日本国内で偏頭痛に悩まされている方は非常に多いことでしょう。
身体のケアを提供している私も最近歯の治療を行ってから、左の側頭部に頭痛を感じるようになってしまいました。
最初は歯のかみ合わせの問題かと思っていましたが、色々自分の身体で実験を行ってみたところそれだけではないようでした。
実は体幹や足からの影響も自分が引き起こしている『偏頭痛』と関係があるようです。
今回はそんな偏頭痛を患ってしまった私を例に上げて、どのように検査をして、症状を改善させていくかについてご紹介していきます。
是非偏頭痛で悩まれている方も御参考にして頂き、実際に試して、効果が出る解消法は取り入れてみてはいかがでしょうか?
偏頭痛はどうして起きるようになったのか?まずは原因特定を
以前歯が割れてしまい、そこから歯の治療を行うことになったとこちらの記事にて綴りました。
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自分で言うのもなんですが、この仕事についてから身体の事には人一倍気を使うようになりました。 身体に気を使うようになったのが、25歳の時に健康診断で肝臓の値が正常値の3倍以上になったことがきっかけでした ...
仮付の歯の突起物がとれ、舌の位置が正常に戻った事によって、その治療中に生じていた頭痛が治まりました。
そこから4日ほどたった頃から、今度はこめかみから後頭部にかけて偏頭痛が生じるようになってしまったのです。
最初はかみ合わせの問題かと感じていましたが、どうも大きな原因としては違うようです。
実験台として丁度よいので、色々自分の身体を分析して原因を特定するように努めました。
原因の特定方法としては以下の手順で行いました。
- 偏頭痛が出る時と出ない時の分析
- 何をすると偏頭痛が誘発されるかを検査
- どうすると偏頭痛が和らぐかを検査
- 上記の検査内容を統合し原因を探る
- 上記の内容から生活習慣を振り返る
これらについて以下に解説していきます。
※肩こりも偏頭痛を引き起こす原因となる事もあります。肩こりの3大原因についてはこちらの記事からご覧ください。
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誰も教えてくれない肩こりでバキバキになる『3大原因』とは!?
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偏頭痛が出る時と出ない時の分析
まずは偏頭痛が出る時と出ない時を徹底的に分析してみました。
これはどこか痛い時に治療を行う上で大切な情報となりますので皆様もしっかり「痛みが出る時」と「痛みが出ない時」を自己分析しましょう!
私の場合、偏頭痛が出ない時は以下の時です。
- 横になっている時
逆に偏頭痛がひどくなる時は以下の場合です。(偏頭痛が辛い順)
- 座ってスマホを見る時
- ソファーで変な体勢で腰掛ける時
- 立ってパソコン作業をする時
- 立っていて下を向く時
この様な感じになりました。
主に立っていたり、座っていると偏頭痛がひどくなるようです。
何をすると偏頭痛が誘発されるかを検査
次に痛みが出てない時に偏頭痛が誘発されるのかを検査していきます。
寝ている時は偏頭痛が和らぐのでその時にしっかり噛みしめるとどうなるかを検査しました。
結果、はこうなりました。
- 多少偏頭痛が出る
ただそこまで痛みが強いものではなく、ごく僅かに出る感じです。
少なからず、かみ合わせも原因としてあるようですが、立っている時や座っている時の方が寝て噛みしめるときよりも偏頭痛がひどいです。
また立っていたり、座っていたりすると左背中に痛みが出たり、左手に力が入りづらくなる症状も出てしまうのも特徴的な現象です。
どうすると偏頭痛が和らぐかを検査
偏頭痛を誘発できたら、今度は偏頭痛を軽減させる方法を探して行きました。
顕著に偏頭痛が低下したのは、
- 後輩に背中の関節の治療をしてもらった時
- 後輩に腰椎の椎間関節の治療をしてもらった時
- 自分で首の関節の治療をした時
でした。
しかし、これも座ったり、立っていたりすると20分ほどでやはり左の偏頭痛がすぐに生じてしまうという現象が出てしまいます。
上記の検査内容を統合し原因を探る
上記の検査内容を統合すると
- 寝ている時に噛みしめると多少偏頭痛が出る⇨歯のかみ合わせの問題は少々だけある
- 寝ている時に偏頭痛は軽減する⇨首より下が原因と考えられる
- 立っている時や座っている時に偏頭痛がする⇨体幹や足のトラブルの可能性が考えられる
- 背中や腰、首の関節の治療をすると楽になる⇨問題がその関節にあると考えられる
これらのことから、大きな問題点は体幹や首、足のトラブルが生じている為と考えられます。
また、歯のかみ合わせも多少なりとも出ていることが考察できました。
1ヶ月の生活習慣を振り返える
問題点としては「歯」と「体幹」「足」と考察できたので、これについて直近1ヶ月でどのような生活習慣をしていたのか考えてみます。
この1ヶ月間を振り返るとこの様な感じになりました。
このことからも原因をより明確化することが出来ました。
まず歯の治療にて1ヶ月近くストレスを感じていたことから、必然的に背部に負担がかかっていたと考えられます。
ストレスを感じると呼吸が浅くなり、肋横突関節(※背中と肋骨の関節の事)に負担をかけてしまうからです。
なぜ、ストレスを感じると背部に負担がかかるのか?についてはこちらの記事にて書いたので是非御覧ください。
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人の心が感じるストレスと背中の痛みの関連性とは?
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またそのストレスを紛らわせるために、ほぼ毎日走ったり、筋トレをしたり、登山へ行ったり、もちろんお身体のケアを提供するという肉体労働をしていました。
その事が身体のオーバーワークを招き、腰椎の椎間関節や肋横突関節、首の関節により負担を与えていたのかもしれません。
それに加えて、歯の治療によるかみ合わせの変化が引き金になり、色々なバランスが一気に崩れたのかと考えられます。
理学療法士が行った「偏頭痛」改善法とは?
自分の体に対する上記の検査や分析の結果から、私が行った改善方法は以下の通りです。
- マウスピースを着用する
- 腰のコルセットを着用する
- 仕事中の履物を変える
上記の手段はどれも体幹の安定性を高める為の手段です。
本当は運動によってその安定性を高めていきたいのだが、身体のオーバーワークによってそれはかないません。
寧ろ補助具を用いて、出来るだけ身体を休めさせる必要があります。
身体の状態が戻ってきたら徐々に運動量を戻していく方向の方が良さそうだと感じました。
以下に詳しく解説していきます。
マウスピースを着用する
やはり多少なりとも噛みしめると偏頭痛が起きるということは、かみ合わせが悪く顎関節に負担を与えてしまっていると考えられます。
原因としては小さいのでしょうが、排除できるものは排除していったほうがいいです。
その為、マウスピースを着用してなるべく顎への負担を減らすことに専念しました。
もちろん追々は歯列矯正もした方がいいのかもしれませんが、治療歯の多い私の歯に適応できるのかは疑問です。
これに関しては、歯医者さんに相談しようかと…
それまでは不便であってもマウスピースは着用していこうかと。
また、マウスピースによってかみ合わせを良くすると実は体幹のインナーユニット(※体幹のインナーマッスルのこと)が活性化しやすく、体幹の安定性を増してくれる効果があります。
実際にマウスピースを着用すると頭痛が減少するので、私にとっては良い方法かと。
腰のコルセットを着用する
寝て起きて、立っていたり、座っているだけでも30分足らずで頭痛が出てしまいます。
しかも左半身が重いというおまけ付きです。
もしこれが寝ている時もそうならば、脳血管のトラブルなどが考えられるのですが、寝ている時は楽なのでその考察は排除できます。
それに加え、腰や背中、首の関節の治療を行うと楽になり、また座るとおかしくなるという現象は体幹のインナーユニットが体幹を支えられない状態に陥っていると考えられます。
※インナーユニットに関してはこちらの記事にて詳しく解説しておりますのでぜひご覧ください。
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おそらく、ストレスと運動のしすぎにて身体がオーバーヒートしているのかと。
それの状態から脱却するために、腰のコルセットを着用することにしました。
実際に使用したコルセットはこちらになります。
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コルセットで偏頭痛が減るのか!?と疑問に思われる方がいらっしゃると思いますが、実際に着用すると背中の痛みや左半身の重さが軽減し、頭痛も減少しました。
要は田んぼの上に家が立っている状態と同じ現象でしょう。
体幹が安定しなければその上に乗っている首に負担がかかり「偏頭痛」を招いてしまうのかと。
それを証明するかのように。コルセットを外すと一気に身体が重くなるので間違いなく体幹のトラブルが発生しているのでしょう。
その為、状態が良くなるまで体幹のインナーユニットの代わりにコルセットを着用して偏頭痛に対処しました。
仕事中の履物を変える
私は仕事中BIRKENSTOCKを愛用しています。
BIRKENSTOCKは足の構造に適した履物なので、普通のサンダルより数倍身体を楽にしてくれます。
しかし、最近破損がひどくなりそろそろ買い替えの時期に差し掛かってきました。
この破損してきたサンダルも偏頭痛の一つの要因と考えれます。
先程のコルセットと同様、『田んぼの上に家が建っている』理論と同じ考えです。
地面と一番接している足元がおかしければやはり土台から全て崩れてしまうからです。
現在使っていた破損したやつから、念の為にとっておいた一代前のBIRKENSTOCKに履き替えたところかなり立っている時の偏頭痛が減少しました。
実際に比べてみると分かると思います。
右足の方が破損したBIRKENSTOCK、左足の方が一代前のまだ破損しきっていないBIRKENSTOCKです。
写真で見るように前方部分も後方部分も右足側が破損しています。
さらに実際に履いてみると右足側の破損したBIRKENSTOCKの方がベルクロ部分がゆるく、足とフィットしていません。
つまり、土台となる履物自体が不安定になってしまっており、体幹の不安定性を助長していたのかと考えられます。
そうなるとやはり首や頭部に負担をかけ偏頭痛を引き起こす原因となっているのだと考えられます。
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まとめ
今回は私が経験した偏頭痛の原因の考察と改善方法について解説しました。
- 偏頭痛の原因を探る時は「痛みが出る方法」と「痛みが軽減する方法」を確かめる事が大切である。
- また偏頭痛の原因を特定したら、直近の生活習慣を振り返ることも大切な情報となる。
- 偏頭痛は頭部周囲の問題ばかりに目が行きがちだが、体幹や足からの問題によってでている可能性もある。
偏頭痛を経験してこれほど辛いものがあるのか?という思いで一杯です。
お客様の気持ちがよくわかります。
一人でいる時、これは治るのだろうか?という恐怖に陥りますし、不安でいっぱいになりますね。
ただやはり、身体に起きる現象はなにかしら必ず理由があるので、問題点を一つ一つ取り除いていくことが大切だと感じました。
また時間があればその後の経過と改善するための体操などもご紹介していこうかとおもいます。
歯も大切、身体も大切。
全部がうまく噛み合わないと身体の調子も上がらないことを学びましたね。