
理学療法士の長尾です。今回は変形性膝関節症で膝が痛い時に絶対に履いてはいけない靴について詳しく解説していきましょう!
変形による膝の痛みがある方は「足に合っていない靴を履いている」共通点があります。膝の痛みと靴は全く関係性がないのでは?思われるかもしれません。しかし、膝と靴には非常に密接な関係があるのです。
結論をお伝えすると、足に合っていない靴を履き続ければ、変形による膝の痛みが悪化してしまいます。逆を言えば、足に合った靴を履くだけで、変形による膝の痛みが改善しやすいです。それだけ普段履いている靴が重要となります。
そこで今回の記事を読んでいただくと次のことがわかります。
この記事を読むと分かること
- 変形性膝関節症で膝が痛い時、絶対に履いてはいけない靴の3つの特徴について
- 膝が痛いときにどのような靴を履けばよいか
変形による膝の痛みを改善するために、絶対に履いてはいけない靴について詳しく解説していきますので是非最後までご覧ください。
※こちらの参考文献を基に記事を作成しております
- Moderate-Heeled Shoes and Knee Joint Torques Relevant to the Development and Progression of Knee Osteoarthritis
- 変形性膝関節症に対する足の調査と靴指導の評価-足のサイズとウィズが適合したスニーカーの効果-
【関連動画】膝が痛い時に絶対履いてはいけない靴BEST3
記事の内容はこちらの動画でも解説しておりますのでぜひご覧ください。
※動画内にて紹介しているオススメのメーカーの靴がこちらとなります。
膝が痛いときに絶対履いてはいけない靴第3位:踵の高い靴
変形による膝の痛みがある時は、ハイヒールなどのかかとの高い靴を絶対に履いてはいけません。
文献によれば、
約4cmのヒールがある靴を履いて歩くだけでも、踵をつく時とけり出す時に膝にO脚方向への負担がかかってしまう
Moderate-Heeled Shoes and Knee Joint Torques Relevant to the Development and Progression of Knee Osteoarthritis
との報告があります。
つまり、踵を高くすればするほど、より膝に負担がかかるのです

そもそも変形性膝関節症で膝が痛い方は、膝が伸びていません。そして、膝が内側に入りやすく負担がかかりやすい状態です。さらに症状が進行するにつれて、膝がOへ変形していきます。
つまり、変形によるひざに痛みがある方は、慢性的に膝に負担をかけています。その状態にも関わらず、踵が高い靴を履くことによって、さらに膝への負担を増加させてしまうのです。これでは、膝がより変形して痛くなってしまいます。
そのため、変形性膝関節症で膝が痛い時は踵が高い靴を履いてはいけないのです。
膝が痛いときに絶対履いてはいけない靴第2位:踵のない靴
変形による膝の痛みがある人は、サンダルやスリッパなどの踵のない靴を履いてはいけません。靴を脱ぎ履きする日本人の生活様式を考えると、サンダルは非常に楽な履物です。しかし、変形による膝の痛みがある方はサンダルなどの踵がない靴をはくと、膝の痛みが悪化してしまいます。
理由は、歩くときに踵をつく際ぐらついてしまうからです。歩きで一番重要なのは踵をつく瞬間。踵がしっかりしている靴であれば、踵をついた時、スムーズにつま先まで重心が移動します。

しかし、サンダルやスリッパでは、かかとを着いた時に踵がぐらついてしまいます。そして、床の反発を前へ進むためのエネルギーに変えることができないのです。
つまり、効率よくつま先へ重心移動がでないため、前へ進みづらくなります。前に進みづらいと、けり出す時に指を握りすぎてしまうのです。

指を握りすぎてしまうと、長母指屈筋とよばれる筋肉が固くなります。

そして、指が反らなくなることで小指側荷重になってしまうのです。

けり出す時に小指側荷重になってしまえば、膝にO脚方向への負担がかかります。

つまり、膝の変形が進み、痛みがでやすくなるのです。
≫親指が反らないことで膝の痛みが悪化してしまう詳しい理由はコチラ
また、踵のある靴でも踵を潰して履いている場合もサンダルやスリッパと同じ状態になっています。なぜなら、靴の踵にあるヒールカウンターと呼ばれる踵を支えてくれる部品が壊れてしまうからです。


ヒールカウンターが壊れてしまうと、歩く時に踵が安定せず不安定な歩きになるのです。これでは、踵があったとしてもサンダルと何ら変わりがありません。
これらのことから、変形による膝の痛みがあるときは踵のない靴を絶対に履いてはいけません。
膝が痛いときに絶対履いてはいけない靴第1位:サイズの合っていない靴
変形による膝の痛みがあるときは、サイズが合っていない靴を絶対に履いてはいけません。多くの変形性膝関節症の方が、足のサイズに合った靴をはいていません。
理由としては、膝に変形がある方の多くで扁平足や外反母趾で足が幅広になっているからです。そのため、自分の足の幅よりも広い靴を好んではく傾向があります。
文献によれば、
変形性膝関節症になっている方は足の本来の幅よりも広いものでかつ足の長さ+10㎜よりも小さい靴を履く人が多い
・変形性膝関節症に対する足の調査と靴指導の評価-足のサイズとウィズが適合したスニーカーの効果-
との報告があります。
1.靴の幅が本来の足の幅よりも広いとどうなるのか?
靴の幅が本来の足の幅よりも広いと、踵がぶれて、膝に大きな負担がかかってしまいます。

自分の足の幅よりも大きいものを選んでしまえば、必然的に靴がぶかぶかになってしまうのです。ぶかぶかの靴を履くと踵が安定せず、歩くときに膝に負担をかけてしまいます。そして、変形による膝の痛みが悪化してしまうのです。
さらには、外反母趾が悪化し、靴の側面にあたって痛くなります。そして、より幅の広い靴を選んでしましまうのです。つまり、どんどん足に合わない靴をはいて、膝に負担をかけてしまうことになります
そのため、変形による膝の痛みがある方は絶対に足の幅よりも広い靴を履いてはいけません。
2.靴の大きさが本来の足の長さ+10mmより小さい靴を履くとどうなるのか?
靴の大きさが本来の足の長さ+10mmより小さい靴を履くと、足の指が使いづらくなり、膝に痛みが出やすくなります。+10mm大きい靴を履くということは、足を使うためのスペースを確保するという意味があります。足の指を使うスペースがなければ、指が握ったままになるのです。

足の指が握った状態だと、上手にけりだしができません。

そして、だんだんと小指側荷重でけり出すようになります。そして、膝に負担がかかり、痛みが強くなってしまうのです。
そのため、靴の大きさが本来の足の長さ+10mmよりも小さい靴は絶対に履いてはいけません。
変形性膝関節症の方に良い靴とは?
最後に変形性膝関節症で膝が痛い方にとってどんな靴が良い靴なのか?について解説していきます。変形性膝関節症の方にとって良い靴というのは「足のサイズと横幅にあった靴」となります。
理想は
- 基本的には足の実寸+10mm
- 足の横幅に合わせた靴
が最適とされております。
良い靴を選ぶためにも、まずは自分の足のサイズと横幅の大きさを知ることが大切です。その調べ方を簡単にご紹介します。まず足のサイズの測り方を解説していきます。
紙を用意して地面においてください。

次に紙の上に乗ります。紙のはしに踵を合わせて乗ってください。そして、指の一番長い部分に印をつけます。

私の場合は親指となります。人によっては人差し指が一番長いという人がいるので、かならず一番長い指での先端に印をつけましょう。
印をつけたら、紙の端から、印までの距離をはかります。それが、自分の足のサイズとなります。必ず両足測ってください。
次に足囲と呼ばれる足の周径の測り方について解説していきます。
メジャーを用意してください。そして、素足で地面に立ちます。親指のつけね~小指のつけ根までの周径を測っていきます。

計測結果をもとにこちらの表をみて、自分の足囲を調べましょう。


足囲を知っておくだけでも、靴を選ぶときの失敗がなくなります。日本人の足の特徴としては、甲高や幅広です。そのため、日本人の足の特徴を良く分析している日本のメーカーの靴を選ぶと靴選びの失敗が少なくなります。
代表的なのがミズノとアシックスの2社です。
です。
またニューバランスもオススメ。
≫【ニューバランス】ウォーキングシューズ(フレッシュフォーム幅広)
ニューバランスはアメリカのメーカですが、元々は整形外科で扁平足を治療する為の矯正シューズを販売するメーカーでした。そのノウハウが取り入れられているので、日本人の足にもフィットしやすいと言われております。そのため、この3つのメーカーの靴で自分の足のサイズ+10mmと自分の足の幅にあった靴を選んでいただければ、靴選びの失敗が格段に減ります。
まとめ
今回は変形性膝関節症で膝が痛い時に絶対に履いてはいけない靴について解説しました。
POINT
- 変形による膝が痛い人は「踵が高い靴」「踵がない靴」「サイズが合っていない靴」は絶対に履いてはいけない
- しっかりと足のサイズを測ってから靴選びをしよう!
- ミズノ・アシックス・ニューバランスが日本人の足に合いやすい
足は人間が唯一地面と接している場所です。その足を支えるのが靴となります。足に合っていない靴を履き続けてしまうと、膝に大きな負担をかけてしまうのです。しまいには、膝の変形を悪化させてしまいます。
そのため、足に合った靴を履くことが非常に重要です。そうすれば、膝の痛みも改善しやすくなります。靴選びで迷ったら、ご紹介した3つのメーカーの靴をぜひお試しください。
\幅広の足の人にオススメ/
足元から膝の痛みを解消しよう!