前から読んでみたかったカエルの楽園が文庫版で出たので購入してしまった。
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カエルの楽園
amzn.to
以前から百田尚樹さんの作品を読んでいた。
しかし、今回の物語は少しテイストが違った。
本当に色々考えさせられ、あまりにも意味深すぎる物語でであったのでご紹介する。
カエルの楽園の物語概要
※ネタバレ注意です。
ソクラテスというアマガエルが主人公
舞台はカエルの世界
身体の小さいアマガエルのソクラテスが主人公の視点で物語が描かれている。
彼の国は、常に身体の大きいダルマガエルやマムシの脅威に襲われている。
何匹ものアマガエルがダルマガエルやマムシに食べられて殺されている。
その国では、もうそれが当たり前となってしまっていた。
しかし、その事に対して疑問を感じ耐えられなくなったソクラテスは国を出て平和な楽園を探す旅に出たのである。
たどり着いたのはナパージュという平和な国
ソクラテスは壮絶な旅の末、ナパージュというツチガエルが住む国たどり着いた。
ツチガエルたちは
三戒
- 『カエルを信じろ』
- 『カエルと争うな』
- 『争うための力を持つな』
という三戒を忠実に守っている。
生まれ持つ毒袋まで潰して使えなくするほどだ。
でも、その三戒のおかげでこの国は平和だと豪語している。
ちなみにナパージュの構図がこんな感じである。
三戒賛成派
三戒賛成派
- デイブレイクという老ガエル
- 腹に9本のシワがある元老ガエル
- 多くのツチガエル
三戒反対派
三戒反対派
- 元老の一部
- 悪態をついて、多くのツチガエルに嫌われているハンドレッド
- 国を守るために、身体を鍛えているハンニバル3兄弟
実は巨大なワシに守られていた。
ナパージュの近くには、身体が大きく他のカエルをも食べてしまうウシガエルが住んでいた。
それにもかかわらず、ナパージュは平和であった。
ソクラテスは本当に三戒がナパージュを平和にしているのか疑問に感じていた。
その疑問に対して嫌われ者のハンドレッドから、ナパージュの真の支配者は巨大なワシの「スチームボート」と教えられる。
補足
遙か昔にスチームボートはツチガエルに毒を浴びせられ、その腹いせにツチガエル達を完膚なきまでに痛めつけた過去がある。
その後スチームボートはツチガエルが楯突かないようにするため、三戒をつくるように指示をした。
ナパージュの構図のおさらい
ある日を境にウシガエルがナパージュに進行してきた。
スチームボートは歳をとった為、そろそろナパージュをツチガエル自身に守って欲しいと思っていた。
同じタイミングで、三戒があるから国の平和は保たれる!と謳うツチガエルが、スチームボートは必要でないと主張するようになる。
そのためか、スチームボートはナパージュを去ることとなった。
しかしそれを見計らって、ウシガエルが平和だったナパージュに進行してくるのであった。
国を守るために立ち上がったハンニバル3兄弟
ウシガエルがナパージュに進行してくる。
不安を募らせるツチガエルたち。
しかし、腹に9本のシワを持つ元老やデイブレイクは三戒があるから大丈夫だと主張する。
それを信じるツチガエルたち。
自分たちの、力で国を守ろう!と主張する者と三戒を守らなければいけないと主張する者とで、元老は分裂する。
そんな中ウシガエルは更に進行してくる。
そこで、身を呈して国を守ろうとしたのがハンニバル3兄弟だった。
見事手を出さず、ウシガエルを追い返すことが出来たハンニバル3兄弟。
しかし、三戒推奨派に三戒違反だとバッシングを受けることとなる。
争ってもいなければ、手も出していない。
ただ、国を守るために威圧しただけと主張するハンニバル3兄弟。
果たしてこの後3兄弟はどうなるのか…
ナパージュの国はどんな結末を迎えるのか…
これ以上は僕の口からは言えません。
この物語のここが奥深い!
ここでカンの良い人なら気づいているはず。
このように置き換えて、上記を読み返してみてはいかがだろうか?
登場人物の置き換え
- アマガエルのソクラテス = 難民
- ナパージュ(napaj)= 日本
- ツチガエル = 日本人
- 三戒 = ある憲法
- デイブレイク = 文字通り「デイ」を「ブレイク」する存在
- 腹に9本のシワを持つ元老 = ある憲法
- スチームボート = アメリカ
- ウシガエル = 他国
- ちなみに百田尚樹さん自身もキャラクターとなって出ている。
そう、この物語は客観的に見た日本の現状を表しているとしたらどうだろうか?
なんだか面白いような、怖いような…
果たして、百田尚樹さんが紡ぎ出したカエルの楽園の結末はいかに。
そして、現在(2017年10月)選挙を行おうとしている日本の運命はどうなるのか。
カエルの楽園の未来は百田尚樹さんが決めてしまった。
でも、日本の未来は僕らが決めていかなければならない。
どんな結末になろうとも僕らが選択したものが未来となる。
この選択は慎重に行うべきなのかもしれない。
※意味深すぎる物語「カエルの楽園」が気になる方は、ぜひお手に取って読んでみて下さい。
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