インピンジメント症候群の炎症期は断固『安静』を保つ事が大切だ!

投稿日:2019年9月3日 更新日:

インピンジメント症候群炎症期は安静が必須アイキャッチ

肩の痛み

人間の肩関節は非常に不安定な構造をしている。

それは2足歩行へと進化したが故の変化である。

肩関節は不安定が故に年齢を重ねいていくとトラブルが生じやすい関節の1つでもある。

その代表的なものが『インピンジメント症候群』である。

このインピンジメント症候群は肩を動かす際、肩内部の腱板を自分の肩甲骨と上腕骨で挟み込んでしまい損傷させてしまうものである。

そして、その影響で初期は肩の内部が炎症状態になってしまう。

それにより肩の痛みが非常に強い時期となってしまう。

インピンジメント症候群の炎症期の改善方法は至ってシンプルであるがそれを実践できている人は少ない。

実は肩内部の損傷を癒すために、『安静』を保たなければならないのだが、多くの方が痛くても痛いところまで動かせば治ると勘違いしてしまっている。

今回はインピンジメント症候群の炎症期の改善方法について詳しく解説していく。

肩のインピンジメント症候群とはどのような症状か?

インピンジメント症候群とは簡単に言えば、前述した通り肩を動かす際、肩甲骨と上腕骨がぶつかりその間にある腱板が損傷してしまう事の事を指す。

インピンジメント症候群

主な原因としては、

  1. 腱板の劣化によって肩が正常に動かなくなる。
  2. 体幹の硬さによって肩がしっかり動かなくなる。

が挙げられる。

しかし、未だに明確な原因というものが特定されていないので『症候群』という名前がつけられている。

※インピンジメント症候群の原因についてはこちらの記事にて詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。

肩インピンジメント症候群になってしまう2大原因がこれだ!

最近肩を挙げるとつらい… 胸より高く挙げると痛みがでる… ボールを投げると肩が痛い… そんなあなたはもしかしたら、肩のイ ...

続きを見る

またNeer(1983)という方が『インピンジメント症候群』を状態に応じて3つの分類に分けている。

  • 第1期:腱板の浮腫と出血
  • 第2期:繊維化と肥厚
  • 第3期:腱板断裂と骨変化

インピンジメント症候群を改善していくにあたってこの3つの時期に応じた管理方法が必要になる。

ただし第3期の腱板断裂や骨変化に関してはインピンジメント症候群の末期の状態となってしまうので、セラピストの関与よりも手術などが適応となる場合が多い。

上記の理由で、インピンジメント症候群の第2期までの管理方法が非常に大事となる。

※インピンジメント症候群の概要としてはこちらの記事にて詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。

インピンジメント症候群とは?アイキャッチ
肩のインピンジメント症候群とは?腱板の劣化と体幹の硬さが原因!?

肩を痛めた人もしくは医療従事者なら『インピンジメント症候群』という言葉を聞いたことがあるだろう。 このインピンジメント症 ...

続きを見る

肩のインピンジメント症候群の炎症期の改善方法

『第1期:腱板の浮腫と出血』の時期は、体幹の硬さや腱板の劣化によって、肩を動かす際、正常な動きが出来ず肩の内部もしくは腱板に炎症が生じてしまっている状態である。

炎症が生じている=肩の内部もしくは腱板に傷が出来ている

と認識していただければ良い。

簡単に言えば腕に切り傷が出来てしまっているのと同じである。

肩の内部の問題の為、それが目には見えないだけである。

つまり、肩のインピンジメント症候群の改善方法は、目には見えない肩内部の傷をどのように改善していくかが鍵となる。

肩の内部の傷に関しては、『安静肢位』に保つ事が非常に重要である。

また、同時に肩関節以外の『体幹』『胸郭』『肩鎖関節』の可動域を改善することも大切となる。

以下に

  1. 肩の安静を保つ方法
  2. 体幹の可動性を改善する方法
  3. 肩鎖関節の可動性を改善する方法

を詳しく解説していく。

※記事を読む時間が取れない方には以下の動画もオススメです。 柔YAWARAが動画の中でインピンジメント症候群の炎症期の改善方法を解説しております。YouTubeでは柔YAWARAによく寄せられるお身体のトラブルについて、それを解消するためのエクササイズを定期的に紹介しておりますので、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。



肩の安静を保つ方法

前述したように肩のインピンジメント症候群の第1期は腱板に炎症が起きているので肩が一番楽なポジションで安静を保つようにするべきである。

肩が一番安静になるポジションとは『脇を少し広げ、やや前に肘を出した位置』である。

ゼロポジション

このポジションを肩のゼロポジションと呼ぶ。

ゼロポジションは肩に無駄なテンションを与えない為、肩が休まる肢位として知られている。

以下に肩のゼロポジションを参考にした、座っている時や立っている時、寝ている時の安静肢位の保ち方について解説していく。

腕を組む

安静肢位腕を組む

方法

  • 脇の間に握りこぶしもしくはタオルを挟む。
  • その状態で腕を組む。

POINT

  • 肩の回旋が痛みなくできる方のみ行ってください。
  • 肩の回旋ができないもしくはこのポジションでも痛みがある場合は下記のポジションを参考にしてください。

ズボンを掴む

安静肢位ズボンを掴む

方法

  • 脇の間に握りこぶしもしくはタオルを挟む。
  • 肘を伸ばした状態でズボンを掴む

POINT

  • 肩の回旋ができない方はこちらのポジションで安静を保つようにしてください。

肘を支える

安静肢位肘を支える

方法

  • 脇の間にタオルを挟む。
  • 良い方で痛めている方の肘を支える。

POINT

  • 肩の回旋ができない方はこちらのポジションでも安静を保つ事ができます。

仰向けで寝る時は肘の下にクッションを入れる

安静肢位仰向け1

安静肢位仰向け2

方法

  • 仰向けで寝る。
  • 痛みが出ている方の肘の下にクッションを入れる。
  • 肩の回旋ができる場合はお腹の上に手を乗せる。
  • 肩の回旋が出来ない場合は肘を伸ばして寝る。

POINT

  • 自分の肩の状態に応じて手をお腹の上に乗せて寝るか、肘を伸ばして寝るのかを決定してください。
  • 仰向けで痛みが出る場合は下記の横向きで寝るようにしてください。

横向きで寝る時はクッションを抱く

安静肢位横向き1

安静肢位横向き2

方法

  • 痛みが出ている方の肩を上にして横向きで寝る。
  • 肩の回旋ができる場合はクッションを抱いて眠る。
  • 肩の回旋が出来ない場合は肘を伸ばして寝る。この時脇の間にクッションを入れると楽な人はクッションを入れて寝てください。

POINT

  • 自分の肩の状態に応じてクッションを抱いて寝むるか、脇にクッションをはさみ肘を伸ばして寝むるのかを決定してください。

体幹の可動性を改善する方法

上記では肩のインピンジメント症候群により、肩甲上腕関節の内部の炎症を鎮める為に安静肢位を保つ事が大切であるという事を解説した。

実はこの時期はそれ以外にも体幹の可動性を改善していく事も大切である。

なぜなら、例え安静にし肩関節内部の炎症が静まったとしても、体幹の硬さによって再び肩甲上腕関節に負担がかかりインピンジメント症候群を再発させてしまう恐れがあるからである。

その為、この時期は体幹の動きの改善も同時進行で行なっていかなければならないのだ。

体幹の回旋の可動性改善方法

体幹の回旋エクササイズ

方法

  • 脇に握りこぶしもしくはタオルを挟んだ状態で座る。
  • 顔を正面に向けたまま身体を左右に回旋させる。
  • 左右10回ずつ行なっていく。

POINT

  • 肩に痛みが出ないように体幹を回旋させていこう。

体幹の前後の可動性改善方法

体幹の前後エクササイズ

方法

  • 脇に握りこぶしもしくはタオルを挟んだ状態で座る。
  • 骨盤を後傾させながら身体を丸める。
  • 骨盤を前傾させながら身体を反らせる。
  • 前後10回ずつ行なっていく。

POINT

  • 肩に痛みが出ないように体幹を前後に動かしていこう。

肩鎖関節の可動性を改善する方法

肩鎖関節エクササイズ

方法

  • 脇に握りこぶしもしくはタオルを挟んだ状態で座る。
  • 肩甲骨を意識して、肩をすくめる。
  • 10回ずつ行なっていく。

POINT

  • 肩に痛みが出てしまう方はこの体操は行わないようにしてください。

※肩のインピンジメント症候群でお困りの方は是非一度当店にて施術を!

予約受付システムからのご予約なら一切の手間は不要!ご新規の方は初検料1000円割引キャンペーン実施中!

※その他インピンジメント症候群の改善方法はこちらの記事にてまとめておりますので是非ご覧ください。

インピンジメント症候群のセルフ治療|肩を動かせるようにしたいあなたの為に

年を重ねていくとだんだん肩を挙げるのが辛くなってくる。 ましてや痛みまで伴ってしまう方が非常にたくさんいらっしゃる。 パ ...

続きを見る

※インピンジメント症候群第2期:線維化と肥厚の改善方法はこちらの記事にて詳しく解説しているのでぜひご参考にしてください。

インピンジメント症候群第2期の改善方法アイキャッチ
肩インピンジメント症候群の第2期は愛護的に動かす事が改善の近道!

肩を挙げると痛みが出てしまう。 そのような方に多いのが、インピンジメント症候群である。 この肩のトラブルは症状の時期に応 ...

続きを見る

肩のインピンジメント症候群炎症期の改善方法まとめ

今回は肩のインピンジメント症候群炎症期の改善方法、特に安静肢位の保ち方や体幹の可動性改善方法を解説した。

POINT

  1. 第1期:腱板の浮腫と出血の時期は肩の内部の組織や腱板に炎症が生じている時期なので、肩の安静がとれるポジションに保つ事が大切である。
  2. 肩の安静が取れるポジションとしては脇を少し広げ、肘を少し前に出す『ゼロポジション』が理想的だ。
  3. インピンジメント症候群の炎症期は肩甲上腕関節の安静だけでなく、体幹の可動域を改善することも大切である。

人間の肩関節つまり肩甲上腕関節は構造的に非常に不安定な関節である。

その為、肩の怪我や老化による筋肉・関節の劣化によって肩関節の動きにトラブルが生じ、『インピンジメント症候群』を引き起こしてしまう。

そして、インピンジメント症候群になった時多くの方が痛くても動かしてしまう。

肩は日常的にもかなりの頻度で使用するので致し方無い部分はあるものの、痛くても痛いところまで動かせば治ると信じている人もいらっしゃる。

そのような考えは組織の修復的には間違った考えである。

今回の記事で散々書いたようにインピンジメント症候群によって肩内部の組織の損傷が生じているので、安静を保ち修復を促さなければならない。

安静肢位を保つ事で、傷ついた肩内部の組織が修復され痛みも徐々に改善してくるからだ。

くれぐれも痛い時期に痛い事だけはやらないように心がけていただきたい。

訂正:2019/09/06

長尾 龍男
この記事を書いた人 : 長尾 龍男

愛知県岡崎市在住。整体院柔YAWARAを設立した理学療法士。柔YAWARAにて関節のトラブル由来の肩こりや腰痛、膝の痛みのケアを提供しております。その傍、「理学療法士」として整形外科で培った知識を活かして、『障害の原因』や『予防方法』『身体のメンテナス・ケアのやり方』をこちらのメディアにてご紹介しております。僕の想いはただ一つ。【僕の技術によって皆様の「お身体」のトラブルが改善し、より良い状態になっていただく事。】 ※より詳しいプロフィールや僕の想いは運営者情報もご覧ください。

Copyright© 健康増進メディア『柔 YAWARA』|愛知県岡崎市で理学療法士が立ち上げた整体院が運営するメディア , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.