いつもより長く睡眠をとってしまったら、皆様はどのような気持ちになるだろうか?
『よく眠れた』と爽快な気分になる人もいれば、『時間を損した』という後悔の気分になる人もいるだろう。
私に関しては結婚前は前者であったが、結婚後はもっぱら後者の気持ちになってしまう。
かのアインシュタインは1日に10時間以上睡眠をとっていたそうだ。
その睡眠は3時間だったり、4時間だったり不規則なもので、1日に数回寝るという行動をとっていたそうだ。
睡眠に関しては個人差が非常にあるものである。
人によって長くとらなければいけない人もいれば、数時間で大丈夫な人もいる。
だが、自分に最適な睡眠時間を見つける事は非常に大切なことである。
今回は睡眠が及ぼす身体と心の影響や良質な睡眠とはどのようなものなのか?について色々な文献を調べてまとめたのでご紹介する。
睡眠が身体と心に及ぼす影響
よく色々なメディアで睡眠の事が取り上げられている。
私も睡眠不足になるとすぐに頭が痛くなったり、目の前がクラクラしたりする。
それだけでなく、顔に吹き出物が出てきたり、心臓がバクバク鼓動を早くしたり、妙に気分がハイになってしまう時もある。
誰しもが睡眠不足を経験し、私のような身体の変化や気分の変化を感じたことがあるのではないだろうか?
では、実際に「睡眠」と「身体」「心」の関係についてどのような研究がされているのだろうか?
『睡眠』と『肥満』の関連性
肥満は睡眠とも関係していることが分かっているそうだ。
このような睡眠時間と肥満に関する文献を見つけたのでご紹介する。
この研究は、睡眠時間の短縮が過体重や肥満と関連していることを示唆している。
アメリカでは睡眠不足と肥満が増加していて、大きな問題となっているそうだ。
特に睡眠不足はホルモンの変化を引き起こして、肥満になりやすくなる原因の一つにもなっている。
私も20代前半はほぼほぼ寝不足の状態で病院へ勤務していた。
その時は確かにかなり太っていたのを覚えている。
またイライラもしやすく、すぐに怒っていた記憶もある。
一概に睡眠不足のせいにしてはいけないとは思うが、一つの要因であったことは間違いないはずだ。
『睡眠』と『危険行動』の関係性
長い睡眠や短すぎる睡眠は『行動』にも影響を及ぼすらしい。
確かに寝すぎても、眠らなさすぎても、頭がボーッとして働かないのは間違いない。
皆様もそうではないだろうか?
日本における「睡眠」と「危険行動」に関係する文献を紹介する。
我が国の高校生において、6時間未満の短い睡眠時間および10時間以上の長過ぎる睡眠時間は危険行動に関連していることが示され、睡眠時間も危険行動の一つとして注目していくことの必要性が示唆された。
この文献では特に6時間未満の高校生において、危険行動を取る傾向が強くなっているとのことだ。
驚きなのが10時間以上睡眠を確保している高校生においても喫煙や薬物乱用などのリスクがあがるというものだ。
人間にとって、睡眠は脳と身体を休ませる行為であるのは間違いはない。
しかし、自分に適した睡眠、つまりはスッキリ起きれる時間での睡眠を行わないと逆に脳の働きが悪くなり、適切な判断がしづらくなってしまうのかもしれない。
『睡眠』と『Quality of Life』の関係性
Quality of Lifeとは生活の質という意味である。
確かに自分にとって十分に寝れたと感じたときはとても爽やかな気分で良い一日になることが多い。
逆に寝不足や無駄に寝てしまった時は何か喪失した感じが強く一日グレーな感じで過ごすことが多いと感じる。
皆様に関してはいかがだろうか?
高齢者に関する調査であるが、これは若者にも共通な面があるはずなので、こちらの文献をご紹介する。
睡眠時間良好群142名と、睡眠時間不良群14名を比較すると、「主観的健康感」「生活満足感」「生きがい感」「人間関係に対する満足感」「活動能力」のすべて の項目に有意差は認められなかった(表1)。一方、主観的睡眠感良好群161名と,主観的睡眠感不良群95名を比較すると、「活動能力」には有意差は認められなかったが、それ以外の4項目に関しては主観的睡眠感良好群の方が有意に良好な値を示した(p<0.01)(表2)。
引用:地域在住高齢者の睡眠状況とQuality of Life の関係
ここでいう睡眠時間良好群とは睡眠時間が7~8時間のものを指す。
また睡眠時間不良群とは7時間未満と8時間未満のものを指す。
つまりは、この文献から考えると人によって適切な睡眠時間が違うようだ。
その為、適切な時間の睡眠を取れれば、「主観的健康感」「生活満足感」「生きがい感」「人間関係に対する満足感」などの精神的な要因に対する満足度があがる可能性が考えられる。
つまりは、生活の質も向上するということにつながるのだろう。
良質な睡眠とは?
それでは自分にあった睡眠時間はどう調べたらよいのだろうか?
色々な定説があるのだが、何時間寝ればいいのか?
それとも寝なくてもよいのか?
色々な説があるが、このような面白い文献を見つけたのでご紹介する。
このような良質の眠りを得るための最も理想的な方法は、昼間エネルギーをよく使うことである。身体や頭を使うことである。そして大切なことは、いつもプラス思考をすることである。ストレスをつくらないためである。つまり、メリハリのきいた生活が良質の睡眠をもたらすことを忘れないで欲しい.
引用:眠りの科学
エネルギーをしっかり使って、生活にメリハリをつけることが大切とのことである。
文献中では、「それそれ自分の睡眠時間があると言えよう」と書かれている。
また、自分に適した睡眠時間に関しても、目覚めた時に爽快に感じた睡眠時間とも記述されている。
確かに個体差があるので、これだけの時間寝ればよい!というのは無いのかもしれない。
また気分や仕事などの外的な要因も関わってくるので人の睡眠に関しては難しいものがある。
仕事がうまくいっている時は睡眠時間が短くなる。
仕事がうまくいっていない時はかえって長くなる傾向があるそうだ。
また、睡眠に関しては前述したとおり、脳や身体を休ませる作業である。
しかし、現代人は動物や江戸時代とのときよりもエネルギーを使わなくなっている。
その為、睡眠時間は不要だ!という考えもあるそうだ。
だが、実験では4日連続で起き続けた結果幻覚が見えるようになったと報告されている。
つまり、人間の欲求には不要なものはないのだ。
人それぞれ自分にあった睡眠時間があるのでそれを見つけていくことが人生を豊かにする要因なのかもしれない。
※良質な睡眠をとったとしても、寝起きに背中や首に痛みが出てしまう場合があります。こちらの記事にて寝起きの背中の痛みの原因ついて解説しておりますので是非ご参考にしてください。
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まとめ
今回は睡眠と『身体』『心』の関係性についてまとめた。
- 睡眠不足は肥満を引き起こす要因である。
- 不適切な睡眠は脳の判断を鈍らせる。
- 睡眠の質がQuality of Lifeを向上させる一つの要因だ。
- 良質な睡眠はメリハリのある生活習慣と人それぞれにあった睡眠時間がもたらす。
昔の私は完全に夜型の人間だった。
妻と結婚して、生活習慣が大きく変わり、今では完全に朝方人間だ。
この夜型と朝型の違いは、生活のリズムと体温リズムの問題とされている。
朝型の体温のピークが18時となるそうだ。
一番下がるのが2時とのことだ。
逆に夜型の人は体温のピークは23時になるそうだ。
体温が高ければ活動量があがる。
その為、朝型でも夜型でもその人に合っていれば特に問題は無いそうだ。
また、睡眠が短い人は無理に長く取る必要はない。
逆に睡眠が長い人は無理に短くする必要もない。
今自分にあった睡眠スタイルを貫いていくことが、生活の質の向上につながるのではないだろうか?
参考文献
地域在住高齢者の睡眠状況とQuality of Life の関係
訂正:2019/03/24