この記事を読むと分かること
膝の夜間痛がある時に、どの体勢をとっても眠れない時に、おこなったほうが良い「寝方」について
理学療法士の長尾です。今回の記事では、膝の夜間痛で、仰向けや横向きなど、どの体勢をとっても眠れない時に行った方が良い、「最強の寝方」について詳しく解説していきます。
変形性膝関節症になっている方の訴えで多いのは、「夜間痛」です。
それもそのはず、夜間痛は、膝が痛い方の約60%に発生してしまうという報告があります。
夜、眠れないほどの痛みがあったと答えたのは56.7%であった
変形性膝関節症の疫学調査--主として発症要因について-
膝の夜間痛が起きてしまうと、膝の痛みがなかなか回復しづらくなります。
なぜなら、
痛みで眠れない→睡眠の質が悪くなる→膝の回復が進まない
と言った、負の循環になるからです。
困ったことに、ひどい膝の夜間痛になっている方は、どの体勢をとっても眠れません。
実は、どの体勢をとっても眠れない人の多くが
えっ!?腰!?膝の痛みだから、腰は関係ないでしょ!!
と思われる方が多いのですが、現場で働いていると、腰と膝は密接に関係をしていることを体感します。
膝が痛い人は、セット商品かのごとく「腰」が痛くなっています。
その反対もしかり、腰が痛い人は、膝の痛みが出る割合が高いです。
そのため、膝の夜間痛がひどい方は、腰にも考慮した寝方をしなければいけません。
そこで今回は、仰向けでも横向きでも、寝れない時の寝方について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
関連動画:【変形性膝関節症22】この寝方が最強!仰向けでも横向けでも寝れない方は〇〇して寝ろ!
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膝の夜間痛で仰向けでも横向きでも眠れない時の最強の寝方
変形性膝関節症で、仰向けや横向きなどのどの姿勢をとっても、眠れない時の最強の寝方について詳しくご紹介していきます。
膝の夜間痛がひどい時は、リクライングをして寝ましょう。
方法は非常に簡単で、
背中のうしろにクッションをいれて傾斜をつけて寝る
だけです。
冒頭でもお伝えしたように、どの体勢でも膝の痛みが出てしまい、眠れない人は、腰のトラブルも起きています。
つまり、腰が膝に悪さをして、夜間痛が起きている場合があるのです。
そのため、腰痛もある方はぜひリクライニングをして寝てみて下さい。
リクライングをして寝る時、以下の2つのPOINTがございます。
それぞれ解説していきます。
最強の寝方のPOINT①:リクライングの高さ調整
リクライニングして寝る時のPOINTの1つ目が、背中にいれるものの高さを調整することです。
なぜなら、人それぞれ、腰にトラブルがでない角度がちがうからです。
先ほどもお伝えしましたが、夜間痛でどの体勢でも眠れない人は、腰にもトラブルがあります。
腰の痛みの影響で、膝に力をいれてしまい、夜間痛を誘発している人が多いのです。
そのため、膝の力が抜けるリクライングの高さで、寝ていただくことが大切となります。
では、どの高さが最適なのかを説明いたします。
目安としては、
- リクライニングをして、膝がしっかりとまっすぐ伸びる。
- 膝の前の筋肉を触って、柔らかくなる
高さが好ましいです。
逆にあまり高くしすぎてしまうと、傾斜が強すぎて眠れなくなる場合があるのでご注意ください。
最強の寝方のPOINT➁:膝の下にクッションをいれる
リクライニングして寝る時のPOINTの2つ目が、膝の下にもクッションをいれることです。
時たまに、リクライニングしても、膝が伸びない方がいらっしゃいます。
膝が伸びないとリラックスした状態がとれません。
そのため、リクライニングの高さを調整してもなお、膝がまっすぐ伸びない方は、膝の下にもクッションをいれることが大切です。
膝が伸びない方は、膝の「拘縮」を引き起こしています。
拘縮というのは、関節が硬くなってしまう現象の事です。
膝の拘縮があると、リクライニングで腰の影響を緩和しても、膝の夜間痛がおこりやすくなります。
そのため、膝の下にもクッションをいれて、膝の負担を軽減することも大切なのです。
もし膝の痛みだけでなく、腰にもトラブルを抱えている方は是非リクライ二ングして寝てみて下さい。
膝の夜間痛の寝方についてのよくある質問に回答
最後に、お客様から良くいただくご質問に回答していきます。
Q&A1:膝に枕を挟むのは意味があるの?
お客様から
膝の下にクッションをいれる意味は分かるけれど、寝返りでどこかいってしまうので意味がないのでは?
というご質問をいただきます。
回答としては、
膝の夜間痛で寝れない時、クッションは絶対に必要です。
クッションが必要な理由がこちらです。
膝を安定させるため
以下に詳しく説明していきます。
膝の夜間痛でクッションが必要な理由:膝を安定させるため
人間は、安定を求める生き物です。
変形性膝関節症の方は、膝が伸びなくなっているので、寝具と膝の間にスキマができています。
スキマがある状態では、膝が安定しません。
膝を安定させるためには、クッションなどで、寝具と膝の間のスキマを埋める必要があります。
スキマを埋めれば、自然とリラックスした状態になるのです。
リラックスした状態というのは、膝が安定している証拠となります。
また人間は、安定を求めているので、寝ていたとしても安定している場所から、大きく動くことはありません。
つまり、膝が安定していれば、クッションがどこかに行くことは非常にすくないのです。
これらのことから、膝の夜間痛がある方は、膝を安定させる目的で、寝る時にクッションは必要不可欠となります。
Q&A2:寝ている時にサポーターをつけても良いですか?
良くいただくご質問の2つ目は
寝ている時に夜間痛が心配で膝のサポーターをつけています。これは大丈夫でしょうか?
という内容です。
回答としては、
寝る時のサポーター着用は、今すぐ辞めるようにしてください。
なぜなら、不必要な膝のトラブルが起きるからです。
膝のサポーターは、本来、体重がかかった時の負担の軽減するのが役割となります。
必要以上に固定をしてしまうと、
- 膝の筋力低下
- 拘縮の悪化
- 皮膚トラブル
などを引き起こしてしまう可能性があります。
夜に膝を固定するメリットよりも、デメリットの方がたくさん発生してしまうのです。
そのため、寝ている時にサポーターを使っている人は今すぐやめるようにしましょう。
※変形性膝関節症などによる膝の痛みを改善させるためには、「寝方」が超重要です。睡眠がとれなければ、回復するものも回復しません。睡眠がとれるようになるためにも、まずはやってはいけない寝方を知る必要があります。なぜなら、やってはいけない寝方をさけるだけで、膝の痛みが改善しやすくなるからです。膝が痛い方にとって、絶対にやってはいけない寝方については、こちらの記事にて詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。
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変形性膝関節症になったら絶対にこの寝方はやるな! - ZENLOG|肩・膝・腰の痛み解決ブログ
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まとめ
今回は、膝の夜間痛で、仰向けや横向き、どの体勢をとっても眠れないときの「最強の寝方」について詳しく解説しました。
POINT
どの体勢でも眠れない時は、背中にクッションをいれて、リクライニングして寝ましょう!
どの体勢でも膝の痛みで寝れない人は、腰のトラブルも起きている可能性があります。
腰のトラブルが、膝に悪さをして夜間痛を悪化させている場合があります。
そのため、腰に負担がかからないように、リクライニングをして寝ることが大切です。
また膝の拘縮が起きている場合は、リクライニング+膝の下にクッションを挟んで寝るようにしましょう。
寝方を工夫することで、膝がリラックスして、膝の夜間痛が改善しやすくなります。
夜間痛で、どの体勢になっても寝れない方は、今回ご紹介した最強の寝方を是非お試しください。