユのような構造になっています。
四十肩・五十肩は、第4層の関節のトラブルと認識しないといけません。
多くの方が第3層の筋肉のトラブルと勘違いすることが多いです。
この認識を間違えてしまうと、
「あれ?ほっとけば治ると聞いたのにちっとも治らない・・・どうしよう・・・」
といった大きな不安を抱えることになります。
では、四十肩・五十肩は、どのくらいの期間で治るのでしょうか?
次の章で解説していきます。
四十肩・五十肩が治るまでの期間はおおよそ1年と頭に入れておこう!
さっそく結論からお伝えすると、四十肩・五十肩が治るまでの期間は、約1年だと思っておこう。
これは、変えることのない事実であり、どれだけ頑張ってリハビリしてもこの治癒期間が短くなることはほとんどない。
文献によれば
定型的な肩関節周囲炎の臨床経過は3期に分類される。
疹痛と可動域制限が発生する痙縮期(発 症後0-2か 月)
結合組織の創傷治癒より見た肩関節周囲炎の病態と治療
疹痛と可動域制限が進行する凍結期(発 症後2-6か 月)
疹痛と可動域制限が緩解する緩解期(6か月-1年)であ る
つまり、四十肩・五十肩の治る過程を分かりやすくまとめると
- 最初の2か月(痙縮期):痛みが強く起きる・肩の動きの制限が少し起きる
- 2-6か月(凍結期):より痛みが強くなり、肩の動きの制限も強まる
- 6か月‐1年(緩解期):痛みが改善傾向になり、肩が徐々に動くようになる
つまり、改善までに1年以上はかかってしまうものなのです。
なぜなら、四十肩・五十肩は「関節」のトラブルが主の病気だから。
そのため、筋肉のトラブルと違って非常に時間がかかってしまいます。
加えて、関節の構造によって治る過程で、絶対に肩が動かなくなってしまう期間があるという特徴もあるのです。
動かなくなると、人はより不安を感じてしまいます。
すると、次のような行動をすることが多いです。
- ストレッチをすれば、治るのではないか?
- 痛くても動かさないと、より動かなくなるのではないか?だから、無理に動かそう!
この行動を取っている人は、治りを遅くしてしまい、2年コースになる場合が多いです。
その理由を次の章で解説していきます。
四十肩・五十肩になってしまった人がおちいる罠はストレッチをやりすぎて悪化させてしまうことだ!
四十肩・五十肩になってしまった人が、おちいる罠というのが、ストレッチをやりすぎてしまうことです。
多くの人が、筋肉に対してストレッチを行おうとします。
しかし、前述した通り、四十肩・五十肩は「関節」の病気です。
そのため、筋肉をストレッチしたところで意味がありません。
さらには、筋肉が伸びる前に、ストレッチによって病気になっている肩の「関節」に負担がかかってしまいます。
すると、四十肩・五十肩の症状が悪化してしまうことがざらです。
文献によれば、
肩関節包はゆとりがある結合組織である。しかし、関節包全体に炎症が及ぶと、線維芽細胞および膠原線維の増殖と、疹痛による逃避性関節不動化による関節包の拘縮と脆弱化が生じる。
結合組織の創傷治癒より見た肩関節周囲炎の病態と治療
これを簡単に解説すると、
- 肩の関節は従来ゆとりがある組織でできています。
- 関節に炎症がおきると、動きが硬くなる作用が働きます。加えて、組織自体は外力に弱いものとなります。
肩の関節が弱くなるということは、ストレッチという外力に耐えられない状態であるとも考えられます。
つまり、
「肩が動かないから不安だ・・・だから、ストレッチをしよう!!」
という行為は、弱くなった関節により負担をかけて、四十肩・五十肩を悪化させてしまう結果になるのです。
これは、四十肩・五十肩になった人がよくおちいっている罠となります。
肩が痛いからと言って、伸ばせばよいというわけではないので、注意が必要です。
※初めて四十肩・五十肩になった人のために、リハビリの方法をこちらの記事に詳しくまとめました。四十肩・五十肩の時期別のリハビリ方法を解説しておりますので、肩の痛みから抜け出したい!と考えている方はぜひご覧ください。
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【理学療法士監修】はじめて四十肩・五十肩なった人のためのリハビリパーフェクトガイド! - ZENLOG|肩・膝・腰の痛み解決ブログ
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まとめ
今回は四十肩・五十肩になってしまった人が落ちってしまう罠について詳しく解説しました。
POINT
- 四十肩・五十肩は、ほっておけば治るものだが、1年は覚悟した方がよい
- 四十肩・五十肩は、関節が弱くなり、かつ、動きが悪くなってしまう病気である
- 四十肩・五十肩になってしまったら、絶対にストレッチをしてはいけない
四十肩・五十肩になってしまったら、長期戦を覚悟しなければいけません。
なかなか治らないと不安に思ってしまうと、正しい判断がつかなくなります。
結果、暴力的なストレッチを行ってしまい症状が悪化するひとがほとんどです。
そのため、四十肩・五十肩に関しては、しっかりと現状をうけとめ、愛護的にリハビリを行っていくことが大切となりますので覚えておきましょう。